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※主の作品では、🦊🐒🧸🐇🐑🐶を使います。
▲
上記を守っての閲覧をお願いします
🐶×🐒
Rなし
死ネタ
微グロ
「生まれ変われたなら、どうか___、」
対角線上に折り目のついた和紙の上に乗った白い粉をお互い口に流し込む。
齢8にして村八分に合い売られた俺。
幸い、と言うべきか、此処には俺と同じような子が沢山いる。
見習いから始まり、兄様方の身の回りの世話から、合間に芸妓の練習。
何時しか気づけば5年の月日が流れ、見習いだった俺は堂々と客の前に出て指南された芸を披露する立場になっていた。
「石竹様」
俺のお世話をしてくれる禿の子が俺の名を呼ぶ。
勿論本名ではない。本名…、という概念すら無いに等しいのだけど。
そんな名等とっくの昔に捨てたもの。
今は、俺がお慕い申していた兄様に貰った「和蘭石竹」として生きている。
博識だった兄様が言うには、かーねーしょん、という花の名らしい。阿蘭陀からの輸入品だとか。
そんな兄様の名にも俺と同じ、和蘭の文字。
「和蘭蓮華」それが兄様の名だった。英名で、くろーばー、という花の名だと言っていた。これも阿蘭陀からの輸入品なんだって無知な俺によくお話して下さったのを思い出す。
「どうしたの?」
「新しく石竹様の禿となる者が来ているのですが、謁見宜しいですか?」
「構わないよ」
俺に与えられた部屋の襖を開け入ってくる俺の禿の子と、もうひとり。
背丈もさほど俺と変わらないその子は俺の前に来て深く頭を下げる。
痩せ細ったその体から諸々事情は察する。決して望まぬ形で此処にやって来た事を。
「これから…、よ、ろしくお願い致します…」
見るに、歳も俺とそう変わらない。
……可哀想に。
遅くに売られると身請けされる事も難しくなるだろうし…、この子に自由は…もう、…。
「よろしくね」
そんな内情、俺には知る由もない。
_______________________
「紫陽花様!」
「紫陽花様ー」
紫陽花、そう呼ばれるのが俺の元に3年前やってきたあの子。
俺があの子にしてあげられる最大の激励を込めて贈った名だ。
哀れみの意味も込めて贈った名だったが、俺の予想とは裏腹に、その可愛らしい容姿と、紫陽花の花言葉にもある「辛抱強さ」、そのふたつが掛け合わさりたったの3年で俺と同じ立ち位置まで上り詰めたのだ。
俺は、そんな3年間の彼の成長を見守ると共にある感情が芽生えた。
それは俺達商売道具が同じ商売道具に抱いてはいけない感情。
どうしてか?
そんなの簡単。
無駄な感情、俺達が商売する上で邪魔になる感情だから。
雇い主に知られれば最後、もう二度と光を目にする事は出来ないだろう。
「石竹様、どうかなされましたか?」
もう俺と同じ立場なんだから、そんな畏まらなくてもいいのに…。
それが尚、俺達に壁を作っている様で嫌気がさす。
「…雨音が響いていますね」
「ッ…石竹様、…今夜どうか紫陽花の部屋にお越しくださいませ」
え……。
彼からの思わぬ返答に、雨音も、俺達を物珍しく見上げる観衆の声も、周囲の音が全て遮断されたように聞こえなくなる。
彼と二人、少し高さのある半畳もない部屋に押し込まれ客引きをしていた黄昏時、文月、天気は雨、そんな日の出来事だった。
丑三つ時、紫陽花の部屋で向かい合う。
「これ、盗んできたんです」
そう言って君が懐から取り出したものは酒だった。
窓から射し込む満月の光に照らされそれは煌めく。
「…石竹様、見て下さい」
彼の言う通り、彼が向ける視線の方を俺も同じように見る。
「月が綺麗ですね」
驚き月から君に視線を向けると、君もゆっくりと月から俺に視線を移し照れ臭そうに微笑む。
「どうか、どうか…、夕刻の様に悲しい事は言わないで」
俺の両手を握り君の顔の前でただただ願うように漏らす言葉。
どうせ叶わぬ想いならばと伝えた思い。
俺の思わぬ方向で良い方に働いたらしい。
でも彼を悲しませてしまったかな。
「…月は、…ずっと綺麗だったよ、この先も、ずっと」
俺の言葉を聞き安心したのか、ふっと微笑み髪を1本切る。
「この髪に呪を込めました。……結んで、くれる?」
遠慮がちに俺とは視線を合わせず俯き気味に差し出された紫陽花色の髪。
お互い、覚悟を決めた選択になる。
俺は彼の手から髪を受け取り、俺の右手小指に蝶蝶結びする。
その手を満足そうに眺める君を、今この瞬間を、この髪に繋ぎ止めよう。
俺も1本髪を切り彼の右手小指に俺と同じように結ぶ。
そっとその指に接吻を落とす。
ふと視線を彼に移すと、月明かりに照らされ、陽の光を浴びることが無くなり雪のように白くなった肌をこの盃のように染めている。
そんな君があまりにも愛おしくて。
「愛いな」
気づけば、俺だけのものには決して成り得ない彼の手入れの行き届いた唇に接吻していた。
「石竹、様…⸝⸝」
それは肯定と捉えていいのかな。
きっとお互い分かっている。
今宵、最期の時となるであろうこと____。
「聞いたかい?」
「あの遊亭の目玉商品が自死していたらしい」
「何故また?美しい二人だったと聞いたが」
「身請けも容易いだろう?」
「其れが、小指にはお互いの髪が巻き付けてあったらしい」
「其れに、左手の小指は第一関節まで無かった、とか」
「可哀想になあ〜…」
「そんなん言いなさんな」
「したらお前さん、二人共々身請けしてやったら良かったんだ」
「馬鹿言うな、そんな金ある訳なかろーが」
「それに男なんざ身請けして何になる、子も孕めん世継ぎも産めんっちゅーんじゃ」
「あの遊亭に通うんは嗜好の変わった物好きしかおらん」
「売られた瞬間お先真っ暗っちゅーもんさな」
「折角の目の保養だったんだがなあ」
「案ずるな、すぐに替わりが出てくるさ」
「それもそうさな」
_______________________
「🐶ちゃん!」
「あ、🐒ちゃん!」
「待った?」
「ううん、今さっき来たところだよ」
「ふっ、🐶ちゃん口にクリームついてるでw」
「え!?」
「取ったげる」
「ありがと」
「かわいいw」
「なっ、🐒ちゃんの方がかわいい!」
「🐒ちゃんずっと愛してるよ」
「なっ⸝⸝…いきなり何?⸝⸝」
「なんだろ、無性に言いたくなったんよ」
「へえ…⸝⸝…これからも、ずっと…?」
「うん、ずっとずっと死ぬ時まで」
「🐒ちゃん焼けたねーw」
「うー、ヒリヒリするわあ〜…」
「今年も変わらずよく外で遊んだもんね!」
「日焼け止め塗ってるんやけどなあ〜…」
「…🐶ちゃん、好き⸝⸝」
「……俺も、昔からずっと、勿論、この先もずっとそうやよ」
「🐶ちゃッ…⸝⸝…んッ/……あ…⸝⸝」
「🐒ちゃんッ……かわい……⸝⸝」
生まれ変われたなら、どうか、自由に恋が出来る時代に__。
カーネーション→🐶
クローバー→🐑
紫陽花→🐒
「月が綺麗ですね」は有名ですよね。
良ければ、
「雨音が響いてますね」
も調べてみて下さいね🫶🏻️ ̖́-❤︎
髪の毛を指に巻く→これの元ネタは銀✘です。
切り指→指を第一関節辺りまで切り落とし、「仕事上、色んな人と体を重ねるけども本当に愛しているのは貴方だけ」という意味を込めて相手に渡すことらしいです。
🐒くんがお酒を用意してきたのも、「もうすぐ沈みますね」と🐶くんが返答した場合、全てお酒のせいにしてしまおうと考えていたからなんです。
コメント
8件
うわー!めっちゃ最高😭天才過ぎない!? 時代が銀×だから江戸かな?江戸の人の喋り方って結構難しいから、上手く再現出来てるの凄すぎます😭まじ尊敬🫶🏻️💞 こういう、夜の仕事系の話めっちゃ好きだからありがたすぎます😭😭 告白の仕方もお洒落で尊すぎますし、最後敬語が抜けてるのも可愛すぎて無理です🥲 投稿ありがとうございます💗🥹
これはもしかして!😻😻 ほんとに黄水書いてくれるとかるなてゃさいこう結婚して⬅️ 雰囲気が今時の洋じゃない感じの設定なの新鮮で大好き🖐🏻♡ ずっと敬語だったのに最後の最後で『結んでくれる?』はあかん😭💛(尊死) やっぱり仕事(その上に男)ってだけあって商品扱いだし代わりはすぐ出てくるとか軽視されてるのが切なくてたまんない🤦🏻♀️♡ 色んな伏線あって脳みそ1個じゃ足らない大好き😭 花言葉とかもある?考えすぎ⁉️