テラーノベル
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日本side「………嗚呼、この不快なまでの青空。あの日もそうだった。憎たらしい、米国めが。」
人より鋭い犬歯が並ぶ口から冷え切った憎悪が漏れ出す。
旧帝国陸軍の軍服を纏った兄__日帝は、怨めしそうに空を見上げ、ゆっくりと視線を落とした。
「いいね。少しはマシになったではないか」
日帝はゆっくりと口角を上げると、腰に下げた軍刀の柄に手をかけ、ゆっくりと歩み寄る。
「ッ……お前、どうやって境界を破った」
日帝の視線が私からドイツさんに移る。吸い込まれそうな程深い黒瞳から息が詰まるほどの重圧が放たれる。
「先輩の弟君ですか。随分と立派な体躯になりましたねぇ。」
私が獲物を煽るときと同じ顔。値踏みする様に動く日本家特有の赤い瞳孔。
ドイツさんの指がピクリと跳ねる。日帝はそんなドイツさんに構わず、私の方に視線を戻した。
「墓参り、か………下らない」
揺らぐ線香の煙を軍帽の鍔で遮るように嗤う。
「せっかく境界が消えたんだ、楽しく語り合おうじゃあないか。『我々の正義』についてを」
そう云って日帝が両手を羽ばたくように広げると、空から湿った音を立てて黒い雨が降り始めていた。
「……まずい、日本!行くぞ!」
先刻よりも強い力で手を引かれ、その場から走り出した。日帝が発した「正義」の、その言葉が背中に深く突き刺さったままだった。
ドイツside
「平気か日本」
大日本帝国から逃げ出したあと、我々は道端に停めてあった車を拝借して会社に向かっていた。
「えぇ……大丈夫です」
日本からしたら、大日本帝国は大切な家族だ。そんな相手に牙を向けたくないのは痛いほど分かる。
「会社……とは言え安全とは言い難い………なんだ?」
ザザ…とノイズの音がどこからともなく聞こえてきた。
「、無線ですね……崩壊の影響で繋がりにくいのでしょうか……」
日本がそうつぶやいた瞬間にノイズが切れ、耳元で大声が聞こえてきた。
『繋がったぞ!!!聞こえるか!?』
声の主はアメリカだった。
「アメリカか!聞こえているぞ」
『ドイツ!日本!大丈夫なんね!?』
無線にイタリアが割り込んで来る。恐らくイタリアとアメリカは同じ場所にいるのだろう。
「私達は一応無傷です」
『なら全員無事だな。それでなんだが、俺達は今G7以外含めて全員転送門でNYにいる。だからお前等もNYに来れるか?』
俺と日本は頷き合い、俺は転送門へとハンドルをきった。
ももだいふく
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くりおね
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コメント
1件
うわ、めっちゃ重い空気からのスタートですね……。大日本帝国と日本の対峙、同じ日本なのに「家族」でありながら憎悪の対象でもある、その複雑な関係性がもう刺さりました。黒い雨が降り出す演出と「正義」という言葉の重み、背中に突き刺さる感覚が伝わってくる。アメリカ経由で無線が繋がる安心感と、G7以外全員NY集合という展開に「これからどうなるんだ」と続きが気になります。ドイツさんの「大切な家族に牙を向きたくない」という気遣いも、設定の深みを感じさせる良いシーンでした。