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Dear my HERO
⚠️T51 / ???⚠️
健康的に焼けた肌と癖のある柔らかい髪。華奢な身体を活かしたバッティングセンスと守備は才能そのもの。
無愛想で負けず嫌いな八雲は野球だけにしか興味を持たないような人間。
大学以前の写真も経歴もない八雲はいつしか過去に何かを隠した選手として知られていく。
_そして、八雲の過去を少しずつ知っていくことになる。
1.孤独
汗のせいで張り付くインナー。
すっかり伸びた癖のある髪を片手でかきあげ、タオルに顔を埋めると幾分かスッキリした。
ふいに首筋に冷たい感触を感じて風見は長いまつ毛を揺らして顔を上げた。
「飛ばしすぎじゃない?まだ初日やし。ん、水飲めって怒ってたで、トレーナーの人。」
見上げた先ではタオルを首に下げた中野拓夢と目が合った。
暑さを感じさせない程に柔らかな雰囲気で目尻に皺を寄せて笑う中野。
八雲はその目を見続けることができずに「どーも」と素っ気なく返事をすると水を受け取ってすぐに顔を背けた。
伸びた髪から除く耳は日焼けした八雲でもハッキリと分かってしまうほど赤く染まっている。
「…もう話したん、他の選手とは。」
そっと八雲の横にしゃがんでそう聞くも彼は黙りこくった末に小さく首を横に振る。
その様子に中野は困ったように眉を下げると八雲に水を飲むようにと再び促した。
離れた所で盛り上がるベンチ付近に目を向ける。
それを見てよけいに中野はどうすればいいのか頭を悩ませるばかりだった。