渡辺side
渡「んっ、朝…」
宮「おはよう、よく眠れた?」
渡「そりゃばっちり」
宮「ふふっ、それなら良かったよ」
渡「俺ふっかの事見てくるわ」
宮「ん、よろしくね」
昨日病室に行ったら照がふっかの事を覚えてないとか訳のわからない事を言い始めるから最初
は信じていなかったけどあの時の涼太の反応とふっかの様子を見る限り嘘をついているわけでもなさそうで思わず言ってしまったんだよね
「しばらく俺たちの家に泊めてあげよう」って
あのままの状態のふっかを野放しにしていたらなにをしでかすか分からないからさ、
渡「…早く思い出せよな…」
ふっかに貸している部屋の戸を叩き中に入る
渡「ふっかー?どう眠れたー?って、ふっか?」
視界に飛び込んできたのは
抜け殻状態の布団と微かに揺れているカーテン
待って、ふっかは?どこに行った…⁇
渡「ふっか、ふっか⁇⁉︎」
勢いよくカーテンを開けると今にも消えてしまいそうなくらい儚い姿のふっかがいた
渡「っ、…良かった…、」
深「あれ、なべ?どうしたの?」
渡「どうしたのじゃねーよ、…おはよ」
深「うん、おはよ」
渡「眠れたか?」
深「…眠れたって言ったら嘘になっちゃうかも笑」
渡「……やっぱ照じゃないとダメか」
深「…ごめんね、こんな良くしてくれてるのに…」
渡「ううん、大丈夫今日も泊まってくか?」
深「うーん、とりあえず家に帰ろっかな、洗濯とか回したいしさ」
渡「わかった、とりあえずご飯涼太が作ってくれてるからそれ食べよ」
深「ん、ありがと」
…………………………………………
深「スゥー、ハァー……よしっ、」
ゆり組の家を後にして俺は照が入院している
病院に寄ることにした。
昨日は思わず飛び出したまま帰ってしまったからちゃんと自己紹介しときたいしね…
深「失礼しまーす…」
岩「あっ、昨日の…えっと、」
深「ふっか、…深澤辰哉です、」
岩「深澤さん、…」
深「ふっかでいいよ、前もそう呼んでくれていたから…」
岩「わかった、ふっかね…ねぇ、俺はふっかのなんだったの?」
深「……えっと、」
岩「友達?仲間…?」
深「……………友達、友達だよ‼︎」
岩「…本当に?」
深「うん、同じグループでシンメ同士、それで皆んなから夫婦って言われるくらい仲良かったんだよ」
岩「そうなんだ、なんか忘れちゃってほんと申し訳ないことしちゃったな…」
深「ううん、大丈夫だよこれからゆっくり思い出してくれたら大丈夫だから」
岩「うん、ありがと」
深「どういたしまして、それじゃあ俺行くね」
岩「えっ、もう行くの?」
深「えっと、この後仕事あるんだわ笑流石に帰らなきゃ」
岩「そっか、…じゃあまた明日?」
深「うん、また明日ね」
咄嗟についた嘘
少しは期待をしていた、昨日のは嘘でもしかしたら俺のことを思い出してくれるのではないのかとそんな淡い期待を胸に秘めていたけど
それも虚しく昨日のは夢ではなかったし、一切思い出していなかった…
もうこのまま照と恋人同士だったことは打ち明けず前みたいに友達に戻ってしまった方がきっとお互いのためだし、それにもし戻らなかった時1番辛いのは自分だから……だから、
大丈夫、大丈夫だろ深澤辰哉…俺なら大丈夫
深「大丈夫っ、なはずなのにっ、グスッ」
家に帰ってベットに横たわる
布団からは微かに照の香りがしてきて余計に胸を締め付けてくる。
深「っ、グスッ…ひっ、かる…ひかるっ‼︎グスッ」
泣き疲れてこの日はそのまま眠りについた
………………………………………………………
岩本side
岩「…宮舘涼太、渡辺翔太、阿部亮平、ラウール、目黒蓮、向井康二、佐久間大介、……深澤辰哉、」
岩「なんで、ふっかって人だけ忘れてるんだろ…」
ずっと疑問に思ってるなんでこのふっかって人だけ自分の記憶の中から消えてしまっているのかそれにずっと夢の中で俺に何かを訴えているのは誰なんだ…?
ずっと謎が解けずに頭の中では一つの毛糸が何重にも絡まって解けなくなってる様にこんがらがっている
岩「……なんで、なにも思い出せないんだよっ、」
医「岩本さん体調はどうですか?お変わりありませんか?」
岩「あっ、先生、あの聞きたいんですけど、」
医「はい?」
岩「俺って特定の人物だけ忘れてるじゃないですか、それってなんで…?」
医「岩本さんは頭に強い衝撃を受けてしまったので多分それが影響で1番記憶にこびり付いている方の事を忘れてしまったんですね…」
岩「1番俺の記憶にこびりついている…?」
医「そうですね、たとえば家族とか、あとは恋人とか…ですかね」
岩「…恋人」
医「もしかしたらその方は岩本さんにとってとても大切な方なのかも知れないですね」
岩「………ふっか、恋人……っ、‼︎」
医「岩本さん!しっかり!」
突然頭に激痛が走り今までの記憶が全てフラッシュバックの様に蘇ってきて俺はそのまま意識を失ってしまった。
………………………………………………
目黒side
振り入れをしている最中だったマネから電話
が突然掛かってきた。
宮「はい、はいっ、わかりましたすぐに向かいます!」
渡「涼太?どうしかしたの?」
宮「照が、意識失ったって、」
ラ「えっ、パパがっ、⁉︎」
阿「うそっ、なんで⁇」
宮「詳しいことはまだわからないとりあえず病院に向かおう!」
目「ふっかさん、動ける⁇」
深「っ、うん、大丈夫…」
真っ青な顔のふっかさんのことを支えながら
岩本くんのいる病院まで向かう
車の中でもふっかさんは一言も言葉を発することなくただ呆然とした表情で俯いているだけだった
目「……っ、」
阿「めめ、大丈夫?」
目「りょっ、…阿部ちゃんふっかさん大丈夫かな、」
阿「…大切な人が意識無くしちゃったからな…、しんどいってものじゃないと思う」
目「そうだよね、思い出してくれてないんだもね、まだ…」
阿「今は出来る限りサポートして、そばにいてあげるのが1番だよ」
目「うん、そうだよね…ありがと」
阿「ふふっ、うんどういたしまして笑」
病室に着くとベッドの上で呼吸器をつけられ
ている照の姿があった。
重たい足を一歩、また一歩進ませ照の頬に手を当てた。
深「…ひかる、」
渡「おい、ふっか今は」
宮「…そっとしてあげよ」
深「ひかる、あのね俺の事もう思い出してくれなくていいよ、笑」
佐「えっ、なに言ってるの、ふっか?」
深「…俺気づいちゃったんだ、このままもし照が俺の事思い出さないままだったらきっと俺苦しくって今まで通りの友達の関係って言うのかな…出来る自信がないんだ、」
ラ「ふっかさん、?」
向「ふっかさん、なに言うとるんっ、?」
深「ねぇ、照、俺たち別れよっか」
目「はっ⁇ちょっ、とふっかさん⁇」
深「また1から友達としてやり直そ、ね?」
渡「おい、ふっかお前なに勝手な事言って!」
深「だからっ、グスッ目覚ましてっ、ひかっ、グスッ」
渡「……っ、」
深「もうっ、恋人だった照はいらないからっ、神様っ照を助けてっ、‼︎グスッ」
……………………………………………………
岩本side
誰かが泣いている
聞き覚えのある大好きな人の声…
泣き止んで?って、優しくその頭を撫でようとするけど一向に泣き止んでくれない…
岩「あれっ、届かない…」
どうしたらいいんだろうと思っていた時
急に目の前に一つのパーツだけはまっていない
パズルが現れた
岩「えっ、これここに合わせたらいいわけ?」
ピースを合わせると急に強い光に襲われて
いままで一つの毛糸がこんがらがっている状態だったのに一瞬で解けた…
岩「そっか、俺の大事な人って、………」
気がつくと視界には病室の天井と疲れて眠ってしまっているメンバーの姿が目に入った
岩「んっ、…あれっ、…みんないる」
一体あの夢はなんだったんだ…
呼吸器が苦しくって外そうと思い右手を動かそうとするが動かない視線の先には俺の右手を握りしめながら眠るふっかの姿があった
岩「…ふっか、」
深「んっ、ひかっ、?」
岩「あ、起きたおはよう」
深「ひかっ、ひかる!あっ、…えと、」
今にも抱きついてきそうな勢いだったのに
出しかけた両手を自分の胸の内に閉じ込めて
こちらの様子を伺っている
そっか、そうだよな、ちゃんと伝えなきゃ…
岩「…辰哉、好きだよ」
深「はっ、…ひっ、ひかる、⁇」
岩「遅くなってごめんな、…ただいま?笑」
深「っ、思い出したのっ、?グスッ」
岩「うん、辰哉、こっち来てよ抱きしめたい」
深「ぅっ、うわぁぁぁっ、グスッひかっ、ひかるっ‼︎」
勢いよく抱きついてきたふっかの事を支え
苦しいって言われるくらい抱きしめ返す
こんなにも大切な人の事を忘れてしまっていた自分が本当に憎い…
もう2度と忘れないからたとえなにがあっても
渡「ふっか、うるさい…って、ひかる!」
宮「おはようその様子を見る限り戻った?」
岩「おかげさまで、」
ラ「パパー!ギュッ」
岩「ごめんな、迷惑かけちゃって」
目「はぁっ、良かった…、」
佐「良かった!ふっか良かったね!」
深「うんっ、ほんとうにっ、良かった…!」
阿「もう、泣かせちゃだめだよ?」
岩「うん、もう2度と忘れないから」
目「じゃあ、あの別れる発言は無しですか…?」
渡「あ、笑」
岩「…誰が?」
目「えっ、岩本くんとふっかさん…」
阿「それ言ったら面倒くさくなっちゃう、…」
深「あっ、忘れてた…」
岩「えっ、?どうゆう事⁇ふっか⁇」
深「えっと、説明すると長くなるんだけど、」
…………………………………………
深澤side
事細かく照にいちから説明して納得してもらおうと試みたけど無理でした笑
なんなら今もガッチリ抱きしめられながら俺
説教受けてるからもう、この状況に喜んでいいのか良くないのか良く分からなくなってきたわ
岩「はぁ⁉︎⁇思い出せなかったら別れる⁉︎」
深「ごめんってば‼︎」
目「俺余計な事言っちゃったかな」
向「いや、大丈夫やろ」
宮「まぁ、でも今回はふっかも相当病んでたからね…仕方ないんじゃない?」
渡「それはいえてる」
岩「…そうだよな、ごめんな…」
深「ううん、もう帰ってきてくれたから大丈夫‼︎」
岩「ふっか、…ギュッ」
深「う”ぇっ、苦しっ‼︎」
佐「やっぱこの光景が1番落ち着くわ」
ラ「パパとママには仲良くいてほしいからね」
宮「本当記憶無くすのは今回ばかりにしてよね」
渡「てか、もう2度とするなよ」
岩「うん、もう2度と離さないから…」
照が俺の頬を撫でてくれる
この手好きだなぁなんて考えながらこちらからも照の手に頬を擦り付けるとそのまま視界が
真っ暗になりキスをされていると理解するのにそう時間はかからなかった
深「…ひかっ、ん‼︎」
岩「本当にもう2度とはなさないから…約束ね」
深「ふぁっ、///わっ、かった…‼︎」
渡「お前らよそでやれよ!」
宮「まぁまぁ、笑」
佐「うち未成年もいるから!」
ラ「ひぇっ、…//」
向「お熱いのはええ事やねんけどね」
深「はずかしっ、」
目「俺らもチューしとく?」
阿「んー、遠慮で笑」
数日後照が久しぶりに現場に復帰をして
いつも通りの日常が戻ってきた。
岩「…今日からまたよろしくお願いします‼︎」
阿「気ぃ引き締めて頑張らなきゃね」
岩「もう、頭打たない様に頑張るわ」
佐「本当だよ‼︎ふっか抜け殻状態だったんだから‼︎笑」
渡「はよー、…朝から元気だな」
宮「ほら、ちゃんと歩いて!」
阿「っ、ゆりぐみぃっ、‼︎」
向「なぁ、めめ?ラウール?なんであれ突っ込まんといけるんやと思う?」
ラ「んー、トレーニングの1つだと思ってるんじゃない?笑」
目「そうゆうことにしとこうか笑」
向「えぇっ⁇そうゆうことなん⁇」
………………………………………
深「今日1日照のそば離れないから!」
岩「それはいいけど本当にこれでいいの?」
深「…これがいぃ」
岩「ん、わかった笑」
深「笑うなよ‼︎」
岩「いや、可愛いなと思って笑じゃあ今日はふっかの希望通りずっと抱っこしとくわ」
深「ん、よろしく」
end
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コメント
2件
主さん! 泣けました!
初コメ失礼します! 夫婦もう最高です😭 めめあべの作品が多くていつも見させてもらってます!!これからも楽しみにしてます!!