テラーノベル
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独占しても良い?
雨の日。
放課後の教室は静かで、少し暗い。
「やむまで待つか」
俺が言うと、jpは珍しく素直に頷いた。
窓の外を見る横顔。
赤は穏やか。
……いや。
少しだけ、柔らかい。
「なぁ、ya」
「ん?」
「今日さ」
机に肘をついて、こっちを見る。
目が、やけに優しい。
「俺、ちょっと甘えていい?」
一瞬、思考停止。
「は?」
「甘えたい」
言い切った。
顔は平然。
でも色は、ほんのり赤い。
「どうした急に」
「だって」
少し視線が揺れる。
「最近、お前ばっか余裕そうだから」
拗ねてる?
「俺だってたまには」
椅子を引いて、近づいてくる。
距離、近い。
「独占したい」
直球。
赤がゆっくり濃くなる。
「ya」
「……何」
「俺のこと好き?」
「好き」
「どれくらい」
「めちゃくちゃ」
じっと見られる。
逃げ場なし。
「じゃあさ」
そっと手が伸びる。
俺の指を絡めてくる。
「今日は俺の言うこと聞いて」
心臓、うるさい。
「何する気」
「んー」
少し考えて、にやっと笑う。
「まず」
手を引かれて、距離ゼロ。
「俺のことだけ見ろ」
近い。
息、当たる。
「色、どう見える?」
真っ赤。
でも柔らかい。
「溶けてる」
「正解」
嬉しそうに笑う。
そのまま、額を軽くくっつけられる。
「なぁ」
「ん」
「お前が俺のこと甘やかすの、好きだけど」
声、少し低い。
「今日は俺が甘やかす」
え。
次の瞬間。
頭、撫でられる。
優しく。
何度も。
「よく頑張ってる」
「……急に何」
「俺の隣でいてくれてるだろ」
赤が、ふわっと広がる。
「ありがとな」
破壊力。
「お前の色、俺だけのだろ?」
「……そうだよ」
「なら」
少し顔を近づける。
「俺のも、お前だけのにする」
赤が一瞬、爆ぜる。
唇、あと数センチ。
「……やば」
「何が」
「可愛すぎる」
一瞬で真っ赤になるjp。
「お前がな」
でも逃げない。
むしろ少し近づく。
「キス、してもいい?」
自分から聞くとか反則。
「……いい」
小さく触れるだけ。
一瞬。
離れたあと、耳まで真っ赤。
「……甘すぎ」
「俺のせい?」
「お前のせい」
でも手は離れない。
絡んだまま。
「たまには俺も甘えさせろ」
小さく笑う。
赤は、完全に溶けていた。
雨の音がうるさい夜。
珍しく、jpから連絡が来た。
「今、会える?」
短い。
絵文字もない。
でも、なんか変だった。
部屋のドアを開けた瞬間。
立ってた。
傘もささずに来たらしい。
「おい、濡れてんじゃん」
「いい」
声が低い。
でも、弱い。
部屋に入れた途端、静かになる。
いつもなら軽口の一つくらい言うのに。
「何あった?」
「……何も」
嘘。
色が揺れてる。
赤だけど、不安定。
「jp」
名前を呼ぶと、やっと目が合う。
その瞬間。
ぐっと、腕を掴まれた。
「ya」
「ん?」
少し、黙る。
唇を噛む。
迷ってる。
「俺さ」
声、かすれてる。
「平気な顔してるけど」
指先が、少し震えてる。
「お前がいなくなったらって考えると」
息を吸って。
「無理」
胸が止まる。
「yaいないと、無理」
赤が、滲むみたいに広がる。
強い色なのに、壊れそう。
「俺さ」
「うん」
「余裕あるふりしてるけど」
ゆっくり近づく。
「お前が他のやつと笑ってるだけで」
「……」
「本気で怖い」
目が、揺れてる。
「俺だけじゃなかったらどうしようって」
「俺じゃ足りなくなったらどうしようって」
こんな声、初めて聞いた。
「だから」
ぎゅっと抱きしめられる。
「いなくならないで」
低い。
でも、必死。
「俺のそばにいて」
色が、真っ赤に揺れる。
俺は、背中に腕を回す。
「いなくならない」
一瞬、力が強くなる。
「約束しろ」
「する」
少し、顔を上げるjp。
「……好き」
声が、震えてる
「好きすぎて怖い 」
俺はそっと頬に触れる
「俺の色、見える?」
ゆっくり頷く。
「お前だけ」
その瞬間。
赤が、ゆっくり落ち着く。
濁りが消える。
「……ほんと、ずるい」
でも今度は離れない。
「ya」
「ん?」
「俺が弱くなるの、お前の前だけだからな」
額をくっつける。
「だから責任取れ」
「一生?」
一瞬固まって、
耳まで真っ赤になって、
「……い.」
小さく。
「一生…」
小さく言ったあと、
jpは何も言わなくなった。
ただ、抱きしめたまま。
強く。
離さない。
「jp?」
返事がない。
でも腕の力は抜けない。
胸に顔を埋めたまま、動かない。
そのとき。
ぽつ、と。
シャツに温かい感触。
「……え」
ゆっくり、jpの色を見る。
赤。
いつもの強い赤。
でも今は―
揺れてる。
輪郭がぼやけてる。
「……ごめん」
くぐもった声。
「泣くつもりじゃなかった」
泣いてる
jpが。
「なんで謝るんだよ」
「ダサいだろ」
少し顔を上げる。
目が赤い。
でも視線は逸らす。
「俺さ」
声、震えてる。
「強くいないといけないって思ってた」
赤が、ゆっくり滲む。
「色、捨てたときも」
「感情、押し殺したときも」
「平気な顔してれば何とかなるって」
息を吸う。
「でも」
ぎゅっと、また抱きしめられる。
「お前の前だったら無理だった」
胸が痛い
「強がれない」
「隠せない」
小さく、嗚咽が混じる。
「怖いし」
「不安だし」
「失いたくないし」
赤が、溢れるみたいに広がる。
「こんな感情、久しぶりで」
「どうしたらいいか分かんないっ…」
俺はそっと、背中を撫でる。
「そのままでいい」
一瞬、動きが止まる
「泣いてもいい」
静かに、肩が震える。
「ya」
「ん?」
「いなくならないで…」
「いなくならない」
コメント
1件

こうゆう感じの雰囲気めっちゃ好きです!最高すぎました!!