「自己紹介が必要な段階のようだな。それじゃあ軽い挨拶を交わす時間を与える。前に座ってるのから。始め。」
そうヴェルが言い、自己紹介タイムが始まった。
1番前に座ってる片手がなんか凄いおっさんがまず口を開いた。
おっさんは1番前に立つのはもう勘弁だとぼやきながら、自己紹介を始めた。
おっさんは俺たちの事を管理人と言っている。そんで、俺たちの事をなんとも言えないやつだと言ってきた。いいから名乗れよ。
「囚人番号13番。俺はグレゴールって言うんだ。よろしくな、管理人の旦那とお嬢ちゃん。」
お嬢ちゃんって呼ばれるのが気に食わないからグレ男って呼んでやろ。
Limbus-PADの資料をざっと読むとこいつは虫になることがあるらしい。虫はやだな。
「グレッグ!旦那ってなんなの、お嬢ちゃんっていうのもさ〜。この先、私たちに凄いお金をもたらす人たちに!」
いきなり美しいセクシーなお姉さんが口を挟んできた。
ダンテとグレ男はいきなりの話に混乱している。
「旦那とお嬢ちゃん…じゃなくてダンテと…うーん、あくまちゃん?あなた達もロージャって呼んで!囚人番号は9番だよ!」
めっちゃタイプのお姉さんだ。ロージャ姐さんって呼ぼう。
「ロージャ姐さん好き……」
とついつい声を漏らしてしまった。ロージャ姐さんは微笑んでくれた。好きだ。
資料を読むと、本名がとても長いのとお金が好きらしいって事がとりあえずわかった。裏路地?ってとこ生まれは貧乏なのか。あと、ウィンクができないけどやるらしい。可愛いな。
ロージャ姐さんはダンテと俺が巣?の偉い人だと思ってるらしい。
「次はあなたの番よ!」
と、ロージャ姐さんは気の弱そうな男の子を指名した。
「こんにちは…。」
と、気の弱そうな男の子が口を開いた。ぱっと見だがこの子は成人しているのかも怪しそうだ。
「つまんない〜それで終わりなの?」
またロージャ姐さんが口を挟んできた。
男の子は慌てて
「あ!シンクレアって言います…。えっと、囚人番号11番です…もっと言うべきこととか、あるんですか?会社勤めは初めてなので…」
と、名乗った。シンクレア…うーん…シンクレアっちって呼ぶか。
シンクレアっちは将来有望っぽい事が資料に書いてあった。
でも、ちょっと反抗期っぽい。
ロージャ姐さんは、それを見てちょっと満足したように
「じゃあ次はそこの不思議くんにバトンタッチ〜」
と言った。
ロージャ姐さんの言う不思議くんは確か古文風の喋りをする男だったはず。解読できるかな…
「イサンと言う。囚人番号なるものは1番なり。」
素っ気なく古文風の喋りをする男が名乗った。
イサンっちか…資料だと日常会話はほぼ無理ってかいてある。あとはなんか難しいことと頭がいいらしい。なるほどわからん。
ダンテは他に言うことは無いか聞いたが、イサンっちは無いとの事らしい。なるほどね、こりゃ日常会話は上手くいかなそう。
そんなイサンっちを見かねてオレンジの長髪を持つ可愛いお嬢さんが
「社会生活の1歩は挨拶からじゃないですか?」
と、口を挟んできた。
「私を、イシュメールと呼んでください。囚人番号8番です。」
と、お嬢さんが名乗った。
この子もめっちゃタイプだ。
「おっけー、イシュメールたんね。可愛いね。」
と、俺が言ったら
「話聞いてました?」
と、嫌そうな顔されちゃった。ごめんね、イシュメールたん。
イシュメールたんは、比較的まともに仕事してくれて判断もちゃんとできると資料に書いてあった。あと、おっきい水溜まりで航海?をした船乗りさんらしい。可愛いね。
イシュメールたんはお辞儀をして、自分の座席に戻って行った。
次にバットを持った傷だらけの男がこちらに来た。
傷だらけの男は無愛想に、社会生活に馴染みがないと言った。
「ヒースクリフ。まあ、殴ってブッ壊すのが専門分野だ。」
ヒースクリフ…多分イシュメールたんとは馬が合わないんだろうな。
ヒースって呼んでやろ。
イシュメールたんがヒースに番号を言っていない事をつたえると、ヒースはキレながら
「8番だ。」
と言った。ヒースの資料には単純な馬鹿で扱いやすいと書いてある。ウケる。
これで半分の人達が自己紹介が終わった。
なんとなく囚人達のことを掴めたような掴めないようなかんじがする。
ダンテも…俺も、相手には知られているのか?そう言う疑問に思いながら、囚人達の自己紹介を聞き続けることにした。
…To be continued
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