テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「大きくなったら結婚しよう!」
「うん!約束だよ!」
子供の頃にした約束…その約束は守れなかった
「あ!おはよう、ルイ君!」
「うん、おはよ!レナちゃん!」
ここはとある村、地図にも載っていない小さな村
「あらあら、朝からはしゃいじゃって」
「あ!お母さん!」
私のお母さんがニコニコしながらこっちに歩いてきた
「レナちゃんのお母さんもおはよ!」
「ルイ君もおはよう、朝から元気ね〜」
いつもと変わらない会話
「だってレナちゃんと約束したし!」
「へぇ〜?どんな約束したの?」
あれ?誰にも言わないってルイ君と約束したはずなんだけど…まさかね…
「大きくなったらレナちゃんと結婚するって約束したんだ!」
え!?!
「あらあら、もう将来の旦那さんできたのね〜!」
お母さんは嬉しそうに言ってきた
「ちょ、ルイ君!それ言わない約束だったよね!?」
そう私が言った
「あ!忘れてた…ごめん!」
「もう!言った約束破るなんて信じらんない!」
私が怒り、ルイ君が頭を下げて謝る
こんな平和な生活がずっと続けばいいな、なんて思っていた
ルイ君も私もお互い16歳になった
私も身長が伸びたけど、ルイ君はもっと伸びて顔つきもカッコよくなった!
「そろそろお昼だし、お腹空いたなぁ〜」
その時はまだいつもと変わらないと思っていた
「きゃああああ!!」
突然外から悲鳴が上がる
「グオオオオオオオオ!!!」
慌てて外を見た、そこには大きな黒いドラゴンがいた
村の人達はみんなパニックになって、我先にと逃げていく、そこには私のお母さんもいた
だが、ドラゴンは村の人達とお母さんに目掛けて火の玉を吐いた
「お、お母さん!!」
それを見た私はお母さんが横たわっている所に走った
だが、ドラゴンは走る私を見て火の玉を吐いた
もうだめ、私も…
そう思い、目をギュッと瞑った
「おい!!」
突然身体を抱えられた感覚に襲われた
目を開けると、そこには狩りから帰ってきたルイ君が立っていた
「大丈夫か?!」
ルイ君がそう聞いてきた
「う、うん私は大丈夫!お母さんは!?」
私は泣きそうな顔でそう聞いた
「レナ、お母さんは…」
ルイ君は悲しそうな顔をして俯いた、だが、ドラゴンは次の標的を決めたのか、こちらを見ながらノシノシと向かってくる
私は恐怖とショックで頭がいっぱいになった
「レナ!立って逃げろ!」
ルイ君がそう言った
「で、でも!ルイ君も一緒に!ルイ君も居なくなったら…!」
私は…どうしたら…
「このままだと2人ともやられる!せめてレナだけでも逃げろ!絶対に振り返るな!」
ルイ君が大声で叫んだ
「っ!!!ルイ君も絶対逃げてね!」
私は振り返らずに必死走った、泣きながら走った
「やっと行ったか、あーあこんな事になるなんてな、子供の頃の約束果たせそうにねぇなぁ…」
そう言い彼は剣を片手にドラゴンへ向かっていった
「またあの頃の夢…」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!