onkn / nksr
やっぱこういう儚い系はこの二人が好き。
レントリリーって曲の話です。
知ってる人はああ、ここの歌詞ねってなると思います。
知らなくてもひとつのお話になるようにするので。良ければ。
注意 レントリリー / 曲パロ。自殺
自殺失敗⇒心中⇒結局しない。
みたいな感じです。ハピエンだと思います。
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寂しい。消えたい。
昔よく考えたことがあったがそれはそういう時期だからだろう。
こんな大人になって考えるとは思わなかったし、思いたくもなかった。
「っ…あ、」
いつから泣いてたん。馬鹿か。
泣くな。泣くな。泣くな。泣くな。
…死んでやりたい。
「…あ、」
ふと、目を向けた先にニキとの写真があった。
あの時は楽しかったな。
ニキがそばにいると落ち着く。辛かった現実も忘れられる。
「…なんでやろな、…笑、」
問いかけてみるけど、涙が出るばかりで。何も分からなかった。
なんだか馬鹿馬鹿しくて。そんなこともわからないのかって。
「あー、」
思考停止のまま、フラフラと立ち上がって。
部屋に吊り下がったロープに首を通して、全身の力を抜いた。
「…う”…、っ…」
何故か目が覚めた。
起きたばかりだがよく状況は分かる。
死ねなかった。と言う事実。
「現実も甘くねえな…」
身体には点滴だろうか。管が繋がっている。
まるで逃げるなと言っているみたいだ。
まだこの先も生きていかなくちゃいけないのか。
「っ、う”う”…」
嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
“ 不甲斐ないね。” “ なんで生きてんの。”
『笑えよ。』
次々と嫌な幻聴が飛んでくる。必死になって耳を塞ぐけど、消えるわけが無い。
悔しい。真っ当に生きれないことが。
顔が引き攣って、上手く笑えなくなった。
安息の時だけ。その時だけ。笑ってやるよ。
そう心の中で言って。
俺が何したって言うんだよ。
何が不満だったんだよ。
上手く考えられなくて二度寝した。
なかったことにならないかと期待して。
二度寝から覚めて、ペットボトルの蓋を乱暴に空けて、中の水を飲む。
さっきの幻聴が全部。全部、彼の声で、再び俺の脳内に流れた。
聞きたくない。
あいつはそんなこと言わない。
俺は、現実は。俺の事がどこまで嫌いなんだろうか。
新手の嫌がらせ。
自分のことをぶん殴ったが、変わらずだった。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
苦しい。空気が上手く吸えない。
落ち着きたい。窓から見えた道路に煙草が捨てられていた。暗くてよく見えないが、 多分煙草だ。もう使えない煙草。
使えなくなった煙草…、その言葉に何かが揺れたような気がしたが、思い出したらいけない気がして、考えるのをやめた。
煙草。彼との思い出の一つ。
目線を戻して、繋がれた管をぼーっと眺める。
「なんで…、」
生きてるんだろう。
まるで、造花…枯れない。いや、枯れれない花みたいに、生き延びてしまった。
花ほど綺麗にはなれなかったけど。
横を見ると、花と見舞い品が置かれてた。どのくらい寝てたんだろう。花は軽く萎れていたから、きっと数日ほどでは無いだろう。
差出人は、ニキ…彼からだった。
「ほんと…お前は…」
ずっと横にいてくれるんだな。俺がこんなになっても。
会いたい。寂しい。消えたかった。
「っ…は、笑」
ふと気がつくと、また涙が頬を伝っていた。
使えないと、言われた過去。
落ち着こうと、見舞い品を抱く。中身はぬいぐるみ。
どんなチョイスだよ。ガキじゃねえんだから。
思わず笑ってしまう。彼らしい。
やっぱり落ち着く。そばにいてくれる時ほどではないけど。
後日医者と話した。
…結局入院。元気なんだけどな。
また諸々検査を受けた後、精神病棟まで飛ばされるらしい。最悪だ。
ずっと独りじゃねえか。
「っ、ボビー!!!」
「うおっ、」
ガラガラと激しく音を立ててドアが開いた。
「っ…はあ、はあ…っ、」
かなり走ってきたようで、息切れしていた。
「っ…、う、生き…てる、?」
「おう…まあな…、」
「っ、はあ、う…っ、よか、良かった…」
「お、おい…、泣くなよ…」
急に泣き出すもんだから、何かあったのかと内心慌てながら背をさすって慰めたが、ただひたすら抱きつきながら泣きじゃくっている。
後々話を聞こうと思ったが、まあ…何となくわかる。
愛されてる確信は無いけど、きっと思ってくれてる。
よくテレビで見るような…ああいうの。
…本当は。
そうじゃなかったら怖いから、聞かないんだけど。
その後諸々話して。
また来るね、と戸を閉めた。
病室はまた暗くなった。また独り。
日がたって精神病棟にぶっ飛ばされた。
面会…みたいな感じでニキがちょこちょこ顔を出しにきてくれる。そんな日々だったけど。
精神病棟に行ってからも、ずっと消えたいのは変わらなかった。
でも、消えたいなんて言ったら面会もなしになるだろう。だから笑う。ずっと。
「ボビー!来たよー!!」
元気な声。明るくて、聞いてる側も元気が出る。
「…、でね…ーーが!」
話している間は彼は必ず手を握って話してくれる。前、俺の手が凄く震えていたのを見てから、ずっとそうだ。
「んじゃ、そろそろ…」
そうニキが口を開いて、俺の手を話そうとしたその瞬間、片手で襟元を掴んで思いっきり引き寄せた。
そしてキスをした。
逃がさまいと、舌を入れて。
「…、え?」
口を離すと、ニキが頭に”?”を浮かべて、こちらを見ている。
そりゃそうだ。
急にキスされて。俺は今泣いていて。手を強く握っている。
「お前と死にたい。」
逃げられるのが怖くて両手を強く握る。
涙で滲んで前が見えない。
今彼はどんな表情で俺の事見てるんだろうか。
「…ふは、笑」
「…、え、?」
笑ってる。なんで。
色々な疑問が頭を巡る。
「あはは…、っ、笑」
いつもの。俺といる時の。いつもと変わらない、あの明るい声。あの笑い声。
「っ、ニキ…、」
泣いているからだろうか、声が少し掠れている。
「んふふ、はは…、笑」
また笑った。笑い声がいつもと変わらなすぎて、病棟にいるということを忘れそうだ。
「んー、僕は死にたくないなあ…、笑」
「っ、え、ああ…」
俺とじゃ嫌か?やっぱ現実は現実か。
なんだか寂しくて。悲しくて。彼の胸元に頭を埋める。
色々考えていたら、彼が俺を頭を撫でながら、口を開いた。
「ねえ、僕、ボビーにとってはわがままかもだけどさ、」
「…おん、」
掠れきった声で、何とか返事する。
「死にたくない。まだ、ボビーとやりたいこと、沢山あるの。」
「だから…、だから、それが終わるまでは待って欲しい。」
「っ…ん、」
泣くことしか出来なくてなんとかの思いで頷く。
「…たまには、俺からのお願い…、」
「っ…あ…、うん…、」
そういや。今まで彼は俺に合わせてくれていた。
見舞いだって、世話だって。
なんで気づかなかったんだろう。今の今まで。
「…ん?」
俺はただただニキの顔を見ながら泣いている。そりゃあ首も傾げるだろう。
自分勝手だったな。最低だ。
自分が信じられなくなって苦しい。
「っ、ニキ、ニキ…、」
「なあに?」
「…、ごめ…ん、…」
泣きながらだけど、ずっと言いたかったことを言えた。
ずっと。ずっと謝りたかった。
自分ばかりに合わせて貰ってたこと。
気付かないふりしてて。それ意外も。
逃げ道が塞がれたようで。逃げ道っていうか。逃げるための言い訳が。
彼がいるからと。
でも逃げ道に縋ったって、誰も文句言わないと。言ったってどうでもいいんだと早く気づくべきだった。
彼に大きく背負わせたのに、先に楽になろうとした自分が憎い。
「…いいよ、笑」
本当にニキは優しい。
この優しさに気づけるのだけはは俺だけだと信じたい。
だって。
きっとこういう時はだいたい謝らなくていいよ、と言う。でも、そんなこと言われても俺が引きずるのを分かっていた。
何も信じられなくなってたのだから。
だから、いいよ。と、許しの言葉を言ってくれたのだ。
それが嬉しくてまだニキに抱きついた。
ニキは何も言わず、微笑んで抱きしめ返して、頭を撫でてくれた。
ずっと期待してたのかもな。
消えたいって言って、ニキがずっとそばにいてくれるのを。
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ひょ…曲パロは難しい。
けどあまり構成を考えなくていいから早く終わる。歌詞の意味を考えるのも楽しい。
使えなくなった煙草の意味が途中で出てきたの、気づきました?
使えないって言われてたな、のところです。他にも見舞い品の萎れた花とか。
書いてて楽しかったです。
コメント
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全て拝見させていただきました。 お茶さんの書くnksrが一番大好きです。