大森記念日には書けなかったので、、、一応「灯火」出して記念ってことにしてるんですけど、、、
若様誕生記念品。
すぐ笑ってすぐ泣いて。何ごとにも真っ直ぐで努力は怠らない。大森さんの世界を一番に理解して、藤澤さんが自己嫌悪に苦しんでいたらすぐに寄り添って。2人に、ミセスに精一杯の愛を注ぐ。
そんな感情豊かな愛すべき末っ子にたくさんの幸せが訪れますように。
りょつぱ BL表現有り
wki side
スタッフやマネージャー、サポメンを交えたささやかな誕生祭を終え、今度は3人で、と涼ちゃんの家に集合することになった。
もらったプレゼントを持ち帰るために、一度家に帰る。
改めて見ると、本当にたくさんのプレゼントや花束を貰ったなと、ソファーに並べられた愛のあるお祝いを眺める。たくさんの人に愛されている実感が湧いて、なんだか気恥ずかしくなり、そそくさともう一度家を出る支度を始める。
メンバーの誕生日会はいつも、誕生日でないメンバーで料理とケーキを分担して用意する仕組みになっている。だから、向こうで準備してくれるので本来なら何もいらないはずだが、俺はカバンにそっと下着と服を入れた。
今日は涼ちゃんの家に泊まることになるかもしれないから。いや、泊まるから。涼ちゃんをたっぷり堪能する予定なので。
拒否されたらどうしようとか考える余地もない自分は、よっぽど涼ちゃんに毒されているなと思う。
遅くなるのもあれなので、さっとジャンバーを羽織って外に出る。
仕事帰りの人が多い時間帯で、疲れた様子で家に向かっている人たちの間をすり抜け、逆走する。
涼しい季節になってきたなと、髪をさらさらと揺らす冷たい風を感じながら思う。
とある一角の、少しお高めのマンションのエントランスに入り、涼ちゃんの部屋のインターホンを押す。
はーい、とのほほんとした声が聞こえる。
「りょーちゃん、きたよ」
「!わかい!待ってて、今開けるから」
インターホン越しでもわかるくらい嬉しそうな声に思わず顔がにやけるが、マンションのエントランスにいることを思い出し、慌てて表情を元に戻す。危ない危ない、不審者になるところだった。
エレベーターに乗って、涼ちゃんの部屋がある階のボタンを押す。こんな些細で、ほとんど毎日やっているような動作でも、特別な日には胸が高鳴るものらしい。
エレベーターが開くと、涼ちゃんの部屋の隣人の男性が立っていた。ぺこっと会釈をして横を通り過ぎる。かなりの頻度で出会うので、エレベーターの中など時間があるときは話したりする仲だ。もはや、住居者と思われているかもしれない。
部屋の前に立って、一度心を落ち着けるために深呼吸をする。期待に胸を弾ませながら、合鍵を指す。
扉を開けると、パンっと何かが弾ける音がして、紙テープが俺に降り注ぐ。火薬特有の匂いが広がる。
「「お誕生日おめでとー!」」
にこにこと笑う2人に連れられ、紙テープを外しながらリビングへ向かう。ソファー前のローテーブルにたくさんの料理が並べられている。
「大森シェフが、若井のために作りました!敬意を持って食べなさい!」
自分で何言ってんだよ、と笑いながらローテーブルの前に腰掛ける。
それからは、俺の恥ずかしい昔話だったり29歳の目標を聞かれたり、他愛のない話をしながらご飯を平らげた。大森シェフの料理はなかなかに絶品だった。
お皿が綺麗に片付けられた後、ケーキ係であろう涼ちゃんが立ち上がり、台所へ__なぜか、元貴も立ち上がって部屋の奥へと行ってしまった。
リビングに1人残され、なんだろうと思っていると、涼ちゃんは想像した通りケーキの箱とマッチを、元貴はなぜかアコギを持って帰ってきた。
「、、アコギ?」
「まあまあ、いいからいいから。」
俺の疑問は軽くスルーされ、ケーキを出した涼ちゃんがろうそくをたて、火をつけていく。全てつけ終わった涼ちゃんがそっと立ち上がり、部屋の電気を消した。
ろうそくのおかげでお互いの顔がなんとか見えるくらいの暗さ。驚きと期待で、胸が高鳴る。
向こう側にいる元貴が、アコギを手にしたのが気配でわかった。部屋を優しく飽和する、アコギの音。
すっと息を吸った後、メロディにのせて優しく歌い出した。部屋に元貴の温かい声が響く。
怖くても辛くても
君がいてくれたから
叶えられなかった夢も
過去に捨ててきた思い出も
君といたら花になる
手を繋いで 笑いあって
ともにしてきた日々を宝箱に
これまでもこれからも
“ずっと一緒に”
すっと涙が頬に伝うのがわかった。ほんの数秒だったけれど、今までの記憶がフラッシュバックして、気がつけば涙が止まらなくなっていた。元貴がそんな俺を見て優しく笑った後、
「これさ、涼ちゃんが歌詞考えたんだよ。俺がそれにメロディつけてさ。どうしても、若井にサプライズしたいって。」
はっと顔をあげて涼ちゃんの方を見る。暗がりに慣れてきた目が、涼ちゃんの頬を静かに流れる涙をとらえた。
ろうそくの光に反射して、潤んだ目が光っている。
思わず俺は涼ちゃんに抱きついた。涼ちゃんは驚きながらも優しく俺を抱きしめてくれた。
そんな俺らを満足そうに見つめた後、元貴も俺らをまとめて抱きしめた。
「ねえ、若井が涼ちゃんに勢いよく抱きついたせいで、ろうそく消えたんだけど。」
「それはごめんじゃん。」
「ふふっ、それはそれで僕たちらしいじゃん?バースデーソング歌お?」
「はいはい、はーぴばーすでー、」
「あれ、元貴シェフ、めっちゃ適当じゃないすか?アコギ弾いてくれないんすか?」
「はあ?、、、めっちゃ変なのにしたろ、やるぞ涼ちゃん」
「うぁいす」
「「うぁいす?笑」」
「そこは別にいいから!笑」
辛くて泣けてしまう日もあったけれど、振り返ってみれば、毎日が楽しいで溢れていた。
俺がこの数十年間続けてきたことは、間違っていなかったんだと改めて感じさせられた。何一つ無駄なことなんてなかった。
それは関わってくれているスタッフさんや、応援してくれるJAMs、そして何より元貴と涼ちゃんがいたから。
2人は俺のことを、よく支えてくれるって言うけど、支えられているのは俺の方。
そんなこと恥ずかしくて、口に出してなんかやらないけど、きっと2人は気づいているだろう。
俺を見つめる慈愛に満ちた目がそれを語っている。
これまでも、これからも、ずっと隣で。
みぐり。です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
歌の部分、BFFにしようかなと思ったのですが、なんだか物足りないなと思い、自分で考えました。
いやぁ、かなり良いと思う。
とても長くなってしまい、若様とりょつのセンシティブが書けなくなったので、
2人のセンシティブは「×××。」の方に載せます。
ぜひそちらも見てください!
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