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ここは不思議な世界。
選ばれた物だけが【異能力】を使うことが出来る。
異能力の可能性は無限大。
異能力が使えるものを人外と言うものもいれば、人間として同じ接し方をする者と様々だ。
だがしかし、異能力には副作用がある。
その能力を善に使う者もいれば、悪知恵を働かせるものもいる。
この物語に出てくる人物は______。
「……………もう朝か。」
そんなことを呟いて起き上がった。
仕事行かねぇと。
悠隼は鞄を取りパンを咥える。
その目はなんとも虚ろだった。
『くだらない。』
何度思ったことだろう。
実際まだ高校生の年齢。
やりたいことも行きたい場所も沢山あった。
恨むべきは自分が生まれた環境だ。
親は仲が悪く、父親が死んでからは母親が金の管理をしていた。
その頃まで、悠隼は何も知らない小学生だった。
普通に友達と遊んで、普通に給食を食べて、普通に勉強して。
6年生までは。
中学1年の頃、母親が自殺し、この家に多額の借金がある事を知った。
やけにパチンコや競馬に行っていた訳だ。
だがもう親は死んだ。じゃあ、だけがこの借金を返済する?
勿論俺だ。
幸い異能力者だったため、職務先はすぐに見つかった。
中学を卒業してからは高校にも行かず、捜査事務所で働いていた。
悠隼は影と音を操る異能力だった。
仕事が嫌いな訳では無い。
今自分が陥っている実態が嫌いなだけ。
いつまでこの生活は続くのだろうか。
そんな事を考えながらバスに乗った。
「おつ~。」
仕事も終わり、上司の付き合いで飲み会に来ていた。
「おーい、悠隼飲んでんの~?」
同僚の來要に日本酒を差し出される。
「酒弱ぇんだよ。ってか、それ何%?」
「12%。」
よく飲めるな、そんなの……。
これ以上酔っ払いに絡まれるのもまずいと思い、今日の所は退散した。
「もうこんな時間か…。」
バス停に着いたが、次のバスは2時間後。時計の針は11を指していた。
仕方ない、電車で帰ろう。
細い路地を通る最中で、ふと違和感に気がついた。
誰かが自分をつけてきている。
それも複数人。
つけられるようなことをした覚えはないが、つけられているということは何かしでかしたんだろう。
そんな事を考えていると、急に後ろの男性が悠隼へ向かって走り出した。
悠隼は素早く反応し、男の腹を蹴り飛ばす。
すると、複数いた男性が一斉に向かってきたではないか。
「ちっ……」
まずい、囲まれた。
助けを呼ぼうとしたとてもう深夜。
それに、自分がつけられていることを知ったら警察への通報も免れられないだろう。
やーべ、詰んだ。
悠隼は諦めて走り出す。
すると1人の男性が飛び出してきて、悠隼の口へ白い布を押し当てる。
「ぅ”ッ…………」
体の力が抜け、頭がぼうっとしてくる。
逃げなければいけないことは分かっていながら、体がうまく動かない。
意識を失う寸前、悠隼は背の高い男性がこちらを見ていることに気づいた。