テラーノベル
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い
80
あき💫🌙

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コメント
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ああ〜〜もう、2年のすれ違いが一気に報われる展開、胸熱すぎる…!「全然恋愛的に好きだけど」で脳が追いつかなくなった葛葉の混乱が目に浮かぶし、ローレンの「ガチで危ねぇとこだった」本音爆発に笑った。第二ボタンをずっと守ってた葛葉の執着心にもぐっときたわ…卒業式の喧騒と屋上の静かな熱の対比も良かった。お疲れ様、最高の最終回でした🔥
そんな状態が変わったのはものすごい時間が経ってからだった。少し寒いような暖かいような寂しい匂いの香る三月。桜の蕾が、ほんのりとピンク色に色づき始めた、卒業式の日式が終わり、教室は最後の別れを惜しむ声と、記念撮影をする生徒たちで、ごった返していた。「不破君、写真撮って!」「ヒムちゃん、これ、アルバムにサイン書いて!」不破とイブラヒムは、相変わらず人気者として、教室の中心で笑っていた。指示されたイブラヒムも、不破も、それぞれの進路へと向かう。そして、その喧騒から少し離れた、窓際の席。葛葉は、自分の荷物をまとめて、静かに立ち上がった。「……ローレン」「あ、葛葉」ローレンが振り返る。その制服の胸元には、第二ボタンがしっかりと残っていた。女子からの頼みを、すべて綺麗に断り通した証拠だ。「ちょっと、いいか」「おう。いいぜ」二人は、かつて初めて葛葉が告白し、涙を流した、あの無人の屋上へと向かった。冷たい春の風が、二人の髪を揺らす。「卒業、だな」ローレンが、手すりに寄りかかりながら、ふっと笑った。「あぁ。……卒業だな」葛葉は、ぎゅっと自分の右手を握りしめた。その手のひらには、自分の制服の第二ボタンが、汗ばむほどに握りしめられていた。「ローレン。最後に、お前に謝りたくて、ここに呼んだ」「え……?」ローレンが不思議そうに首を傾げる。「二年前、俺、勝手にお前に告白して、困らせて、泣いたりして、本当に申し訳なかった。……お前が、優しいから、友達でいてくれたけど、ずっと重荷だったよな」葛葉は、自嘲気味に、だけどこの上なく穏やかに微笑んだ。「今日で、卒業だから。もう、お前を困らせるようなことは言わない。……今まで、俺の勝手な片想いに付き合ってくれて、本当にありがとう。……ごめん、な、でもこれだけ受け取ってほしい。」葛葉は、ローレンをこれ以上縛らないように、本当に「綺麗に身を引く」ための、完璧な謝罪を口にし、第二ボタンをローレンの手に預けた。しかし。その言葉を聞いた瞬間、ローレンの顔から、余裕の笑顔が消え失せた。「……は?」ローレンの、低い、掠れた声。「え、ちょっと待って。葛葉。……お前、何言っ、て……」「だから、今まで困らせてごめんって――」「全然、恋愛的に好きだけど」「…………は?」今度は、葛葉の思考が、宇宙の果てまで吹き飛んだ。「え……? 何、が……?」「だから。俺、お前のこと、全然、恋愛的に大好きだけど。男として、めちゃくちゃ好きだけど」ローレンは、平然と混乱した葛葉の頭にも嫌でも届くほどの声で、葛葉の胸元をぐいっと両手で掴んで引き寄せ返答した。「は、はあああああ!?!? いつから!? お前、あの時振っただろ!?」「あの時は! お前がいつもツンツンしてて嫌われてると思ってたから、でも、あの後、お前がめちゃくちゃ優しく、些細なことばっかり気遣ってくれるから……気づいたら、どんどん意識して、お前のこと、好きすぎておかしくなりそうだったわ!!」ローレンは一気に捲し立てると、葛葉の胸に顔を埋めて、耳まで真っ赤にしながら呻いた。「なのに! お前が、友達のままでいいって言って、本当にそれ以上踏み込んでこないから!『あぁ、葛葉はもう、俺のこと友達としか思ってないんだ、あの告白も過去のことんだ』って、勝手に納得して、諦めようとしてたんだよ、俺は!!」「え、あ……じゃ、じゃあ、お前、俺が今、謝らなかったら……」「普通にこの恋忘れて、新しい大学で、次の恋探して、普通に生きていこうと思ってたわ!!!マジで、お前がここで謝って引き留めなかったら、俺ら、一生友達のまま終わってたからな! ガチで危ねぇところだったんだぞ!!」ローレンの、大爆発した、本音の怒鳴り声。ローレンは引き際が良すぎて、今まで好きになっても向こうにバレなかったため恋が叶ってこなかったが、今回は奇跡のタイミングで葛葉が謝ったため、なんとか繋がったのだ。葛葉は、目の前で真っ赤になって怒っている、愛しい愛しい恋人の姿を見つめ、それから、全身の力が抜けたように、深く、深くため息をついた。「……お前、マジで、大馬鹿野郎だな……」「うるせぇ! まだ好きならもっと態度に出してけよ!」「出してたわ!だからお前も好きになったんだろ!」「、、、待たせすぎんだよ、バーカ」葛葉は、ローレンの首元に手を回し、引き寄せると、二年間の、すべての不器用さと、すべてのすれ違いを焼き尽くすような、深く、熱く、とろけるように甘いキスを、その唇に落とした。その拍子にローレンは手に持っていた葛葉の第二ボタンを落としてしまった。「ん……、ふ……くず、は……っ」重なる唇の温かさに、ローレンの目から、じんわりと涙が滲み出る。今度は、拒絶の涙ではない。やっと、同じ境界線の上で、二人の温度が重なり合った、幸福の涙だった。「……なぁ、ローレン」キスを解き、至近距離で見つめ合いながら、葛葉はローレンの右手に、もう一度自分の制服の第二ボタンを、ぎゅっと握らせた。「これ。……最初から、お前にやるために、ずっと守ってたから」ローレンは、その小さな、けれど世界で一番重いボタンを見つめ、それから、ふにゃりと、心からの柔らかい、蕩けるような笑みを浮かべた。「……うん。ありがとな、葛葉」屋上の扉の向こうからは、不破とイブラヒムの、「なんか告白遅くね?」「まぁ、草食系男子なんでしょw」という、暢気な声がかすかに聞こえていた。けれど、今の二人には、世界で一番甘くて、いちばん確かな、この境界線の中の熱だけが、すべてだった。