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11巻「科目男子のひみつの時間」

ララ・イングリッシュ編 〜自分らしさ〜

(…..なんでみんな、私の事を大人っぽいって言うのかな…..よく分からない)

私は空き教室で、ただ一人考えていた。みんなからよく言われるのは「ララちゃんって優しいし、大人っぽいよね。色んな意味で!」とか、「本当に小6?って思っちゃうくらい大人っぽい!」…という言葉ばかり。私は正真正銘、小6の普通の….いや、普通は嘘になるかな。

…私はまどかちゃんの英語の教科書から生まれた科目女子。最近、ここ…百天小に来たばかりで、私はケイがいる2組に転入してきた。だからここに来ての日数はかなり少ない。それでもここでの学校生活を楽しく過ごせているのは兄のエイトを始め、ケイ達やまどかちゃんのおかげなのかもしれない。彼らは私にとって大切な人だし…..血が繋がっていなくても家族と言えるくらいの存在だ。

(んー…大人っぽいって言われる原因って、私が顔にあんまり表情を出せてないから?それとも身長?または…….あー、ダメ。全然理由が浮かばないよ…)

どんなに考えても、考えても分からない…..そういう時は…空を見る。そういえば、兄さんも空をよく見てるって聞いたな。多分、私とは違ってボーッとしながらカッパのこととか考えているんだろうけど…。私は1人でふふっと笑う。大好きな人のことを考えるとつい、表情が緩んじゃうんだよね。…そして、まどかちゃんのことを考える時もかな。

ー花丸円

彼女は可愛いし、元気で、優しくて…..兄さん達とは違う意味で大好き。…違う意味っていうのは、まどかちゃんを一人の女性として好きだってこと。友達とかの『好き』じゃなくて、恋としての『好き』。彼女のことならいつまでも見ていられる自信がある。

私はチラッと、外の太陽を見る。太陽の光って眩しいけど暖かいし、それが心地いい…まどかちゃんって太陽みたいだなって思う。なんだか、こうやって考えてたら…さっきの悩みなんてもう、どうでもよくなっちゃった。自分らしさを無くすのも変よね。

…なんか、急にまどかちゃんやみんなのことが恋しくなってきちゃった。会いに行こうかな。と思いながら、空き教室を出ていった。


「あ、ララちゃん!」

私の名前を呼んだのはまどかちゃんだ。こちらに向かって大きく手を振っている。しかも桜が満開したかのようないい笑顔で。

…私、やっぱりまどかちゃんのこと好きだな…。でも、私は女子だからこの恋は絶対に実らない。失恋で終わる運命なんだ。それでも私は…私は、あなたの事をいつでも好きで居続ける。…思いを告げるつもりはないけど、心の底であなたを思い続けるから。

そう心にきめ、私はまどかちゃんと話し始めるのだった。

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