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この街には奇妙な噂があった。
森の奥深くにはひとつの洋館があり、その洋館には”青鬼”が住んでいるという、そんな噂。
この噂を老人たちは信じていたが、2,30代の大人は信じなかったし、ましてや俺ら子供はそれを話のネタにして日々生活しているくらいだった。
ある夏休みの日、俺ら5人組の内のリーダー格の奴が、その洋館に行こうと言い出した。
1人は家の用事があるので行けず、もう1人は部活の大会前だったので行けず、そしてまた1人は親に反対され行けなかった。
結局、夏休み特に予定がなかった俺と、誘った本人の2人で行くことになった。
実は俺はホラーが大の苦手で、お化け屋敷でさえ腰を抜かしてしまうのだけれど、本当に今回の肝試しは生きて帰って来れるのだろうか。
そう考えると、俺もなにか理由をつけて断ればよかったととても後悔している。
だけど、約束は約束。リーダー格のやつの誘いということもあり、俺は行かざるを得なかった。
当日、俺は集合時間5分前に到着し、彼が来るのを待っていた。
集合時間丁度に彼が来て、電車で最寄り駅まで行き、最寄り駅からは歩きで洋館へ向かうことになった。
最寄り駅は無人駅で、何やら怪しい、とても近づいては行けない雰囲気がした。
簡単に言うと、館への入口みたいな、そんな感じの無人駅。
紫のいランプがその怪しさを更に引きだたせている。
とても薄暗く、人間が降りていい土地なのかも分からないほど地面が不安定だった。
「ねぇ…もう帰ろうよ」
俺は我慢ならずに彼に提案したが、「漢気を見せろ」と言われ直ぐに却下されてしまった。
漢気も何も、それで死んでしまったら元も子もない。
漢気を見せて死ぬより、ここで逃げて生き延びる方が俺にとってはとても幸せな人生を送れるのだが。
つべこべ言っていても仕方が無いので、諦めて俺は洋館へと足を運んだ。
「中は思ったよりも綺麗だな」
洋館へ入ると、外見からでは考えられないような綺麗さを保っていた。
多分、誰かが中に住んでいるのだろう。
それを考えると寒気や恐怖と同時に吐き気がして、俺はその場にしゃがみこんでしまった。
「おい、どうした?そんな顔色悪くして」
今口を開けたら多分胃液を全て吐き出してしまうだろう。
必死に口を抑えながら首を横に振り、玄関のドアを開けようとした。
だが、玄関のドアはビクともしなかった。
多分鍵がかかっているのだろう。
外は雨が降っていたし、その影響でドアがあかないのならまだ良かったのだが、多分これはこの洋館に住んでいる化け物の仕業だろう。
「あ?開かないのか?俺が開けてやるから1回退いてくんね?」
ここでバン、と音を出せば化け物も俺らが中にいることに気づくだろう。
なので必死に首を振り、ダメと目線を送ったのだが、どうやら相手には伝わらなかったらしく、ドアをこじ開けようとする音が館中に響いた。
しばらくして諦めたのか彼はまた違う方法を探そうと、裏口を見つけることにしたらしい。
俺はここから1歩も動けないので全てを彼に託すことにした。
数分後、近くで彼の悲鳴が聞こえた。
俺はもう何が起こっているのかが分からず、ただ、その場にしゃがみこんで吐き気を抑えることしか出来なかった。
多分、時期に俺の方へと化け物が来て、俺は食われて死ぬ。
俺が生きて帰れる可能性はもう無くなった。
何やら遠くから奇妙な音がする。
なにかのBGMだろうか。それにしては不気味すぎるのだが。
その音は次第に近くなり、ついに俺の真ん前まで来ていた。
_化け物だ。
そう気付いた瞬間、俺の鼓動は有り得ないくらい早くなり、呼吸が浅くなり、吐き気も2倍、いや5倍にまで酷くなっていた。
_化け物が来た。
_俺も殺される。
俺はその恐怖や吐き気に耐えきれず、その場で意識を失った。
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目が覚めると、何やら違う所に居た。
病院…みたいな、そんな所。
ぼーっとしていると、何やら人では無い何かが来るような音が聞こえる。
俺はすかさず毛布をかぶり、恐怖に耐える。
後ろの方から「大丈夫ですか?」という声が聞こえたが、俺は恐怖のせいなのか、振り返ることが出来なかった。
「一応言っとくけど、俺が君をここまで運んだんだからね?
あと君は見た感じニンゲンじゃ無さそうだから食べないよ、安心して?」
(人間じゃない…?どういう事?)
俺はれっきとした人間で、父親も母親も日本出身。父は会社の課長をやっていて、母はお局的存在。
給料も平均とほとんど一緒で、バカにされることなく、なんとなく普通の生活を送ってきたはずなのに。
そんな俺が人間じゃない?
布団から出て後ろを向くと、化け物とは程遠い、同い年位の男の子が立っていた。
「やっとこっちを見てくれた」
男の子はにかっと笑い、こちらへ近づいてくる。
そして、馬乗りになり、俺が動けないよう固定する。
今から俺を食べる気でいるのだろうか?
化け物は気まぐれだ。そう思いながら、死の瞬間を待つ。
「あ、本当に食べないから安心して?死ぬ準備をするのはまだだいぶ先だよ」
「でも…俺、本当に人間なんです。ただの一般の高校生で…」
そうすると彼は何かを考え始め、俺の元を離れ何処かへと行ってしまった。
数分もしないうちに帰ってきたのだが、何やら怪しいものを沢山入れたカゴを持ってきた。
「君、本当に自分の事をニンゲンだと思い込んでるの?」
「まぁ…はい。人間の両親の元で育ったので」
「そっか、じゃあ今から君がニンゲンじゃないって事を証明してあげるよ」
証明すると言われてから何分経ったのだろうか。
最初は玩具だけだった俺のナカも、今となっては男の子のモノが入っている。
「んぁ”ぅッ♡やめ…ッ♡」
男の子が動く度に俺は喘ぎ、抵抗する。
抵抗すると、男の子は自分モノをもっと奥に挿れ、俺のナカをきつくしてくる。
それが堪らなく気持ちよかった。
「んッぉ”ッッ♡、奥はいっ…たぁ…ッ♡♡」
「ナカ締まってるよ?大丈夫?」
「ん…あぁ”ぁ…ッッ♡」
ナカを緩めようと頑張ってはいるのだが、やはり吸い付いてしまう。
嫌なはずなのに、何故か欲しがってしまう。
「ぁ”…ぅ”…ッ♡ナカ出してぇ…ッ♡」
「まだ駄目」
次の瞬間、男の子が触っていない所から謎の感覚がした。
「ひッッ!?♡ぁ…んぁ”ッ♡」
「どう?気持ちいい?今他の子に手伝って貰ってるんだけど…」
「気持ちッ”…きもちぃぃ”…ッッ”♡」
上も下も弄られるせいで、俺は何回もイき、何回もナカ出しを要求していた。
「あ”…ッッ、ナカ出す…ッ♡♡」
「ぁ”…ッ”ッ♡」
「ほらね、ニンゲンじゃないでしょ?」
急に自分のモノを抜き、後処理をしながら俺に話しかけてきた。
勿論、俺はどこで人間でないかの見分けをつけるのかが分からない。
「どういう事?」
「普通、ニンゲンが人外にナカ出しされると、そのニンゲンは死んじゃうんだよ。
だけど君は死ななかった。これで分かった?」
この言葉に俺は絶望した。
親も、本当は化け物だったのだ。
だが人間のように振る舞い、人間になりすましていた。
その時に俺が生まれ、俺を人間として扱う様になった。
自分の事を人外と知らない俺はまんまとその嘘に騙され、親と一緒に人間のフリをして生きていたのだ。
「…ッう”…ッッ」
俺はその場で泣き出した。
俺も、皆から恐れられている化け物だったのだ。
そして、今回の肝試しは化け物が家に帰るだけの遊びだった。
人間じゃない今、俺はもう独りぼっちなのだ。
「大丈夫大丈夫、これからは俺達と一緒に暮らそうね。これでもう独りぼっちじゃないでしょ?」
「でも…」
「だからもう泣くのやめよ?俺も色々紹介したい人いるし、ね?」
「うん…っ」
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あの日から100年の月日が経った。
100年というのはとても短いもので、彼らと居たらあっという間に過ぎてしまった。
今は人外が人間の世界に足を踏み入れることが多くなり、人間も人外を受け入れる体制となっているらしい。
まあ俺らはこの館からは動かないけど。
でも、俺は時々あの電車に乗って、人間の世界へと行く。
今思えば、何故あの駅に電車が止まったのだろう。
あの駅は俺が産まれる前に使われなくなったと聞いた事があったのだが。
俺が洋館へ行った日も、あの駅の1個前が最終駅になっている。
「館に来てから100年記念だね」
「まあ…うん。気付いたらもうこんなに経ってた」
「最初俺の事めっちゃ怖がっとったよな」
「ばどの事が怖く見えるのはしゃーない」
「はぁ?何やそれ」
「まあまあ落ち着いて…レウさんの記念日なんだから」
「それもそうやな」
「何かレウから言うことない?ないならもうケーキ出しちゃうけど」
「…うーん、言おうか迷ってた話ならあるよ」
「何?」
「俺、100年間ずっと気になってる事があって」
“誰が俺らの事を招待した?”
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これは何回か投稿したけど没にしちゃったやつですね。
自信作のはずだったのになと思いながら悲しく消しました。良ければ沢山♡してくれたら嬉しいです
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