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第1話 任命式
防衛隊本部、地下第一区。
浅霧は壇上の上で背筋を伸ばす
無数の視線を受けながらも、
その瞳は鋭く、まっすぐ。
「本日をもって新たに5名を第二部隊に配属する」
その声に一瞬だけ空気が引き締まる
「宵崎 光 。」
「はい。」
「任務は殲滅。情けを捨てろ。」
朝霧の目が一瞬だけ宵崎を射抜いた。
形式的なはずなのに、そこにはわずかな温度があった。
壇の下で丹羽がからかうように
「隊長、目ぇ甘なってんで。笑」
「うるさい。」
浅霧は小声で返し、視線を逸らす。
任命式は滞りなく終わった。
拍手が鳴り、隊員達は散っていく。
けれど宵崎が退出しようとしたその時。
照明の端、影の中で、なにかの瞳が光った。
誰も気が付かない。
ただ宵崎だけが背筋に冷たいものを感じて振り返る。
(今年もまた面白そうな子が来たねぇ…)
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