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CHANGE!CHANGE!!CHANGE!!!

NO THANK YOU!!!!


デリヘル呼んだら君が来た♡

※武マイ 後天性女体化


時刻は深夜。午前3時。来客を告げるインターホンに応じて扉を開ける。

「こんばんわーっ♡本日はデリヘルをご利用頂き、ありがとうございまーす♡」

「…へ?」

そこには、フリルの付いたワンピースを着こなすマイキー君が立っていた。



事の始まりは3日前。ドラケン君の家に遊びに行かせてもらった時の事だったと思う。何故か、彼が構えるバイク屋さんでも自宅でも無く、彼の実家、いわゆるラブホテルに招待された。その時点で頭の中は?マークでいっぱいである。とは言っても、招待してくれたのはドラケン君だ。俺が断れるわけもない。それに、他でもないドラケン君だ。疚しいことがある筈も無い。それは分かっているのだが___なんだかこう、思うところがあるというか。学生の時に初めて訪れた店内は、そのころから変わっていなかった。楽しい時間を過ごしたと思う。言い忘れていたが三ツ谷君と千冬も居て、小さなパーティのような賑やかさがあった。勧められるまま酒を煽り、三ツ谷君がこしらえたつまみを食べ、近況や昔の話などで盛り上がった。

「アー、なァ、たけみッち」

終わり際、ドラケン君がやや気まずそうに俺に尋ねた。

「オマエさ、女の好みとかある?」

俺は小首を傾げる。高校に上がり唯一の彼女、橘日向と別れてから、女性に縁のない暮らしを送ってきたからだ。ヒナはといえば、今でもメールのやり取りをする仲だが、イケメンな先輩と仲良くやっているらしい。

そんなわけで、ドラケン君がいきなり聞いてきたことへ、疑問を隠せなかった。

「いやぁ、オマエも溜まるモンはあンだろ?だからと言っちゃなンだが、こーゆーの興味ねェか?」

そう言い渡されたのは、1枚のチラシ。ピンク色の太文字で書いてあったのは、4文字のカタカナ。そう、デリヘルの文字。

「…?これは…??」

「うちの店が新しく始めるンだとよ。今更だよなァ(笑)」

だから、お試しという形で俺に頼んでみて欲しいということらしい。料金は店持ちだから!と両手を合わせられ、またまた俺は断る手段を奪われてしまった。ようやく絞り出したじゃあ、の音に、ドラケン君の表情が弛緩する。それを見て、少しはこれで良かったんだと思えた。

「じャ、どんな子がいい?容姿とか、性格とか」

そう問われ、やはり首を傾げた。リストのようなものを見せられても、どうもピンと来ない。千冬に助けを求めたかったが、生憎三ツ谷君と飲み物を買いに出ていた。難しい顔をして写真を眺めていると、1人、目を引く子を見つける。

パッチリと大きい黒目。意志の強そうな整った眉。首元にかかる長さで切り揃った金髪。

可愛いなぁと思った。酒が回っていたし、あまり動かない頭でその子を指さす。ドラケン君は分かったと笑い、じゃあ次の休みに行くように頼んでおくから、と言った。



ああ、少し無遠慮だったかもしれない。今の子はデリヘルなんて知らないだろうし、それらしく説明しておこう。

デリヘル。正式名称をデリバリーヘルス。性風俗業の一種で、派遣型のサービス。要するに、風俗の女の子が家に来てくれるサービスだ。勿論、普通の風俗よりお高い。

武道は今、誘いを断りきれなかったことを存分に後悔していた。

「久しぶり、たけみっち♡」

にっこりと、端正な顔が笑顔を作る。メイクを施したマイキー君の顔は、とても美しかった。

「オマエの好みのタイプになって帰ってきたんだよ」

俺を押し倒し、見下げながら言う彼は、とても得意げだった。否___今はもう、彼女だったか。

「…マイキー君」

「なぁに?♡」

「質問いいすか?」

「いいよ♡」

「じゃあまず最初に」

俺は無遠慮にも彼女のフリルで囲われたスカートを捲り上げ、そこを確認する。女物の下着。そこに付いている筈の男の尊厳は___

「ない!!!!!!!」

「あはっ♡たけみっちってば大胆♡」

「ここにあった尊厳どうしたんすか?!?!」

隠しているのだとしたら凄い技術だと、舐め回すように見る。アッ、ここ見てるのに舐め回すってアウト???アウトかな???てか見てる時点でアウトだよな?!?!

焦る俺を見て、彼女はクスクスと笑う。

「落ち着けよたけみっち。尊厳は___そうだな、捨てたとでも言っておこっかな♪」

「す、捨てた?!」

俺の頭はパニック寸前だ。ここにいるのは確かにマイキー君なのに、身体が女の子になってしまっている。元々女の子だった可能性も考えてみたが、そんな筈は無いと記憶が否定する。一緒に銭湯まで行ったのだ。女の子な筈がない。でも___俺は改めて彼女を見詰める。

顔は幼い頃同様に綺麗だ。それこそ全くと言っていいほど変わっていない。変わったのは尊厳の有無と、あとは胸の膨らみ。平均からしたら控えめな大きさなのだろうが、立派に女の子の柔らかさを持っている。

「そう、捨てた。要らないかなーって」

「いや要るでしょ…何やってんすか…」

「でも、可愛いだろ?」

不敵な笑みはあの頃から変わらない。俺が焦がれた笑みだ。自信に満ち、誰もを安心させる笑み。俺が大好きなマイキー君の笑み。馬乗りになった彼女から垂れる髪を掬い、耳に掛ける。

「可愛いですよ」

「だろ?この身体も俺好きなんだ」

ふふんと微笑むのが愛おしい。愛おしい?そんな感情が生まれた事に、俺は戸惑った。あの頃はかっこいいとしか思わなかったというのに、女の子になった途端、愛しいなんて言葉が浮かぶなんてどうかしている。そんなの最低だ。

俺の逡巡に気付いているのかいないのか、彼女はねぇ、と服の袖を引いた。

「たけみっち、まだ童貞?」

「エ?」

「ねェ、俺に童貞ちょーだいよ」

「……ェ?」


疲れたから 𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ↬ ♡100 


書き忘れたけど、マイキー君はずっと行方不明でした。武道は久し振りの再会。

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