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地雷,閲覧注意
ru+rbwn
ヒーローの任務話
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包帯を巻いた胸がズキズキと痛む。
医者は「完治まであと2ヶ月」と言ったけれど、僕にはそんな時間はない。
ヒーローのみんなが任務に出ている間、僕だけがこうしてベッドに縛られているのが歯がゆくて仕方がなかった。
wn「はぁ…」
天井の染みを数えるのにも飽きて、僕は窓の外を眺めていた。
夕日が病室を染める頃、廊下から聞こえてきた会話に僕の血の気が引いた。
「…小柳の傷、思ったより深いな」
「ああ、星導も相当やられてる。こりゃ危険かもしれん」
知らない声だった。
でも、はっきりとロウとるべの名前が聞こえた。
「致命傷って聞いたが…」
「時間がないな。急がないと」
足音が遠ざかっていった。
僕の心臓が激しく鳴り響いた。
wn「そんな…嘘だろ?」
僕は慌ててベッドから起き上がった。
胸の傷が激痛を走らせたが、そんなことはどうでもよかった。
大切な人達が危険な状態にあるなんて。
壁に立てかけてあった大剣を握る手が震えていた。
まだ完治していない身体には重すぎる。
でも、二人のためなら何でもできる。
wn「待ってて…すぐに行くから」
僕は病室を出た。
足を引きずりながら、さっき声が聞こえた方向に向かう。
wn「どこにいるんだ…」
事務所の外を歩きながら、僕は必死に二人の姿を探した。
でも、どこにもいない。
wn「おかしい…確かに聞こえたのに」
その時、遠くから微かに聞こえる声があった。
?「ウェン…助けて…」
るべの声だ。
間違いない。
wn「るべ!どこにいるんだ!」
僕は声の方向に向かって走り出した。
胸の傷が開いているのか、包帯に血が滲んでいる。
でも、止まれない。
声は僕を古い倉庫の方向に導いていく。
普段は誰も近づかない、事務所の奥の裏手にある建物だった。
wn「なんでこんなところに…」
疑問に思いながらも、僕は倉庫の扉を開けた。
中は静寂に包まれていた。二人の姿はどこにもない。
wn「あれ…?」
その時、背後から恐ろしい殺気を感じた。
体の芯から震え上がるまで鳥肌が立つ。
振り返ると、今まで見たことのない巨大なこざかしーがそこにいた。
wn「罠だったのか…」
僕は苦笑いを浮かべた。
声を真似る能力を持った敵だったんだ。
wn「…ああ、まんまと引っかかっちゃったね」
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敵は人間の言葉を理解しているようで、僕を見て不気味に笑った。
「キミノ、ナカマ、シンパイ、スルノカ?」
掠れた声で敵が言う。
wn「そうだよ。僕は仲間が心配なんだ」
僕は大剣を構えた。
wn「だから、お前を倒して、早く二人のところに行かなきゃいけない」
敵が最初の攻撃を仕掛けてきた。
巨大な腕が僕に向かって振り下ろされる。
wn「うわっ!」
僕は横に跳んでかわしたが、着地で足がもつれた。
まだ治りきっていない身体にはあまりにも厳しすぎる。
wn「くそ…普段ならこんな攻撃…」
でも、愚痴を言っている場合じゃない。
僕は立ち上がって反撃に転じた。
大剣を振り回し、敵の足を狙う。
しかし、敵は素早く後退する。
「キミ、ヨワイ。ケガ、シテル」
敵がまた不気味に笑う。
wn「弱くて悪かったな!」
僕は怒りを込めて大剣を振った。
今度は敵の腕を捉えた。
しかし、その反動で僕の身体がよろめいた。
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戦いが続く中、僕の身体はどんどんボロボロになっていった。
防げる攻撃は防いだが、防ぎきれないものは全て身体で受けた。
身体はどんどん軋んでいった。
身体は限界だと悲鳴を上げていた。
新しい傷が次々と開いていく。
wn「はぁ…はぁ…」
息が荒くなってきた。
視界もだんだんかすんでくる。
痛いし苦しい。
wn「まだ…まだ倒れられない」
僕は大剣を杖代わりにして立ち上がった。
wn「二人が…二人が無事かわからないんだ」
その時、敵が再び人の声を真似した。
「ウェン、モウ、ヤメテ…」
ロウの声だった。
「ソンナニ、キズツイテ…」
るべの声も聞こえる。
wn「うるさい!」
僕は叫んだ。
wn「二人の声を真似るな!」
怒りに任せて大剣を振るったが、もう力が入らない。
攻撃は空振りに終わった。
wn「もう…限界だ」
ついに僕は膝をついた。
敵を見上げることしかできない。
wn「僕は、、ここで死ぬのかな、」
でも、不思議と後悔はなかった。二人のことを想って戦えたんだから。
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敵が最後の攻撃を仕掛けようとした時、倉庫の扉が勢いよく開いた。
rb「ウェン!」
本物のるべの声だった。
ru「ここにいたのか!」
ロウの声も聞こえる。
ふたりが来てくれた。
戦闘は一瞬で終わった。
2人がかりの攻撃に、敵はひとたまりもなかった。
rd「ウェン!」
るべが僕のところに駆け寄ってくる。
rd「大丈夫?怪我が…」
wn「るべ、、本物だよね?」
僕は震える手で彼の顔に触れた。
rb「もちろんだよ。俺だよ、ウェン」
彼が僕を抱きしめた。
彼の匂い、温もり、全部本物だった。
wn「よかった、無事で、、」
意識がだんだん遠のいていく。
でも、今度は安心して気を失うことができた。
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目を覚ますと、また病室のベッドの上だった。
でも、今度は安心感があった。
ru「気がついたか、馬鹿野郎」
ロウが僕を睨んでいる。
でも、その目は涙で潤んでいた。
ru「どうして一人で戦いに行ったんだ」
wn「ごめん…ロウとるべしょうが致命傷だって聞いて…」
ru「は?」
るべが首を傾げた。
rd「俺たち、今日は書類整理で一日中事務所にいたよ?」
wn「え?」
僕はポカンとした。
ru「任務なんて行ってないぞ」
ロウも困惑している。
wn「でも、確かに聞こえたんだ。二人が致命傷だって…」
rb「それ、多分敵の罠だったんだよ」
るべが優しく説明してくれた。
ru「人の言葉が喋れる敵がいるって、前から報告があったんだ」
wn「そうだったのか…」
僕は自分の間抜けさに苦笑いした。
rb「でも、ウェンが僕たちのことを心配してくれたのは嬉しい」
るべが僕の手を握る。
ru「今度から、何かあったら必ず確認してから行動してくれ」
wn「うん…約束する」
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いつものように静かな夜。
昼にあった事件は怒涛のように流れて行った。
僕は2人を失ってしまうかもしれないという危機に迫られたら自分の命と変えてもいいと思えるようだった。
そんだけふたりが好きなんだと思った。
rb「ウェン、俺以外のこと考えてる?」
wn「びっくりしたあ〜、居るならいるって言ってよ」
rb「ふふ、ウェン話しそらさないよ」
wn「、、るべの事考えてたよ」
嘘ではない。るべとロウの2人を考えていたから。
rb「小柳くんは余計ですよ?」
ぎくりとした。心臓が強く跳ね上がる感覚がした。
別に悪いことをしているわけじゃないのに動悸が治まらない。
rb「バレバレですよ?」
るべが僕の顎をそっと持ち上げて軽い触れるだけのキスをした。
wn「ん、、」
恥ずかしくて顔が熱くなる。
るべの顔は見れない。
rb「かわいい、目見て。ちゃんと。」
次はしっかりと顎を掴まれて逃げれない状態だった。
顔は近くるべからの熱い視線に目が離せなかった。
るべの目線は首元へ落ちて行き、ゆっくり僕に近ずき首元に唇をつけた。
ぢゅッと吸われた。
wn「ぃ”ッ、」
rb「かわいい。俺はウェンとまだまだ一緒にいたいから無理して任務に行かないでください。心臓がいくらあったて持たないですよ」
じゃあゆっくり休んでねと手をヒラヒラさせて病室を出て行った。
僕首元にはどんどん熱を持っていった。
僕はキスマに手をあてて、恋人からの嫉妬に胸がいっぱいになった。
心配かけすぎたと反省して深い眠りに着いた。