23年前。 高槻市。 狂唖。
「、、母さん、、今日も外でちゃダメ、、??」俺はそう母に聞いた。「当たり前でしょ、、仕事行ってくるから、、お留守番してて、、」そう母は濃い化粧に、派手な金髪を靡かせて玄関のドアを閉めた。「、、何しよう、、今日1日、、」俺は何でかわからないけど生まれてから一歩も外に出させてもらえなかった。母は普通の人間。父は凶暴な外種のbloodで、よく人を狩っては食べていた。「、、眠、、」俺は普通の子だと思ってた。でもテレビを見て、学校に行く子供や、外で遊ぶ子供を見て普通じゃないんだと思うようになった。
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「ただいま〜!!!!って、、何だ、、お前か、、」「、、帰りなさい、、」俺はそう父に返した。「何、またご飯食べさせてもらってねぇの??んー、、あ、親指ならポケットに入ってるけど、、食べるか??」そう父は俺に死骸を見せた。「、、いらない」「ハァ〜!?bloodなのに、、いいか〜、お前も俺と同じ外種なんだぞ〜、そのうち人間食べたくなるから!!絶対」そう父は俺に近づいた。「、、普通のご飯食べたい、、」「、、??普通って何よ、、何食いたい??」「え、、え〜っと、、」何が食べたいんだろ、、「、、特にねぇのかよ、、腹空いてないなら俺は寝るぞ」「え、あ」そう父はこたつの中に入った。「、、あ、お、お父さん、、」「あ??何だ」「、、外遊びに行きたい、、」俺はそう言った。「、、、、」すると父は俺の体を引っ張りこたつの中に入れた。「うわぁ!!」「ダメだ、お前も一緒におねんね、、外は怖いんだぞ〜」「、、ん、、」
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次の日。
「、、ん、、」あ、、2人とも家にいる、、「あ、おはよ、、ねぇ、アンタちょっと風呂場に来て」そう母は俺の腕を掴んだ。「、、??お風呂昨日夜入った、、」「いいから、おいで」
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風呂場。
「、、、、」こ、、これは、、「、、髪が黄色になってる、、」「金髪ね、、ほら」すると母は自分の髪の毛を俺に見せた。「私とお揃い、、」「、、??わぁ、、本当だ、、」「ふふ、、」すると「あらま、金髪じゃねぇか!?俺だけ仲間はずれ!!」そう風呂場を覗いだのは黒髪の父親だった。「うるさいな、、さっさとゴミ出しに行けよ、このニート」「あぁ!?今やろうと思ってたんだよ!!!!」「け、喧嘩やめてよ、、」「オラァ!!怖がってるだろあが、、!!、、なぁ、菜緒(なお 狂唖の母)、、コイツ(狂唖)の名前なんだ、、」「へ??」「、、??名前??」、、名前って何だ、、「、、そういや付けてなかった、、」「は??もっと早く気づけよ」「お前もなぁ!!そ、そのうち付けるわよ、、」そう母は俺の頭を撫でた。
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半年後。
「、、、、」外に出たい。その思いが一層膨らんできた。「、、母さん、、俺外出たい」「、、ダメ、、今日もお留守番してて」「、、髪の毛、、色落ちてきたからもう一回染めて欲しい、、」「は??何それ、、髪の色なんて何だっていいでしょ、、」そう母は俺の方を見た。「、、やだぁ、、母さんと一緒がいい、、」「、、一冴(いっさ 狂唖の父)にやってもらって、、」「、、、、」俺は何だかその母の言動に腹が立った。俺は悪ふざけをした。母に少し引っ付いてみた。「、、!?ちょ、何!!離せよ!!」「やぁ、、仕事行かないでよ」「ハァ!?何そ、、っ!?」「、、!?」するとパタリと母の動きが止み、母は倒れた。「、、??母さん??」俺は母に触った。ピリッ!!「、、!?痛っ!!」、、何、、これ、、「、、母さん、、??お母さん!!!!」俺は母を何度も揺らした。すると母の体からみるみる血が出てきた。「、、!?」その時。「ただいま〜、ん??」父は片手に持っていたコンビニ袋を床に落とした。「あ、、」「、、何そいつ、、お前がやったのか」「え、違っ、、」「、、能魔でやったのか、、」「、、??の、のうま、、??」「、、へぇ、、随分素晴らしい能魔だな、、」そう父は俺に冷たい視線を向けた。
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1週間後。
「、、、、」、、母の死体はハエが溜まり、肉がなくなりつつあった。「、、、、」あれ以来父は俺に背を向け、外を眺めていた。、、怒ってるのかな、、何で俺、、母さんのこと殺しちゃったんだろ、、ピンポーン。「、、??」誰か来た、、??父は聞こえていない様子だった。「、、、、」俺は玄関に行き、ドアを開けた。すると「、、あ、こんにちは〜、、見齧さん??」「、、??、、っ!?」すると男は俺を持ち上げ、中に入って来た。「離してっ、、痛っ!!」「お前!!見齧一冴だよな、、」そう男は父に言った。「、、何だ、、bloodか、、」そう父は言葉を放った。「お、お前のところの息子が伝説能魔の持ち主だと聞いた、、誘拐しに来た!!」そう男は腕に力を入れ、ますます俺を握り締めた。「、、っ、、お、お父さん」俺は父に目を向けた。「、、別にいらねぇよ、、欲しけりゃくれてやる、、」そう父は寝そべった。「、、、、」「、、そ、、そうか、、それじゃあ、もらっていくぞ、、」そう男は玄関を出た。それが初めて俺が外に出た時の話だった。
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