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耀聖(ようせい)
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声良の書庫
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『あ〜やっといなくなった……』
リヴァレーが消え、静寂に包まれた玉座。ゼフィリアが小さくため息をついたあとぽつりとつぶやいた。
「とりあえず、引き続き魔女と精霊について調べるしか無いか……しばらくは地下資料室にこもることになりそうだな……」
フィニスが項垂れ、ニティア達もため息をついていた。
『これは他の精霊に対して干渉してるわけじゃ無いし、調べればわかる事だから。私の独り言ね』
そんなフィニス達を見かねてか、ゼフィリアがゆっくりと口を開く。
『”私たちと同じ”精霊は風、水、火、土、雷の5体。居場所の詳細なんて知る由もないし、知っていても教えられないけど……大体はゆかりのある場所にいる事が多いわよ。リヴァレーは綺麗な水場に。私はさわやかな風が吹く森の中……みたいにね』
それを聞いたカエデ。ゼフィリアの会話が途切れたことを確認すると、手を小さくあげて視線を集めた後にゆっくりと話し始めた。
「魔女狩りで迫害されてきた、私たちの一族がいる島国……アマテラス国。アマテラスは、”火”を信仰の対象とする者が多く、私たち一族も炎の魔法を得意としてきました。もしかしたら……火の精霊の事が分かるかもしれません。仮に……そうじゃ無くとも、紅の魔女が初めて出没した国でもありますので、魔女についても何か分かるもしれません」
小さく笑うゼフィリア。その表情に誰も気づくはずもなく、ティアシャが話を続ける。
「ふむ……とは言え、じぃじの代でお主らの件もあり……国交は断交しておるからの……」
「なんか先々代がすごい文章を送り返して以降、全く交流をしなくなったって言ってたっスよね?なんなら船が行こうものなら海上で落とされる勢いだって聞いたことあるっスよ」
「なによそれ……それじゃ行けないじゃないの……」
「う〜む……」
全員が頭を抱える中、ゼフィリアがわざとらしく大きなため息をついた。
『あ〜確かここから西に行ったところにあるグラダ砂漠。あそこが最近すごい勢いで砂漠化してるって言ってたよな〜……』
「?!」
全員がゼフィリアに視線を送る。
『何よ。私の独り言よ。それに独り言はこれで終わり!私もそろそろ戻るからね!!』
「ゼフィリア!」
戻ろうとするゼフィリアを呼び止めるフィニス。フィニスに声をかけられてゼフィリアはビクッと大きく肩を動かす。
『なに?』
「……ありがとな」
フィニスの笑顔のお礼に顔を真っ赤にするゼフィリア。パタパタとフィニスの目の前まで飛ぶと……
『私の森に来た時は、絶対にデートに付き合ってもらうからね!』
そう言いながらフィニスの額にキスをし、光と共に消えるゼフィリア。
キスされた額をさすりながら、鋭い視線を感じたフィニス。
「あんのクソチビ!!」
ニティアが握り拳に力を入れ、フィニスを睨みつけていた。
⸻
「それでは、フィニス様達がグラダ砂漠へ調査に向かっている間、資料室でこちらも魔女や精霊について調査を進めておきますね」
「そんなことまで……いいのか?」
ルシオが話をまとめてくれたカエデに尋ねる。
「ええ……皆様になら問題はありませんが、こちらとしましても、他国の人に見せたくないようなアクリムの資料もあるかもしれませんからね。もちろん、入り用とあらば、私かスズ同行で入って頂いても構いませんからね」
「まぁ、長い歴史の中で知られたくない過去のひとつやふたつ出てきてもおかしくないからな……助かるよ」
「うぬ。また、アマテラスについてもなんとかならないか、交流を図ってみることにするぞ」
「密航するなら自分らの仲間にしか解読できない暗号文つくるっスよ!」
「それは最終手段じゃ!」
「何から何まですみません……」
「強いては白髪の魔女を倒し、我が国の平和のためでもあるからの。出来ることは協力するぞ」
それぞれ視線を合わせるフィニス達。フィニスが再び玉座に座るティアシャに向き直すと、膝をつき深々お辞儀をした。
「やめろ気持ち悪い!ひとまず今日もここで休んでいくといい」
膝をついたフィニスが笑いながらゆっくりと立ち上がる。
「ありがとな!」
フィニスの言葉を聞き、ふっと笑うティアシャであった。
コメント
1件
おおっ、第70話読了!ゼフィリアの「独り言」って言いながらバッチリ情報くれるの、ツンデレ過ぎて笑ったわw あとフィニスへのキスからのニティアの「あんのクソチビ!!」には声出た。デートを迫って消える精霊とかずるいな〜。グラダ砂漠編が始まりそうで続きが気になる!