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第1話 ー 全部お前のせいだ ー




_オーディンside_



白夜「なぁ〜。オーディン」


あぁ。ウザイ。下等生物の人間如きが最高神の俺の名を呼び捨てで呼ぶなど、なんて無礼なんだ。俺はいつもそう思う。


オーディン「名前を呼ぶな下等生物如きが」

白夜「ひでぇなおい」


事実だ。だがこの男神楽白夜改め白神白夜はそれを何回言ったって俺のことを名前で、それも呼び捨てで呼んでくる。


オーディン「ほんとにやめろ汚らわしい…。俺を誰だと思ってる?」

白夜「俺の可愛い可愛いオーディンだな」

オーディン「お前のではない!俺は北欧の最高神だぞ!?」


ふざけている。本当にふざけている。誰が人間の、下等生物のものだ。俺はこいつのものじゃない。俺は北欧の最高神オーディンだ。怒りがふつふつと込み上げてくる。だがその怒りの中には何か違う俺の知らない感情が混じっていた。


白夜「俺の可愛い可愛いオーディンの間違いだろ〜?」

オーディン「なっ…!ちがう。誰がお前なんかのものに…」

白夜「オーディンが俺のもんになんだよ〜」


本当に何を言っているかが分からない。何故俺にこうも執着をする?何故俺なんだ?俺は貴様が嫌いだと何度だって言っているだろう?と、次々に疑問が頭の中に湧いてくる。


オーディン「無理だが?お前なんて嫌いだ!!」

白夜「嫌いだったら来なきゃいいのになんで来るんだよ?」


なぜ?なぜだと?わかっているくせに聞くのか?こいつは。そんなの目的はたった一つに決まっている。


オーディン「グングニルを奪い返しに来てるだけだ」

白夜「グングニルゥ?グングニルならサリエルに前返したじゃん?戻ってきてんだろ?」


こいつは本当に何を言っているんだ。この間返したのならその手元にあるグングニルはなんなんだ?馬鹿にしているのか?下等生物如きが俺を?


オーディン「ならその右手にあるグングニルはなんなんだ?」

白夜「え?っあ!?ニル戻ってきちゃダメだろォ?」

オーディン「っち…さっさっと返せ…」


とことんふざけた人間だ。グングニルを取ったら早く帰ってしまおう。こいつと関わっていると調子が狂う。


白夜「ほらニル。オーディンとこ行け」

ニル「嫌です!!」

オーディン「は?道具如きが何を言っているんだ?さっさっと戻ってこい」

ニル「僕はオーディン様の事が嫌いですだかは帰りたくありませんし、それに僕が帰ってはオーディン様がここへ来る理由が無くなってしまいます!!」


無くなる?無くなるからなんだ?だからなんだ?そんなの俺には関係ない。グングニルは何が言いたいんだ。


白夜「おっ。ニルいい子だなぁ。分かってんじゃん」

ニル「でしょう!」

オーディン「はぁ…?」


もういい。こいつらを見ていると頭が痛くなる。気分が最悪だ。


オーディン「はぁ…」

白夜「ん?…っておい。何帰ろうとしてんだよ?」

オーディン「ウザイ。俺ヴァルハラに帰る。じゃあな」

ニル「殴りますよ??」

白夜「あんまり乱暴するのはやめろニル…」


なんなんだその発言は?なんで俺を気遣うかのような発言をする?さっきから訳が分からなくて頭の中が”?”で埋め尽くされている。


ニル「分かりました!ご主人様がいうのであれば!」

白夜「ん。オーディンもまだ帰んなよ〜。帰んのはえぇよ」


がしっ… (腕掴


帰ろうとした俺の腕を白夜はいきなり掴んだ。


オーディン「は!?」


下等生物如きが俺の腕を掴む?見たことないほどに無礼な人間だな白神白夜は。


オーディン「いい加減にしろ。手を離せ。俺に触るな」

白夜「なんでだよ〜?」

オーディン「触るなと言っているんだ!」


ばっ !(振払


俺は勢いに任せて白神白夜の手を思い切り振り払った。


ニル「あ!?」

白夜「うぉっ…そんなに嫌か?」

オーディン「あぁ嫌だ。何度もそう言っている」

白夜「なら明日も来るか〜?」


来たくはないがグングニルを取り返さなければならない。あれは俺の武器だ。俺の所有物だ。そのために仕方なく明日もここへ来る


オーディン「仕方なくだがな」

白夜「まじ?ならいーぜ」

オーディン「はぁ…本当に無礼な下等生物だ」

白夜「あはっ!ほんとにひでぇな」

オーディン「事実だ」

白夜「ちゃんと来いよオーディン。まじで世界一愛してるぞ♡」

オーディン「だまれっ…!!」


言われた瞬間、顔が熱くなった気がする。熱くなった顔を見せないようにさっさっと後ろを向き俺はヴァルハラへと帰った。







〈 ヴァルハラ 〉



帰ってきた。なのにまだ顔が熱い。あいつが最後に言ったあの言葉が俺の頭の中をずっとぐるぐるぐるぐる駆け回り俺の頭から一向に離れない。あいつあの声が耳について離れない。ふと目を閉じれば瞼の裏にあいつの笑顔が浮かんでくる。


オーディン「不愉快だ…!!…くそっ……」


鼓動が異様に早い。ドクンドクンと激しく高鳴っている。おかしい。こんなのおかしい。


オーディン「っ゙〜〜……!」


早すぎて苦しくさえ感じてきてしまった。あんなやつの声も顔も言葉も全て忘れてしまいたい。なのに脳に焼き付いていつまでも忘れられない。落ち着く為に俺は壁に沿って立膝をし座った。


オーディン「どうする…?」


がちゃっ (🚪


俺が一人で悩んでいると扉を開ける音がした。帰っきたのは恐らくロキだろう。こんな顔を見られては必ず馬鹿にされる。俺は咄嗟に顔を伏せた。


ロキ「くっそ…」


ロキは何やらイライラしている様子だった。イタズラが上手くいかなかったとか大体そんなくだらない理由だろう。バカバカしい


ロキ「ァ…?お前…こんなとこで何してんだよ…」

オーディン「別になんでもいいだろうが…」

ロキ「っは、また白神の事か?」

オーディン「は!?」


反射的に顔を上げてしまった。ロキと目が合う。よく見るとロキの顔は赤く染めあがっていた。もしかすると紅神のことか?ならばさっきのイライラも紅神か。


オーディン「…お前紅神の事でイライラしてんだな」

ロキ「んなっ…ちっ違う!」

オーディン「顔赤いが?」

ロキ「赤くねぇっ!…それに赤いのはお前だろ!…っくそ、お前には関係のねぇ事だ!」


ロキは更に腹を立て部屋へと早足で行ってしまった。ロキはきっと紅神のことが好きなんだろう。


オーディン「…はぁ……っ」


さっさっとこの顔を直したい。何故こんなにも赤くなっているんだ。理由がわからなくてイライラしているとまたふとあいつの…白夜の顔が頭に浮かんだ。


オーディン「…全部あいつのせいだ…!!」




𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝

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