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受付を済ますとタブレットを渡され説明を受ける。

今回の街コンは男女共に五十人ほど参加者がいる大規模なもの。


簡単に言えば、五十人の男性と出会えお気に入りを見つけることが可能なのだ。


「今回はハイスペにこだわったんだ。前回参加したときはさ、なんかパッとしなくてイマイチだったのよ」


「ふうーん」


街コンにもいろいろ種類があり、年齢制限があったり年収の条件が設定されていたり、職業が限定されていたりと様々だ。

今回の街コンは、女性は三十歳までという年齢制限のみ。男性はというと、年齢は三十三歳まで。なおかつ大卒で公務員か大企業の正社員に限定されている。


タブレットにプロフィールを入力し、イベントがスタートした。


半個室のブースで飲み物を飲みながら、自己紹介をしたりタブレットに表示される相手の情報から話題を探る。


そうして気になった相手にはハートマークで意思表示をし、最後にマッチングでカップル成立という流れだ。


若干緊張しながら何人かと当たり障りのないおしゃべりをし、リカのタブレットにもいくつかハートマークが送られてきた。

そのどれもが、思い起こせば真面目で誠実そうな男性ばかりだった。


「わっ、リカすごい! モテモテじゃん」


「えっ? そうなの? 魚月は?……って、魚月も同じようなもんじゃん」


「えへへ。さて、どうしよっかなぁ。いい人いた?」


「うーん、決めかねる」


「私もー。でもいいご縁があるといいよね」


楽しそうに笑う魚月と共に頷いてみたものの、リカの心に引っ掛かるもの――。


――行くなよ。俺がリカちゃんを好きだからに決まってるだろ


航太の苦しそうな顔が思い浮かんで胸がぎゅっと痛んだ。

リカは思わず胸のあたりを握りしめる。

ザワリザワリと押し寄せるような感情に動悸が激しくなるようだ。

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