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「どこ…ここ…」「あ、遥。やっと起きたんだね」なに…?ここ…さっきまでワタシ家に帰ってたよね?晴奈もいるし…なんなの?ここ「晴奈、どこここ…?」「アタシも分かんないよ。」…そりゃそうか。「てか…人多くね?」辺りを見回してみると、この広い部屋にたくさんの人達がいる。みたところ皆学生っぽい。 「皆さん、おはようございます!」 「へっ?」突然、部屋の壁についてあるテレビが喋りだした。 「皆さんにこの部屋でのルールをお話いたします!」 テレビにはボイスチェンジャーをかけた顔の見えづらい服装をした人が映し出されていた。もしかして、本当に誘拐されたの…?
「この部屋には今、62人の人達がいます。そこで、この部屋で生きている人が1人になったらここから出してあげます。」 「なにそれ…デスゲームじゃん…」「そんなんドラマとかでしか見たことないよ…」 「部屋の4つの隅にそれぞれ3本ずつ包丁を用意しました。人数分はないので早い者勝ちですよー!ご飯は1日に2食分を50人分用意いたします。こちらも人数分はないので早い者勝ちです!ご飯は12時と20時に出ます。トイレは部屋の中に1つだけあるので、それをお使いください!それではー」 そういうと、テレビがきれた。 「意味分かんないよ…そんなの…」「ほっほら!ポジティブにいこうよっ!」「そんなの無理に決まってるでしょ!!」「ごっ…ごめん…」 やっぱり皆、受け入れられてない。ワタシも受け入れられていない。急に誘拐されて、デスゲーム始めさせられて、人数分のご飯は与えられなくて、部屋にはトイレ1つと包丁数本だけって…こんなのあんまりだ… 主催者の目的はなんなの?どうしてこんなことをするの?マジ腹立つ…皆で生き残んなきゃ。そんで、あとは警察に言おう。 皆混乱していた。咽び泣く人もいた。喧嘩をしている人もいた。正直地獄だった。
「それでは20時になったので、ご飯をお出しします!」 再びテレビがつき、今からご飯が出ることを知らされた。人数分ないご飯を。部家にあった小さな窓が開き、1人分の量ずつそこからご飯が出された。皆ご飯が出た瞬間、必死に走って取りに行っていた。 「よし!取った!」[バッ!]「俺の飯だ!」1人の女の子がご飯を取った瞬間、1人の男の子がご飯を奪った。ドンドン周りの人達がご飯を取っていっているなか、聞き覚えのある声がした。 「遥!晴奈!晄!ご飯取ってきたよ!」それは瑠菜の声だった。瑠菜はパン2つと水の入ったペットボトル2本を抱えてこちらへ向かって走ってきていた。 「ごめん、2人分しか取れなかった…」「大丈夫!4人で分けあお!」申し訳なさそうに謝る瑠菜に晴奈は慰めの言葉を掛けていた。「…ずっとこんな生活してたら痩せちゃうね、ウチら」晴奈は少し哀しそうに、誰がみてもわかるような作り笑顔で話した。そう、1人の1食分の量はパン1個と水の入ったペットボトル1本だけだった。 「私達元から可愛いから、痩せたらもっと可愛くなっちゃうね!」晄がそう冗談交じりに言うと、場の雰囲気が少し柔らかくなった気がした。「だね、ちょうど痩せたかったし、ワタシご飯いいや(笑)」「じゃあウチもいいわ」「こらこら、ご飯の量は少ないから食べても大丈夫。ほら、食べるよ!」 この部屋にきて、始めて笑った。皆といることは、こんなにも楽しいことだったんだ。