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※闇要素有り・死ネタ
ウクライナとロシアメインです!
決して国を侮辱しているわけではありません!
誤字脱字有り…
苦手な人はUターン頼みます!
若干曲パロ要素あり!
いつかはこうなると思っていた。
「僕はNATOに加盟するよ。」
ウクライナの放ったその一言は冷たく苦しい言葉だった。しかしいつかはこうなるとわかっていた面もあり、俺は呼びかける言葉に困ってしまった。一緒に飯を食べていたベラルーシもカザフスタンも訳がわからないといった表情をして固まっている。そんな中静かに飯を食べるウクライナの食器の音だけが部屋中に響き渡った。
ーー今までの思い出も秘密も全部嘘みたいだな…
目を閉じて深く深呼吸をする。俺が最後にウクライナの為に”兄“として”家族“としてできることは彼の敵となり彼を魅せる事だろう。父親の呪縛から縛り続けられるのは俺だけでいい。
ーーお前が出て行くと言うのなら俺は君のために悪になるから。
目を再び開けてウクライナの顔を確認する。昔からずっと一緒だったウクライナも離れてしまうんだななんて考えながら俺は思うがままに席を立った。
「……ウクライナ。」
「……何?」
ウクライナが小さくそう言った時、俺は手のひらはウクライナの頬に当たり大きな音を立てた。自分の我儘で自己満足だっていうのはわかっているが、それでも俺はウクライナの”兄“でありウクライナの兄弟なのだからこれくらい我慢できる。ウクライナは一瞬だけ顔を強張らせたがすぎに顔を引き攣らせて俺の方を睨む。
「ロシアはいつもそうだよね!何か嫌な事があったらすぐに逃げて!恥ずかしいと思わないのが不思議だよ!!僕はロシアのためにも言ってるんだよ!?いつまで父さんに依存してるんだよ!!……はぁ……僕たちもう分かり合えないから…。」
そう言ってウクライナは自分の荷物をまとめて出て行ってしまった。
そうだよこれでいいんだ、コレでウクライナは父親の呪縛から解放された。望まないなら離れればいい。そのお手伝いを僕はするだけだから。
ありきたりな問題も簡単な教育も全部がダメで勉強しても俺にはウクライナの気持ちがわからなかった。読書は好きだったがどんな本を読んでも心情だけはいまだにわからないまま時間だけがすぎて行く。きっと俺はウクライナと同じ列車に乗ることはできないのだろう。俺は止まったままで、ウクライナはもう先に進んで行ってしまったから。
次の日からは外に出るたびに嫌な顔をされるようになった。周りからの視線が刺すように痛く、仕事であった会議中の視線すらも俺を嫌っているように見えた。自由という希望が手に入ってウクライナは翼をもらい飛び立ってしまったようで、反対に俺はそんな世間に翼がもがれたような気分だった。変わることも無く永遠に続く寒さと自問が襲いかかった。昔から自問自答は得意だったはずなのに、なんて馬鹿げた事を思いながら過ごす日々の中で事態は次第に悪化を見せて行った。リトアニア、エストニア、ラトビアの3人も俺を軽蔑しゴミを見るような目で俺の背中を刺して行く。自業自得だというのに次第に寒さよりも陽炎に靴を履くのだって怖くなってしまう。そんな自分に涙が出てしまう俺は心底情けなくて心底馬鹿らしいだろう。
「できればすれ違いたくなかったのにな…」
小声でそう呟いたって何かが変わる訳でもない。それでもウクライナは苦しみと憎悪を俺に貼り付けてくる。自分で悪になると誓ったのにとひたすら自業自得の質問を自分に投げかけるが、いつまで立っても返答はない。
そんなある日処刑場を見に行くことになった。中国からの誘いで、北朝鮮と一緒に海外から取り寄せた案を参考にした自信作を見てほしいとのこと。中国と北朝鮮だけは相変わらず俺に関わってくれる。そんな2人に感謝しながら俺は中国の自信作という処刑場に足を踏み入れる。大きな鉄製の処刑台が目に入り、瞬時にアレだなと察するとその処刑台の近くまで俺は歩いて行く事にした。床から伝わる温度はとても暑くてそれだけで体が腐り落ちて気が狂いそうになった。全てが悪の方を恨むこの世界で俺は自業自得の結果を招くだけだった。それでも一緒に過ごした時間も一緒に笑い合った時間も全て嘘ではないのなら。
ーー俺たちは………
「最初からお互いの幸せを望んでいたのかもしれないな……」
そう言って一言だけ懺悔とコレまでの愛を口にして、一生分かり合えなくても一生進み続けないといけないからと目を閉じて。またすれ違わないように。お互いの幸せを望むために。
「待って兄さんッッ!!!」
最後の鐘がなった時、熱くて冷たい液体が俺の首筋を通った。
最後に聞こえた可愛らしい声は一体誰の声だったんだろう?
以上です!
初めて小説を投稿したので緊張するのよ……。
なんの曲が入っていたかわかった人は天才なのよ!
見てくれてありがとね!