テラーノベル
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夢と現実というのは曖昧だ。
夢の中では夢と認知していないし、現実も夢かもしれないのに結局現実として生きている。
現実では夢忘れてるし、夢の中では現実を覚えていなくて夢なのに普通に焦ることもある。
ただし、この2つの世界は、永遠に交わることができない。
やっぱり理想なんてラクに手に入れられるモノじゃないんだなあ。
――とか考えてた。
結局探ってみたところで何にもならないのがオチなのに。
唐突に深そうで何にもなっていない事考えてた。
まあどうしてこんなこと考えてたかと言いますとね?
自分、授業中にもかかわらず寝てしまったんですよねー。
うん、馬鹿。
しかも普段はちゃんと授業受けてる真面目な陰キャなんですよ。
つまりこういう冷たい視線に慣れてないんですわ。
「自業自得だ」って声が聞こえなくも無いけど言い訳をさせてくれ!
今日眠たいのは事故というか、仕方の無い事で、ね。
昨日用事あったし、仕方無い。
しかもこの授業つまらない数学だし。
どうしようもないんだよ、これは。
てか誰に向かって自分は言い訳してんだ?
どうせ先生に言ってみたたとて、「理由はどうであれ寝たからああだこうだ……」みたいなこと言われると思うし。
……意外と希望ならあるかも知れない。
だって普段は真面目だし?
ワンチャン話聞いてもらえるかもだし?
真面目だった過去の自分に感謝。
……いや、そうでもない。
これいつも寝てる奴だったら笑い話で済んでるのでは?
駄目だ駄目だ、考えるな自分!
こういう事を考えると腹が痛くなる年頃なんだ!
……さーて、もうそろそろ授業も終わるし先生に謝罪をするとしますか。
覚悟決まってるけど正直怖いです。
「起立、気をつけ、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
教室が一気に騒がしくなる。
まるで皆の口についた蓋が開いたみたいだ。
なんか例えおかしいな。
小学校の先生みたいな言い方だけど口のチャックが開いたみたいな?
ダサいけどこれでいいや。
それより先生に謝罪しなきゃ、先生はどこに……
――あれ?
もう行ってしまったのか?
あー、やらかした。
自分から言いに行けばまだ評価値の減少は抑えられたのに。
てか先生が怒りに来るのかと思った。
あの先生無愛想で有名だけど生徒に叱らないのか?
まあいいや、先生が何も言わないなら忘れるのを待つだけだ。
自分から恥ずかしい出来事を晒す事はない。
これで一件落着。
てか一件落着であってくれ。
過ぎたことを言っても仕方無いしね。
さーて、次の授業の準備を……
……あ。
誰か来た。
そういえば馬鹿にしてくる奴が居るんでした。
先生を警戒してたけどクラスメイトが真の敵だった。
我ながら何やってんだって感じ。
机をコンコンって二回叩かれた。
絡んでくるやつの典型的なパターンだね。
こんな分かり易いウザ絡みキャラアニメだけだと思ってたぜ。
「なあ、そこのおとぼけさんよ。さっきの授業寝てたよなあ?」
ウザ絡み一味が来てしまったー。
橘靖竜
適当に返してとっとと逃げよう。
自分の時間をこいつらに費やす程暇じゃない。
何か良い感じのを返していこう。
「まあ、昨日あんま寝れなかったし」
自然に言い訳していくスタイル。
こいつらとの会話は最低限にしたい。
「ははは、傑作だ、お前も遂に落ちこぼれかよ。先生も呆れて帰ってったぞ?」
と、吹き出しながら言う一味。
正直、弁解のしようがないんだよなあ。
事情を知らない皆にとって、私は悪いことをした人っていう訳だし。
事情込みでもあまり良くないことだし。
その事情も言いたくないし。
あと、嘲笑われるのは気色悪いけどまあそれくらいなら普段からあるし、耐性持ち。
正直こいつらになんと言われようと関係無い。
故に私は怒りもせず泣きもせず答えられる。
「んで?それで何かある?」
言うて煽りに来ただけだと思う。
これ以上言うことは無いだろう。
時間的にも次の授業が近いし、とっとと帰るでしょうに。
考え事してると時の流れが速くなるもんだな。
このまま苛ついたかのようにトイレに駆け込めば完璧。
授業遅れるかは心配だけど。
「おうおう、それがあるんだよなあ。……昨日の用事で寝れなかったんだろ?」
ん?どういうことだ?
何か仕掛けてくるような分かり易い顔付きとイントネーションだけど。
一体何がしたいのやら。
「まあそうだが。――用事がないならとっとと失せろ」
失せてもらえるなら失せてもらいたい。
人と話すの苦手なのでホントにお願いしますガチで。
演技するのもすっごく精神使うんだからな!?
それも知らずなんてお気楽な一味なんだよ……
その迷惑を知らない図太い精神が欲しいね。
「いやあ、ちょーっと面白い話を聞いたんだよなあ」
やっぱ失せないか。
てか面白い話ってなんだよ。
どうせくっだらない話をなんだろうけどな。
訳分からないわ。
「は?」
とでも言っておこう。
てか「は?」って言っておくぐらいしかできない。
そんな溜める話か?
まあこの一味が面白いって思ってるから溜めるんだな、うん。
しかし、一味はとうとう笑いを堪えきれずに吹き出しつつ、こういった。
「ひひ、お前の妹さん可哀想だったな! ご愁傷様でーす!」
と。
ほう。
「やるじゃないかこの野郎」
右手にありったけの力を込め、予想もしていないであろう右ストレートを放つ。
自分は体力は無いにしろ、瞬間的な力であれば多少ある。
予想外ともなれば回避不可能。
「え」
右手に鈍い感触が走る。
バシっていい音なったな。
目の前を見ると人が倒れてる。
通常時だときついけど今見ても何とも思わないね。
まあ、そりゃあ殴るだろうよ。
これは自分は悪くないだろう。
殴ったのは悪い気もしなくもないけどさ。
正直この立場で冷静で居られる人は居るのかって話。
「先生呼んでやる!お前ももう終わりだなあ!愉快だ!」
もうそんな事どうでもいい。
もしも、退学になるのだとしたらそれはそれで構わない。
今の自分にはどんな罵倒もどんな説得も通用しない気がする。
暫く経った。
あまりにも衝撃的すぎて時間感覚がおかしくなっているかも知れないが。
あれから教室は静まりかえり、皆目線をこっちに向けていた。
あいつの顔からは血が出ていた。
流石にやりすぎたようだ。
扉が開き、先生が来る。
教室がざわつき始める。
「これは何事なんだね。……君、放課後、職員室に来てもらおう」
「はい」
あいつは保健室に連れて行かれた。
面倒なことになったようだ。
「面倒なことになったねえ。」
そうそう、ホントに困る……って、この声は……
「ゴーイン先輩じゃないですか……一体何の用ですか……?」
「ちゃーんと『樋山新五』っていう名前があるんだけどねえ。そして、用事ならしっかり用意してきてるよ」
「用意しないでいいですから……」
ゴーイン先輩はその名の通り強引なのである。
ウザ絡み一味よりよっぽどマシだが、一応悩みのタネである。
「放課後、職員室に行く前に体育倉庫においで。ああ、時間についてはすぐ終わるから大丈夫さ」
いや怖いですよ、その発言。
要件を言ってから人を誘ってくれ。
「何をするんですか?」
これを聞かないと「ねえ空いてる?」に引っかかってしまう。
経験者だから余計に引っかかったときの気まずさ知ってるし怖い。
んでさ?
この回答がさ?
「お楽しみってことで」
……楽しくないわ!
教えろや!
いや、何しでかすか分からない。
この人は平気で人が死ぬレベルの悪戯をするから信用ならん。
「全然楽しめない」
「そうか……それなら君の好きな栗を用意してあげるのだとしたら来るかい?」
……励ましてくれるのか?
いや、この人に限ってそんなことはない。
甘い誘惑に乗っかってはいけない。
「断る、と言ったら?」
「私の身が危ないかもね」
一体どういうことやら。
まあでも実際にゴーイン先輩に間接的に救われたことは多々あるから、身が危ないというのなら行ってもいいかも。
実際そうなのかは分からないけど。
職員室にそのまま行って理不尽な目に遭うのならゴーイン先輩になんとかしてもらおう。
ワンチャン何とかなる可能性がある。
「はあ、分かりましたよ、行きます行きます」
「分かったならそれでいい。――君にとってもそれが最良だ」
給食とかその後色々あったけど、もう何も覚えていない。
給食で大好きな鶏肉を食ったことしか覚えてない。
たった二文で矛盾したけど気にしたら負けだ。
はあ、この面倒事をどうにかしてくれ〜!
コメント
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