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橙「はぁ、家に帰りたくないな、」
私はそんなことを言いながら学校を出た。
家が嫌いではない。
かと言って好きではない。
放課後。全体が橙色に包まれる時。
通学路を歩いていた。
ふと、私は足を止めた。
橙「こんな所にお店あったっけ?」
私の家の付近はだいぶ田舎。
あるのは家と学校、コンビニが少しあるくらいだ。
橙「余白堂?」
好奇心が意外とある私は、そのお店に入ってみた。
カランコロン
橙「こんにちは」
?「こんにちは」
?「ここに来るのは初めてですか?」
橙「はい」
その店主は、私と同い年くらいの見た目をしていた。
?「僕の名前は赫と言います。」
橙「赫、彡でいいですか?」
赫「はい、あなたの名前は?」
まだ余りしか喋ってない人に名前を教えるのには少し抵抗があったが、
向こうが教えてくれたので、名前を言った。
橙「私の名前は橙です」
赫「橙、いい名前ですね」
橙「ありがとうございます」
そのあとも色々喋り、ここは最近できたお店らしい。
橙「ところで、ここはどんなお店なんですか?」
赫「ここは名の通り“余白堂”と言い、空白だった思いを埋める場所です。」
橙「そんなミステリアスなことがあるんですね」
赫「ここは僕が作りました。」
この歳でこの店を作るのはすごいと思ったが、ここは田舎だから、家賃は安い。
それでも、ひとりでここに来るのはすごい。
赫「とにかく、この店にたどり着いたって事は、埋めたい記憶があるようで。」
私はなにかに勘づかれたように目を見開いた。
赫「大正解なようで。笑」
私は母親に何もかも制限されていた。
友達関係も、習い事も。
したいことも出来なかった。
全て反対されていた。
だから、いい思い出などがなかった。
赫「ところで、橙彡、あなたが作りたい思いはなんですか?」
私は考える間もなく、言葉を発した。
橙「友達を作って、遊んだりたくさん喋ったりしたいんです。」
赫「わかりました。では、明日の今どきの時間帯にまたここに来てください。」
橙「はい。少し、遅くなるかもしれませんが。」
赫「それでも構いません。」
橙「はい。ではあた明日。」
赫「では。」
私は気分良くお店を出た。
もう辺りはだいぶ暗くなっていて、街灯の光が辿りになるくらいだった。
橙「赫彡と喋るの楽しいな、」
橙「やべ、お母さんに怒られる、」
最近は、前に比べたら明るくなったな、
19:45分ころ、私は走って帰った。
ガチャ
橙「ただいま。」
母「あら、遅かったじゃない」
橙「ごめんなさい。怪我してる子猫がいて、」
母「そうだったの、私は橙がそんな子になってくれて嬉しいわ」
私は咄嗟に嘘をついた。
こんなことがバレたら家を追い出されるだけじゃなくなるかもしれない。
母「もうご飯はできているから、着替えてきて食べなさい。」
橙「はい」
自分の部屋、
ここがいちばん落ち着く場所。
いや、2番目に落ち着く場所。
今は、あの“余白堂”がいちばん落ち着く。
赫彡と気が合い、話しやすい
初めてできた“友達”なのかもしれない。
橙「そんなこと思ってる場合じゃない、」
橙「早く下に降りよ」
私はその言葉を後にして部屋を出た。
母「一応、温めておいたわよ」
橙「ありがとう」
橙「いただきます。」
美味しい。けど、何かが足りない。
お父さんは子供の頃から単身赴任で、遠くに行っている。
帰ってくるのは年に一度くらい。
橙「ご馳走様でした」
母「どう?美味しかった?」
橙「うん。美味しかった。」
母「じゃあお風呂にはいって、寝る準備をしないさい。」
橙「はい」
橙「ふぅ、」
私は溜息をつきながらお風呂に入った。
今日の疲れが流れる。
橙「やば、のぼせる」
急いでお風呂から出た。
母「上がったのね、」
橙「うん」
母「じゃあおやすみ」
橙「おやすみなさい。」
ガチャ
橙「眠たくないな、」
そんなことを呟きながらベッドに入った。
私は、前も言った通り、家族が好きではない。
虐待されてる訳でもなく、嫌われてるわけでもない。
ただ単に空気が重い。
敬語。行儀よく。
という決まり。
それを破ったら怒られる。
しかも、友達を作らない。
という意味の分からない決まりもある。
私は詳しくはわからないが、母親の子供の頃のことが影響らしい。
何故自分の子供の頃のことを私に押し付けるのだろうか、
そう思いながら、眠りについた。
橙「眩し、」
朝日の光が窓から差し込んでいた。
橙「今日も学校か、」
あと少しで高校も卒業。
高校を卒業したら1人で都会に出ようと思っている、
なので、母親に秘密でバイト先を探している。
橙「あ、今日は余白道に行くんだった、」
目を擦りながらそんなことをぽつりといった
ガチャ
橙「おはようございます」
母「おはよう」
母「朝ごはんできてるから、食べなさい」
橙「はい、ありがとう」
橙「先に顔を洗ってきます。」
母「はい」
パシャッパシャッ
顔を洗い、歯も磨いた
橙「はぁ、やっと目が覚めた」
橙「お腹空いた、早く朝ごはん食べよ」
橙「いただきます。」
毎日同じパン。
味も変わらない。
パンを焼いて、少しバターをつけ、卵焼きを載せる。
あとはコーンスープ。
準備してくれるだけでも嬉しいので、毎日変わらなくても文句は絶対に言わない。
橙「ご馳走様でした」
母「早く準備して学校に行きなさい」
橙「はい、行ってきます」
ガチャ
放送【皆さん、おはようございます】
放送【今日は〇〇〇の日です】
HR
1時間目 数学
私の苦手な教科
何とか頑張らなければいけない。
橙「え、まってここ習ってない、」
先「どうした?」
橙「ここの問題、この前風邪で休んだ時で、分かんなくて、」
先「ああー、そうだったな」
先「ここは、こうして、__________。」
橙「わかりました、ありがとうございます」
放課後。
私は急いで学校を出た。
いち早く“余白堂”に行きたかった、
橙「はぁっ、はあっ、」
橙「あとちょっと、、」
“余白堂”。
この看板を目にして店の中に入った
カランコロン
橙「こんにちは」
赫「昨日ぶりですね」
赫「準備は一応、できましたが、」
橙「はい、」
赫「これまでの高校生活の思いなどが消えるかもしれません」
橙「それでも構いません」
橙「私は友達と一緒に遊んだり、そあ言う思い出を作りたいので、」
赫「わかりました」
赫「この手術をするのには、時間がかかります。」
橙「はい」
赫「明日も同様、この時間帯に来てください」
橙「わかりました」
赫「今日やらなければならない事は終わりました。」
橙「ありがとうございます」
赫「そして、思い出を作れないのは、母親のせいなんですよね?」
この人はなんでもお見通しか、と思った
橙「はい」
赫「では、この薬を母親に飲ませてください」
橙「え?」
赫「この薬を飲ませると、母親の子供の時に起きた記憶が消えます」
赫「この薬を飲ませなければ、橙彡がどんな手術をしたとしても、今まで通りになります」
橙「はい、では母親に飲ませておきますね」
赫「ありがとうございます」
赫「ではまた明日」
橙「はい」
カランコロン
橙「どうやって飲ませようか、」
確か、今日は仕事が忙しくて部屋でやるって言っていたことを思い出した。
橙「ココアでも作ってその中に入れるか」
昨日は、遅くなってしまったので、バレそうになったが、
今日はいつも通りの時間帯。
この時間帯に帰ればバレることもない。
だけど、私は小走りで帰った
ガチャ
橙「ただいま」
もう部屋で仕事をしているかのように静かだった。
橙「準備して持っていくか」
そう言って、鞄を下ろし、ホットココアを作り、その中に薬を入れた
橙「よし、これを持っていこ」
コンコン
母「はい」
橙「少し入ってもいいですか?」
母「橙ね、入っていいわよ」
ガチャ
橙「お母さん、仕事お疲れ様です」
そう言いながら私は机にホットココアを置いた。
母「あら、ココア作ってくれたのね」
母「ありがとう」
橙「では、引き続き頑張ってください」
母「レンジの中にご飯入ってるわよ」
橙「ありがとうございます、美味しくいただきます」
バタン
橙「レンジの中、、温めてくれてる、」
レンジの中からご飯を取り出し、机に置いた。
橙「いただきます」
今日は簡単なオムライス
これは私が小さい頃から作ってくれた懐かしい味。
一瞬、この思い出も消えるのか、と思ったが赫彡が
「高校生活の思い出」
と言っていたのを思い出し、安心した。
橙「ご馳走様でした。」
お皿を片付け、部屋に戻った
橙「課題進めないと、」
そんなことを呟きながら、クラスラインを見た
その中では、もう少しで卒業なので、打ち上げに行こう
ということが書いてあった
私はそれを拒否した。
もちろん、理由を聞かれたが、あの“余白堂”の方が大切なので、
そんな時間は無いと思い、拒否した。
橙「課題忘れてた、」
すぐに机につき、始めた
日々少しずつ進めていたため、提出日が近くても焦ることは無い。
橙「終わった」
そう言ったら、母親の部屋から、
「寝る準備もしときなさい」
と言われ、お風呂に入った。
橙「お母さん、お疲れ様」
母「ココアありがとうね。おかげで頑張れたわ」
橙「それは良かった」
母「それで、最近友達はどうなのよ」
予想外のことを言われ、私は癖になってしまったのか、嘘をついてしまった。
橙「うん、結構友達とも上手く言ってるよ」
母「そう、なら良かったわ」
橙「じゃあ、おやすみなさい」
母「おやすみなさい」
ガチャ
部屋に戻って、ベッドに飛び込んだ
お母さんが禁止ワードにしてた『友達』という言葉。
その『友達』という言葉をお母さんから言っていた
もう薬が効き始めたのか、と思いながら、
明日行く、“余白堂”がもっと楽しくなった。
コメント
1件
めっちゃノリで書いたので、変なとこあるかもしれません その場合は容赦なくコメントに書いてください🙇🏻♀️