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kzlr
地雷さんは回れ右
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隣で幸せそうに眠る男の顔をじっと眺める。起きている時よりも幼さを見せる寝顔に胸がきゅうっと締め付けられる気がした。…可愛いよなぁ。
こんな大きな男に可愛い、という言葉は似合わないかもしれないが可愛いのだから仕方がない。最も。そんな可愛いと思っている男に「可愛い」と何度も囁かれながら抱かれたのはおれのほうなのだけど。さっきまでは雄の顔をして自分を求めていた恋人が今はあどけない寝顔を晒しているのだから本当にずるいと思う。
そんな幸せそうな寝顔を堪能していると、ふと。あることが脳裏を過った。
(そういえばくっさんの怒ったとこって見たことないなぁ…)
かなり不機嫌を露わにした姿なら見たことがある。おれがなにも言わずに遅くまで飲み会へ行った時した時だ。ぶすっとして、腕を組んで。あまり直視は出来なかったけれど今思えばあの時の葛葉は怒っていたのかもしれない。
なんだかんだで付き合うようになって、このように体の関係も持つようになったのだけど、ふと。この人って怒るのかなぁと興味が湧いた。
幸せそうに眠っている葛葉の鼻を摘めば寝心地が悪そうに眉を顰めた後、ふがっ。と間抜けた声を出してうっすらと目を開く。
「んー…んあ? …なんだ、ローレン。起きてたのか…?」
「あはは、起こしちゃったね」
「別にいいけど」
快眠を邪魔されて起こされたというのにふぁ〜と大きな欠伸をするくっさんは全く機嫌を損ねた様子は見られない。じーっ、と葛葉を凝視していると、そんなおれの視線に気付いたくっさんは優しく笑っておれのことを抱き締めてきた。
「わっ、なに?」
「なにって。おまえが可愛い顔して見てくるから」
甘えるように葛葉はおれを抱き締めてすり、と頭を擦り付けてくる。… …いや、これは甘やかされているのかもしれない。葛葉の体温に絆され、多幸感が募る。
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