テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
お気に入りの服を着て、靴を履く
大好きなネットにアクセスするためのスマホを持つ
『行ってきます』
そう言い、私は歩き出した
何度も見た、この光景
足取りが軽くなる
雨が降ってきた…
まぁ、いいや
階段を登る
もう、戻ってくることもないけど
息が上がる
ふぅ…
少しだけ、ほんの少し勇気を出すだけ
大丈夫、大丈夫
さぁ…行こう…
『逝ってきます』
コメント
101件
ん~いまいる?
実践してくるね
お気に入りの服と靴、そしてスマホ──そこから始まる「行ってきます」が、最後の「逝ってきます」で全部の意味を反転させてしまったのが、すごく心に残っています。何度も見た光景のはずなのに、階段を登るたびに息が上がって、少しだけ勇気を出す、その一文一文がもう戻れない場所へ向かっているようで……。あのラストの一文、読み終えた後もずっと胸の中にあります。丁寧に綴られた日常の描写が、かえって切なさを際立たせていました。