オメガバース
BL
R18
桃黒
桃α
黒Ω
【nmmn】
【本人とは一 切の関係はなし】
「」 桃
『』 黒
《》その他メンバー
今は真夏まっしぐらの、世の中では「夏休み」と言われる時期
俺、内藤ないこはせっせこ会社でパソコンをいじり、業務に励んでいた。
そして、今日もクーラーすらつけないという地獄の暑さ(壊れた )に耐えながらパソコンをいじり、お茶を飲み、休憩し、深夜になるまで働いて、帰る
「つまんないなぁ」
と思いつつも
「お金必要だしなぁ」
と、切磋琢磨し貯金をたっぷり集めていた
ちなみに1000万くらい(
節約しまくり集めていた。
そもそもあれもほしいこれもほしい、という欲求もあんまりなかったからけっこう余裕で貯まった
そもそもここの会社がけっこういいこともあり給料はめちゃめちゃ高めだ。ボーナスもきちんとある
そんな、ある夏の会社帰りのこと
俺はいつも通り会社から出て歩いて駅まで向かった
「疲れたぁ…」
そう思いつつ今日の夕飯どうしよう、とか早く休みこないかなぁなどを考えて気だるげに駅に向かった
「あっ…、れ…?」
「どこここ」
気がつくとネオンの光が眩しい通りに来てしまった
キャバクラ、ホスト、クラブ…ラブホ、それに風俗店まで……言うなれば「オトナの娯楽」がたくさんあった
「なッなぁ…、///」
ここで初心ないこちゃんはめちゃめちゃ緊張してしまいました。
そりゃそうだよね、うん。
中学は遊び三昧、高校では勉強に専念。
こんなかでこんな…こんなギラギラしたオトナ、のものは知らなかった
俺はそこそこモテる方だけど…(
「わッ…ワァ…ワァー…//」
ちいかわみたいにわぁわぁ言うしか無かった
「……、ゴクリッ」
入ってみたい
どうなのか知りたい
そんな好奇心が俺の思考のすべてを覆った
「……ガチャッ」
俺はあるホストクラブに入ってみた
本当はキャバクラなんだけど…女の子は緊張する…!!!それに…なんかあるとやばい
それにここのホストクラブは「男性もオッケー!」みたいな感じだし
いらっしゃいませぇー!!
と、元気な店員さんの声が聞こえてきた
「あっ…、ど、うも…」
《あ、初めての方ですか?》
「あっ…、は、はい…そう、で…す」
キョドりまくりだった
だ、だって!急に顔面偏差値バチクソ高い青髪の高身長が話しかけてきたらそりゃそうなるよね
まじで、イケメンやん
《どうぞお越しくださいました!》
《ここは男性でも歓迎なのでどうぞごゆっくり!》
「あ…、ありがとう…ございま、す…」
《今開いている者は…、こちらですね》
そう言ってパンフレット?らしきものを渡された
開いてみると、イケメンイケメンイケメンイケメンイケメン、イケメンしか居なかった
しょうじき浄化されそうなレベルのイケメンだった。砂になって風に乗ってどっか行きそうな感じするわ…
「ぅー…ん…」
いい人が見つからん
たしかに、全員いいんだけど…いいんだけど、何故か気に入らない
《なかなか決まりませんねw》
「あっ、す…すみません」
俺陰キャやん。最初に「あっ」って言うところ…まぁ、陰キャですけどぉぉ!?!?
《……、スリッ》
「ッッ…!?!?///」
いや…、
いやいやいや…、手…、手ええぇぇぇぇぇッッッ、!!!手!!手握ってきたァァァ!!!
わぁぁー…!!!ぎゃぁぁー!!!
《俺でもええんやで…?♡コクッ 》
「………!?!?!?!////プシュゥゥッ」
あ、あざといッッ…!!!
《あはは…wなんや、かわええやん…♡》
「はわッ…はわわわッッ…// 」
《……だめ、か…?》
《ちょっとぉー…、いふくん?何やってのぉー?》
《あ?なんやねんあほとけ》
《アホじゃないんですけどぉ!!?》
な、なんだ…この水色髪のアホ毛の人は…
てかさっきまであんなにかっこよくて、あざとい人が一気にどす黒くなったんですけど
あんなににこやかだったのに一気に地獄の表情に様変わりしてるんですけど
「ぁッ…、あのぉ…、」
《あ、ごめんごめん…えぇ…、と…?初めてのお客様ですね!》
《いふくんちゃんとパンフレット渡した?》
《ふん!俺を誰やと思ってんねん》
《はぁ…、はいはい、渡したのねぇ》
………、仲、悪いのかな?
同じところに働いてるのにこんなに仲悪くていいものなのか…心配だなぁ…。
《うぅー…、決まらない感じ?》
「あっ…、はい…」
《うぅー…、ん、あ。じゃあ兄貴は!》
「あに…、き?」
この子のお兄さんもここで働いてるんだ…初めて知った、そりゃそうだけどね
《え、兄貴今空いとるん?》
《うん!ついさっき!!》
《あにきぃぃぃー!!!》
《うっるさ…!あほとけでかい声だすな!》
《はぁ!?僕はただ兄貴呼んだだけですけどぉ!?!?》
《いふくんにとやかく言われる筋合いない!》
《直接呼びに行けばええやんけ、あほちゃうか?》
仲悪い……
兄貴?さんはやくきてぇぇ……この変な喧嘩を止めてくれぇ…
てか兄貴ってどんな人だろう。ゴツい感じなのかな…身長高くて、めちゃめちゃがたいいい感じの人かな…
どうしよう…怖くなってきた
『お前らなぁ…、なに喧嘩しとんねん 』
《だってこいつ/いふくんが!!!》
『はぁ…、いいからさっさとどっかいけや、指名やろ?』
《うん!ちょうど空いたでしょ?だからこの子お願い兄貴!》
『っ……へぇーへぇー、ほら、行くぞ』
「っ……、//」
やば…クソ美人。
カッコいいけど、でも可愛いというか。それに髪が長くて…女の方みたい。それに髪もめちゃめちゃサラサラしてそう
あと、こころなしかいい匂いがする
《兄貴ちょーと怖いけど気にせんでな》
「あっ…、は、はい…、」
『で、なに頼むん?』
「あっ…、えっと…」
やば…、やっば…。緊張する
顔面偏差値バチクソ高い。カッコいい、けど可愛い。なんだ、この顔面は。イケメンという存在を遥かに超えている
まつげクソ長いし、お目々パッチリ、ぷるぷる唇にきれいな鼻。ピアスばちばちの耳に、少しオラオラ口調の話し方。そして、背が小さい
まさに、体は小さいけどオラオラしてる…ラーテルやん。
あのライオンに噛まれてもへっちゃらで毒すら聞かない最強の動物、まさにあれ。見た目可愛いくせにめちゃめちゃ強いやつ
『お前、金あんの?』
「あっ…、」
そういえば、今手持ち10万くらいだ
でもこういうホストクラブって高いよなぁ…
「あの…10万くらいしかないんです…、けど…」
『はぁ…?』
「ひっ!」
『たった10万で人気No.1の俺を指名?お前、ばかやろ』
「へっ…? 」
な、なんばーわんぅー…??No.1?は?え?それってめちゃめちゃやばいんじゃ??だってここの店けっこう大きかったよ?てことは相当有名ってことでしょ?
それに…店員さんとかお客さんとかたくさんいたし…お酒とかそういうのもたくさんあった
それに照明、椅子、ソファーとか家具とか…店の全部が綺麗だったし高級感があった
この人、やばいんでは??
『はぁぁー…やる気失せた…』
「あっ…、ご、ごめんなさい…」
『ま、ええわ。お前との時間で休ませてもらうで』
「あ、で、でもなんか10万だけでも頼み、ます…」
『そうしてくれ…ほら、これメニュー』
「ありがとう、…ございます…ペラペラッ」
この人、本当にNo.1?めちゃめちゃ態度悪いんですけど可愛いけど。
なんだろう、こういうのが好かれるのだろうか。オラオラ系の、ヤンキーみたいな感じの人わしゃぁーもう年だからわからんわ
「………、高…」
高くない?え?10万とかある?これ。50万とか普通にいってない?
やっぱ高いよなぁ。もっと安かったらばんばん頼みたいところだけどなぁ。それにお酒しかないわ
「……、あ、これ…」
これ、これよくない?兄貴、さんの色みたいで綺麗…それにお値段も優しい。それにシンプルに美味しそう。いや、全部美味しそうだんだけど
「あの、これお願いしま、す…」
『ん…』
『はい、どーぞ』
「あ、ありがとうございます…」
『じゃ、乾杯』
「か、かんぱい…ゴクッゴクッ…」
うっま。
やっぱ高いだけあってめちゃめちゃ美味しい…。それに綺麗…。メニューの画像よりめちゃめちゃ綺麗。
星みたいに輝いてる…
『ん…、ん…ぷはっ、いやぁ…ひっさひぶりにこんなん飲んだわ…』
「おいしい…、ですね…」
『そうか?wお前相当貧乏人?w』
「え、」
び、貧乏人??
いや俺一応けっこういいところの会社で働いてますけどぉー!?!絶賛真夏なのにクーラー壊れてまじでイライラしながら仕事してますけど
これでもけっこうお金持ってますけどぉー!!!俺貧乏人じゃないし!!
『俺なんてこれよりいいの毎日飲んでるしなwお前みたいな社会人は一生飲めへんようなのも飲んどるしww』
「は…、はぁ…」
え、なに?マウント??うっざ…(
じゃなかった…。客にこんな態度で大丈夫そ?まじで訴えられないの?
『ないこには一生かかっても無理なものもプレゼントしてくれる時もあるで?』
『これとか、』
「……、きれい…」
兄貴さんは首にかかっていたネックレスを見せてくれた、
それは青色の宝石が中心にあって、サイコロの形をしていて、ととて綺麗だった。
でも、なんだろう。
なぜだか……胸が…痛い……
『せやろ?これまろからもらったねん』
「まろ…?」
『あの接客をしてくれたあの青髪の高身長』
「あぁー…あの人、まろって言うんだ…」
『そう、そのまろから誕生日で』
「よかった、ですね、」
緊張かドキドキか。それとも…嫉妬か。
ぎこちない返ししかできなかった。
『やろ、ま、お前には無理やろうけどなw』
『そもそもこれから先会うこともないで?』
「え、な…なんでですか?」
会うこともない?
なんで?
その疑問だけが頭のなかを駆け巡った
『俺はNo.1やで?今日はたまたま、運がよかっただけや』
「あ…、」
そっか、こんなんでもNo.1なんだ
『だから、俺がお前についてやれる最初で最後ってわけや』
『堪能しとけよぉーww』
「………」
そう、なのか……
もう会えないかもなのか
嫌だな
「…あの…」
『あ?なんや』
「…もう一度、会うためには…どうしたらいいですか、」
『……ふはっwそんなんもわからんの?w』
可愛い
目が潰れるくらいの満々の笑み…。
笑われてるだけだけど、それでも兄貴さんの笑顔はとても素敵だった。天使のほほ笑みじゃん。
『……お前が、お金をたぁーくさん稼げたらまた会えるで?』
「たくさんって…、どのくらいですか……」
『…5000万くらいw』
「っ…!?」
『だから無理やってw』
「そう…、ですか……」
『あ、そろそろ時間や』
『じゃあーな、せいぜい頑張れや』
『ないこwガチャッ』
「……5000万」
俺はこの日から、会社を立ち上げた
思い切って会社をやめ、それで企業した。
「……ようやく…かぁ…。」
俺は通帳を見て安堵する
ようやく、ようやくだ。
俺は、会社をやめて会社を建てた内藤ないこ。
俺はなんだかんだよかった頭と人脈、そして顔面と人柄でどんどん会社を大きくしていった、2年で。
俺はこれ以上にないほど努力した。1日中寝てない時もあった、頑張って、頑張って頑張って、お金をためたかった。
全ては、もう一度兄貴に会うため
俺はワンチャンあるのでは?と2年間週に一度必ず行っていた。
だけど、もちろん会えなかった
俺は頑張ったよ、兄貴。
ガチャッ…
いらっしゃいませぇー!!
兄貴がいるホストクラブは日本最大のホストクラブであることがわかった
そりゃそうか。
「あの、兄貴居ますか?」
あにき?
「はい、あの。ここのNo.1の」
《あえ…ないこやん》
「あ、まろ」
ご知り合いですか?
《そうなんよ、ごめんな、下がっていて》
はい
《で、久しぶりやなぁ》
「まろとも久しぶりに会うねw」
《ゆうて一ヶ月ぶりやけどなw》
《で、どうした?》
「兄貴、指名できる?」
《あぁー……》
《ごめんな、兄貴は無理やねん》
「お金あるよ?」
《……兄貴を指名したいんやったら300万くらい必要やで?》
「あるよ、余裕で」
《え…?》
そりゃそうだ。なんのために今まで死ぬ気で働いてたと思ってるんだ
300万くらい余裕で持ってる。
「会えるよね?指名できるでしょ」
《……、ないこには悪いけど…兄貴今居らんねん 》
「は?」
居ない?あのNo.1が?この店の看板が?いや、たしかに休みとかありそうだけど…
あの兄貴が休むんだ
「……そう、じゃあまた明日来るよ」
《…ないこに教えてもええんやけど…俺が兄貴に怒られる。そもそも兄貴は許さない》
「どういうこと?」
《………、本当に会いたいんか?》
「もちろん。会いたいに決まってる。」
俺が何年努力したと思ってるんだ。本当は帰りたくない。今すぐ会いたい。
今すぐあの笑顔と声と、兄貴のすべてを堪能したい。
《嫌われても、俺は知らんからな》
「わかった」
《…………》
俺はここに来るまで2、3個の扉を抜けてきた
そして、まろがあるドアの前に立ち止まった
「……ッ」
なんだ、なにこれ……
あっまぁ…、
なに…この匂い。なんか…本能的に身体が反応しちゃう。兄貴?
兄貴がこの匂い出してるの?
1番最初に会ったときはこんなに匂い強くなかったのに。てか、本当にやばい…なにこれ。頭の中空っぽになる。
身体も少し暑い…それに息が辛い
「ふッ…ふっ…」
《…ガチャッ》
《行くで》
「あっ…、うんッ…」
扉を開けたら廊下が続いていた。
俺はてっきり扉の前に兄貴がいるのかと思っていた
でも、違った。
だとしたら匂いが強すぎる。正直今すぐ逃げ出したい。でも、でも……
兄貴に会いたい
《ここ、ここに兄貴がおる》
「ふぅッ…ふッッ…♡♡」
《……やっぱ、ないこ、αやろ?》
「あッ…、ん…?♡♡」
あるふぁ…、?なに…それ。
「あるふぁっ…、て…なっ…に?//」
《え、あ…知らんのか?》
「んっ…、ふッッんっ…♡」
まろはそうして色々教えてくれた。
αの優位性、Ωの厄介さ、βの多さと平凡。
特性や種類なども
《……この世界にはα、Ω、βがおんねん。ないこはα、兄貴はΩ、俺はβ。これは人によって違う》
「へっ…ほぇ…ッ」
《兄貴は今発情期なんや。だからここで隔離しとる。俺でもけっこうきついんやで?》
《ないこなんて特にやろ》
「んッッふっ…もっ…、限界なんだけど…♡」
《だめやで、兄貴を襲ったらまじで殺されるぞ。まぁ…番にはなれないから安心せ》
「……♡♡」
《……行くで》
ガチャッ…
《っ…、ふっ…んっ…》
「ぁッッ…、んぅ…♡♡あにきぃー…♡♡」
『んッッ…、うゅ…?♡//あっ…、 ふぅッッふっ…♡♡ひゅっ…、ひゅぅッー…♡♡/』
匂いやば。
これにやば。もう理性なくなるかも…
兄貴のことしか考えられない
噛みたい…噛みたい噛みたい噛みたい噛みたい、あのΩを俺のものにしたい。
「グルルッ…♡♡ふッッふぅッッー…♡」
『はッ…はぁ…ふッはっ♡♡まッ…、ろ…?な…、ご…♡♡ぐっ…んッなぁ…、!♡//』
《だから言ったやろ、?兄貴には会えへんっ…て……》
「ごめんッッ…、正直理性なくなりそッッ…、♡♡」
《ガチャッ…》
「ふぅ、っ…ふっ…♡♡噛みたいッッ…噛みたい噛みたい…!!♡♡♡」
あのΩを俺のものに!♡♡項を噛んで、俺の番に。一生俺のものにしたい。噛みたい。ヤりたい。ヤりたいヤりたい…!!♡♡
俺の頭の中はΩの項を噛むという本能におかされていた。そんなときに冷静な判断なんてでこるわけない
あっっまい匂い垂れ流してる弱々しいΩの項を噛んでやりたい。それで、俺の番に。ただそれだけの思いだった
《ギュゥゥッ…落ち着けなんこ…》
「ふッッ…ふぅー…♡♡やぁッッ…おれのっ…、おれのおめがぁッッ…♡♡♡グルルッ…」
《やっぱ会わせた俺がバカやった…、》
「はなっぜ…!ガブッ!」
《いッッ…!》
「グルルルッ…!!♡♡」
このときの俺は気がどうかしていた。
落ち着かせようとしてくれたまろに対して噛んでしまった。
俺を会わせないようにしてくれたのに、まろの優しさで連れてきてもらったのに
《落ち着け…、な、?ないこ……ポンポンッ》
《ほな…、ここから離れよ》
「やッッ…!Ωッッ…、オメガァッッ!!♡♡♡グルルッ…♡」
離れたくない
Ωを番にするまでは。
そこで、俺は寝てしまった
「んっ…、んぅッ…?」
《あ、起きた!》
「んッッ…、んぅー…??」
「わぁぁぁぁぁッッッ…!?!?!?だれだれだれええぇぇぇ…!!!!!」
「ご…、ごめんなさい…騒いてしまって…」
《大丈夫大丈夫w俺はりうら!》
「俺は内藤ないこです…」
りうら。
赤髪のここの一応No.3らしい。ちなみにここの店のNo.2がほとけ。No.4がしょう?とか言う人らしい。
ちなみに、ここの店でNo取れるってことは相当すごいことらしい。余裕で1日1億稼ぐとか稼がないとか…。
《いふまろにないちゃんのこと見ててって頼まれたの》
「そうだったんだ…、」
《まろは今色々やってるしね。なんたって社長だしw》
「へ?」
しゃ、ちょう???
《あれ、知らなかった?まろはここの社長だよ。普段は裏方》
しゃ…、ちょう??は???
あの美貌で???あのイケメンで社長なの??は?俺普通にまろのことホストかと思ってた。たしかになんでNoに入ってないのかな?とは思ったけど
まさか社長だったなんて
「あ、だからまろいつもフリーだったんだ…」
《そうそう、まぁ…あぁ見えて元ホストだよ》
《それはそれは人気だったよwあの面食い野郎が》
こっわ。
めちゃめちゃ恨んでんじゃん。まぁ無理もないか。まろのあの顔面と色気と清楚感だったら余裕でNo.1になるな。
「まろは今どこ…?」
《兄貴のところ》
兄貴。
兄貴、…、お…おめがッッ…Ω…♡♡
おれの…番に…♡♡
「………あにきっ…、♡」
《あ、やべ…、この話はダメだったんだった 》
「っ…、ご…ごめん……」
《大丈夫大丈夫…wりうらもαだからわかるよw》
「正直…、ここでもちょっと匂いするからやばいんだよね…w」
《え? ここでも匂いがする? 俺はなんも感じないんだけど。》
《それに、ここは相当兄貴から離れてる。それなのにないちゃんはは匂うんだ…》
「うんッ…なんでだろう…」
なぜだかずっと少し甘い兄貴の、Ωの匂いがするんだよな。
正直ちょっとくらくらする
《身体は大丈夫そう?》
「あ、…うん、大丈夫」
《ならよかった。じゃ、りうらもう行くね》
「うん、ありがとう」
「………」
もう、兄貴に会えないのかな…。
兄貴がΩで俺がαだから。
もし、もしまろみたいにβだったら。そしたらたっくさん兄貴と会えた?たくさん触れ合えた?…俺がβだったら…兄貴の心の拠り所になった?頼られる存在になった?
兄貴…、会いたいよ…
「……兄貴ッ…」
まだ全く話したことないけど、会いたいよ…
あれ
そういえば
俺は兄貴と一回しか会ったことも話したこともなかったのに
なんでこんなに必死になってるんだ?
そもそも、
なんで話したこともない俺の名前知ってたんだ?
《兄貴…大丈夫…?》
『んうぅッッ…♡♡はッ…んっ…はぁッはぁ…♡♡』
《っ……、兄貴…、やっぱり兄貴には…番が必要やって… 》
『ふッッ…、ひゅっ…♡♡やッ…だっ…♡//』
《ッッ…もう駄々こねないでよ…!!あのとき言っちゃばよかったんだよ!!》
《運命の番だって…ッッ》
『グルルッ…♡うるッッ…ざぃッ!!♡//ふッッはぁッ…♡はッはッッ…♡♡//』
『おれはッッ…ぜっだいに…ばんなッッんが、♡♡つくらないッ…♡♡//』
《ふぅ…、》
「んッッ…、まろっ…ちょっと近づかないでもらえると…、♡♡」
やば…まろからあっっまいΩの匂いがぷんぷんする。やっぱこの匂い嗅ぐと頭が真っ白になる。
《あ…、ごめんッ…はッ…やっぱきつ……》
「まろでもきつい系…?」
《まぁ…w》
「兄貴は…?兄貴大丈夫そ…、?」
《………なぁ、ないこ。》
「ん?」
《……もし、もし……兄貴のそばにずっと居れるって言ったら、どうする…?》
「え?」
兄貴のそばに、ずっと。
ずっと居れる
《……兄貴の発情期が治ったら、話したいことがある》
「………わかった…」
《そんときはサービスする。今日は帰りや》
「……うん。じゃ、また」
まろは、何か隠している。
俺はそう確信した。
話したいこととはなんなのか。今の俺にはわからないが、兄貴のためならなんだって聞く。
《今日は来てくれてありがとうな、》
「大丈夫だよ」
『………』
「…、兄貴?もう大丈夫?」
『舐めんな、あんくらいすぐ治るわ』
《強がりだなぁー…w》
《………ないこ、大事な話や》
「………」
大事な、話。
《ないこと、兄貴に関するとっても大事な話や》
《…単刀直入に言うと、》
《ないこは兄貴の元、番や》
「は?」
元、番?
え、つが…え…?俺と…兄貴が…?元?元ってどういうこと?番って…一度項を噛んでしまったらもう番を変えることはできないはずじゃ
まろだって、言ってたじゃん。それに俺は自分でも調べた。
「え、?元ってどういうこと?番って…変えられないんじゃないの?」
『…っ…俺が……お願いしたんや…』
《………ないこと兄貴はな、ないこが高校で兄貴がもう社会人だった時、番やったんや》
《もちろん、発情期とかで誘って嫌な関係でもなく、お互いの許可がありの…ちゃんとした番》
「へッ…、?いや…も、もっとわかんないよ…」
お互いがきちんと認めていた??え、ならなんで元、なの…?
てか、
なんで俺はそのことを知らないの…?
『………』
《…動揺、しとるよな…》
「いやッ…そりゃそうだよ…、ね…兄貴、どういうことなの…?」
『ッ……』
『…………すまん…、』
『これは…やっぱり俺のエゴやった……』
「は…?どういうこと…?ねぇ…なんでッ…なんで番辞めちゃったの…? 」
『……お前のためやったんやッ』
「はぁ…?俺のため…?いや、…」
俺のためって。
いや、番になってたら、兄貴の発情期は俺だけしかわからないし、それに兄貴を守ってあげられる。それに、兄貴と番だったら……
辞める理由がわからない
《…………ないこ、お前はな…》
《っ……ないこはッ…番が出来るとΩと同じように発情期がくるんや…ッ》
「はッ…、?」
はつ…、じょうき…?
え、でも。俺ってαのはず、でしょ?
《ないこは独特で、αの性が流れとる。だけど、Ωの性も流れとるんや》
《…番ができることにより、Ωとの距離が一気に近くなる。だからΩの性がより出てしまって発情期がくるんや…》
なに、それ。
その特性のせいで、…俺は兄貴と離れる羽目になった?
この、よくわからん性のせいで??
「ッッ……そ、それでも!!番は辞める理由に絶対なんない…!!俺だったら辞めな…、ぃ…?」
《………”それ”に関しても、謝らないといけないことがある…》
「はぁ…、?」
それ?それって…なに??まだ、隠し事あるの?
もう…、俺わかんないよ…
《…、ないこの記憶について》
「……っ!?」
《…お前の記憶を、こっちの事情で…消したんや》
《でも、細かい操作はできなくてな…第二の性について、そして、兄貴の記憶がないこからごっそり抜かれとるんや》
「……そっ…なんだ……」
てことは…、
まず、俺が高校生で兄貴が社会人になったときに、番になった。
でも、番になったことにより、俺の特異性がわかった。だから兄貴は俺のために番を辞めた。そして、
俺の記憶を消した
『……ごめんッ…ないこっ…』
『ごめ”…ッんなざいッッ…ポロポロッ』
「あっ…あにきッッ……な、泣かないで…ギュゥゥッ」
俺が謎の嫉妬を抱いたのも。何故か2年も必死こいて働いたのも。
全ては兄貴のためだったんだ。兄貴のために、記憶が消えても本能的にそうしたのか
「っ…、兄貴は、俺のことを考えてくれただけでしょ…?なら俺は幸せ者だよ…?ギュゥゥッ」
『ぁッ…んぅ~ッッ…ポロポロッギュゥゥッごめッ…ごめんぅッッ…ひっくッ』
「ポンポンッ…大丈夫…、大丈夫だって……」
『んゆッ…スリスリ…ないッ…ご…ポロポロッ』
「大丈夫…俺は大丈夫だからポンポンッ」
『ん…、ギュゥゥッ…スリスリ…』
「…かわいッ…//ナデナデ」
兄貴寝ちゃった。
そりゃそっか。発情期過ぎたあとすぐだったから体力的にもやばかったのか、それに発情期だったからゆっくり寝てないだろうしね
あぁ…、可愛い。
あんなに、あんなに触りたくて、会いたくて、話かった兄貴が今目の前に……
《……ありがとう、ないこ……そして、ごめん…》
「大丈夫だって…まろもありがとうナデナデ」
《っ…!ありがとうッ…ポロッ》
「…………」
『くんなッ…!』
「うぅッ…、なんでこうもツンデレなんだ…」
《兄貴はそういうもんやで》
「うううぅぅッ…あにきいぃぃー!」
『だからくんなぁぁッッ!!!』
「せっかく番になったんだしぃぃー!!!」
『だぁーかぁーらぁー…!!!近づくなっつってんだろうがぁぁッッーー!!!』
「やだああぁー!!!あにきいぃー!!!」
そうそう。
あの後、もう一度番になった。
そもそも番を辞めたのは手術で、完璧には消せてないらしい。だから手術をしたあとも仮の番みたいな状況だったらしい。
だから兄貴の匂いが遠くても少し匂ったらしい
そして、あれ以降めちゃめちゃ兄貴がツンデレ、というかツンツンになってしまった
俺が抱きつこうとしても避けるし、泣きそ…(
そもそもどうやってもう一度番にしてもらったかというと、やっぱり兄貴の番になりたいという意志と兄貴の助けになりたい。
俺には発情期がくるとしても。
二人で生活する分には金はたんまりある。なんだかんだ頑張ってよかった
「……、兄貴…大好きだよ…」
『なッ…!?』
『………、俺も…、////ボソッ』
「……………(死)」
ほら、やっぱりツンデレ
《ないこが死んでもうた……》
《兄貴ももうちょいデレデレしてもいいのにぃー》
『だ、だれがッッ…!!//』
『そんなん…、恥ずいやん……///』
《はぁー…やれやれ…w》
《発情期のときだけでも甘えてやったら?》
『ッッ……、やだ…』
《…www》
『………まろも早く見つけるんやで…?』
《……へぇーへぇーw》
《いつか、ちゃんと見つけますよぉーだw》
『はよ見つけろよ……、まろもΩなんやから……』
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え、もう、めちゃくちゃ好きです。オメガバとかほんとに好物中の好物で…() 応援してます!!