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みゅら
#ギャグコメディ
NaCl
100
滝田タイシン
720
「赤鬼は大丈夫か?」
岩山の頂上で一息付いたパープル将軍は、赤鬼の戦況を見つめる。
「人の心配より、自分の心配した方が良いニャ」
「誰だ?」
将軍が振り返ると、そこにレッドが立っていた。
「おとニャしく掴まるニャン。もう逃げられニャいぞ」
レッドは注意深く身構えながら将軍に近付く。
「お前一人なら、容易い相手だ」
パープル将軍は両手を前に出す。
「『見えない女王の鎖(チェーンオブクイーン)』」
「うっ……」
将軍が叫ぶと同時に、レッドは身動きが取れなくなる。
「ニャ、ニャにをしたんニャ……」
「レッド、お前は女王の鎖で縛られたのだ」
懸命に体を動かそうともがくレッド。
一方イエローと赤鬼執事の対決の決着が見えてきた。
「ニャワワー!!」
イエローが赤鬼執事の股から腕を入れて肩に持ち上げる。
「伊達に毎日ニャントレしてニャいぜ!」
「グワッ!」
イエローが赤鬼を地面に投げ飛ばし、馬乗りになる。
「とどめニャン!」
「ちょっと待ちな!」
イエローが上からパンチを打ち下ろそうとした時、別の場所から声が掛かる。
「ハ、ハヤテ……」
イエローが声の方を見上げると、ゴリラサークルの岩山の上に立つパープル将軍の横で、レッドが苦し気な表情で宙に浮いている。
「ハヤテさん!」
他のメンバーもパープル将軍とレッドに気付く。
「サイコレンジャーはその場を離れろ! レッドがどうなっても良いのか」
パープル将軍が叫ぶ。レッドは空中高くに金縛り状態で浮かされている。術が解かれた途端、墜落して地面に叩きつけられるだろう。
サイコレンジャーのメンバーは目で頷き合い、その場からゆっくりと後ずさる。
「赤鬼! 今日のところは引き上げだ!」
「はい!」
パープル将軍の指示で、赤鬼以下戦闘員達も去って行く。
「じゃあね、可愛い猫さん達……」
パープル将軍はウインクしてレッドにそう呟くと、そのまま『見えない女王の鎖(チェーンオブクイーン)』を解除して去って行く。その途端レッドは十メートル下の地面へと墜落してしまった。
「パープル将軍は金縛りの能力を持っているんですね」
死神執事はアジトの執務室で、デスクに座るホワイト将軍から、パープル対サイコレンジャーの戦いを実況して貰っていた。
「全然大した能力じゃニャイわ」
「どうして猫語なんですか」
「千里眼で見てたらうつったニャン。結構癖になるニャ」
「ホントにあなたって人は……」
死神執事は少し呆れながらも、無邪気な彼女を優しい目で見ている。
「でも、これでやつらの能力も分かりましたし、大きな収穫です」
「味方の能力が分かったからって、何か役に立つの?」
ホワイト将軍は不思議そうな顔で尋ねる。
「それは将軍が気に掛ける必要はございません。全て私にお任せを」
「死神がそう言うのなら、もう聞かない。私はお前を百パーセント信じているからな」
「ありがたき幸せです」
死神執事は笑顔で頭を下げた。
コメント
3件
わあ、第22話めっちゃ面白かったです!パープル将軍の「見えない女王の鎖」って能力、レッドがあっという間に捕まっちゃって、本当に強敵だなって思いました。イエローが赤鬼執事に「ニャントレ」決めるシーンもコミカルで好きです。でも何より、死神執事とホワイト将軍のやりとりの信頼感がじんわり来ました。「百パーセント信じてる」って言葉、泣けますね。次も楽しみにしてます!