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- ̗̀⚠︎ ̖́-
少し息抜きに書きました
inmの体調不良、いじめ注意
hsrb?歳 鑑定士 inm 15歳 中学三年生
家族パロ
inm視点
俺が中学1年生の時に星導という人に拾われた。
俺は醜い見た目をしているし匂いだって酷かったのに見捨てずに優しく話しかけてくれた。
そんな星導だけど俺と血などは全く繋がっていない。
血が繋がっている家族であっても俺は嫌われたから星導にも嫌われてしまうかもしれないとずっと肩の力を抜けずにいた。
いじめがバレるまで。
それは俺が中学3年生の夏休み中。
いじめっ子が家まで押し寄せてきて髪を掴まれていつも通り殴られたり蹴られたり。
もう一度髪を掴み直したと思ったら今度は家の扉に向かって髪を思いっきり引っ張られ投げられた。
急に受け身など取れるはずもなく強く頭を打ち付けてしまい少し視界がぼやけて戻ったと思ったら頭から何か赤い液体が垂れてきていた。
なんだろうかと考えていると焦ったように走って逃げていくいじめっ子達。
とりあえず立たなきゃ…、そう思い立ち上がる。
1歩、また1歩と前に踏み出すがそれ以上動けない。
頭がふわふわして考えることすらままならない。
1拍どころか3拍ほど遅れてズキズキと激しい痛みに襲われる。
さすがに立っていられなくなりしゃがみこんで音がした気がすると扉の方を見れば焦ったように家から出てくる星導が居た。
「ライ、?!」
「……星導。」
「ライ、俺の手握ってて。
絶対寝ないで。なんでもいいから喋ってて。
独り言でもいいから。」
「ほしるべ……。ぃたい。」
「痛いね……。今救急車呼ぶから。」
「そ、んなけがじゃ……。」
「そんな怪我なの。ちょっとまってて。」
そう言って誰かと電話を始めた。
頭が回らないので電話をしているのだろうということしか分からない。
そうだ、さっき救急車と言っていた気がする。
そこまで思い出してから星導の声に耳を傾けるが日本語に聞こえない。
何を喋っているかもう7割も分からない。
星導。
怖い。痛い。苦しい。たすけて……。
「……ほ、しるべ…たすけて…………。」
「大丈夫、絶対助かるから。
ライ次目が覚めたら俺と一緒にお出かけしましょう。」
「…ぅ、ん。」
「ライのお洋服、新調しましょう。
ライはどんなお洋服が着たいですか?」
「……ほ、しるべ…の。」
「俺の服ですか?そうですね……。
じゃあ俺のお気に入りのお店に二人で行きましょう。
それで、……それで、」
「俺と一緒にご飯、食べましょう。
最近鑑定士の仕事が忙しくて一緒に食べれてませんでしたよね。
俺、来月の初めあたりに土日月の3日間休み取ったんです。」
「一緒に、旅館に行きませんか。
昔ライと一緒に行った旅館。
ライとまた行きたくて。」
「……りょ、かん。」
「そう、旅館。」
「その旅館の近くに水族館とか、動物園とかあるんです。
ライ、俺が初めてライのこと迎えに行った時行ったことないって言ってましたよね。
一緒に行きましょう。ライと一緒なら絶対楽しいです。」
「……すいぞくかん、どーぶつえん…。」
「ライ、救急車着いたからもう平気だよ。
俺はずっとそばにいるからね。」
星導が最後に言っていたそばにいる。という言葉だけすごく鮮明に聞こえた気がした。
hsrb視点
玄関から大きな音がした時、俺は夜ご飯を作っていたから包丁をまな板の上に置いて手をエプロンで拭き、玄関に向かって走る。
その玄関の扉を開けた先にはそこにはしゃがみこんでいるライが居て。
それだけなら何か言われたのかと、何をされたのだと、まずは家に入ろうと言うだけで済んだはずなのに……。
ライの頭からは血が流れていて。
ライが意識を保てるようにとずっと声をかけていたけれど自分が焦っていて少しも冷静じゃないことに救急車に乗り込んでから気づいた。
当たり前といえば当たり前なのかもしれない。
愛情を注いで、ライからしたらまだ出会って2年ちょっとかもしれないけどそれでも大切な存在なのに変わり無かったライが、死んでしまいそうで怖かった。
今度は助けられないのかもしれないと怖くなった。
今は病室。
病院についてすぐ手術が始まった。
頭の怪我は何十針も縫うような怪我で俺が電話するのが後数分でも遅れていたら助からなかったかもしれないとも言われた。
点滴をされながら眠るライをベッドの近くにある椅子に座り眺める。
もっと早く気づいてあげられたら。
そう思うことは沢山あった。
ライは頼るのが苦手な子だったのに。
いじめにも気づけなかった。
これでライが目を覚まさなかったらそれは俺のせいでもある。
なんて思う夜をいくつ重ねただろうか。
もう時間感覚が狂ってしまっていてライが大怪我をして何日か分からない。
7日目までは数えていたけど数えれば数えるだけもう目を覚まさないのでは無いかと言った思考が頭を流れることが増える為辞めた。
ライが目を覚ますまで俺はライの隣にいると決めているから。
ライを信じてあげられるのは俺だけなのにここでもうダメかも、なんて思うのはライのことを信じていないのと同義だ。
さすがにトイレや食事のタイミングだけ席を外しているができる限り早く終わらせてライが眠っている病室に戻ってくるようにしている。
「ライ、起きて……。」
そう言いながらライの手に縋るように強くライの手を握ると握り返された。
ライの手がほんの少しだけ動いた気がした。
まさかと、逸る気持ちのまま顔を上げればそこには目を開いたライがいた。
「……ほ、しるべ、?」
「ライ、ライが起きてよかった……」
「ここ……びょーいん?」
「そうだよ。ちょっと待って。
ナースコール押すから。」
そう伝えて押せば直ぐに看護師さんが駆けつけてくれた。
「これでもう検査は終わりです。
今日から3日ほど入院して、平気そうでしたらお家に帰れると思います!」
「ありがとうございます。」
そう深々と頭を下げ、看護師さんが見えなくなるまでずっと下げていたらライに控えめに服の袖を引っ張られた。
「ライ、どうかしました?」
「ほしるべ……ごめんなさい、。
迷惑…。」
「迷惑なんかじゃない!
ライが無事なら、俺はそれで良いんだよ…。」
「……ライが無事でよかった。」
「星導…、怖かった……。」
「怖かったね、きっと俺には想像できないぐらい痛かったよね。
直ぐに気づけなくてごめんね。」
「なんで星導が謝るの……?
たすけてって言えなかった俺が悪いじゃん、」
「ううん、ライのせいじゃない。
それに、ライは助けてって俺に言ってくれたよ。」
「ライのこと傷つけた人達が悪い。
……ライ、中学校変える?」
「とりあえず今知り合いに連絡して証拠を探してもらってるところなんです。
証拠が揃ったら俺が校長先生に話通しに行くから。
それまで学校はお休みしましょうか。」
「…でも、内申点……。」
「大丈夫です、もう証拠はほとんど集まってます。
あと少し証拠が集まったらすぐに乗り込みに行きます。」
「……ねぇ、星導。」
「どうかしました?」
「…俺、ほしるべとお出かけしたい……。」
「もちろん、どこに行きたいですか?」
「水族館、とか行きたい……」
「じゃあライが退院したらすぐ行きましょう。
楽しみですね」
「ぅん。」
「ずっとそばに居ますから、眠いなら寝てもいいですよ。」
そう伝えたらライは微笑みながら眠りについた。
これからこの子が傷つくことがありませんようにと手を優しく撫でながら窓の外を眺める。
窓の外はライの目の色のような明るい色をしていた。
コメント
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本当に主様の書くタコニック好きすぎます🤦🏻♀️💕💕こういうお互いがお互いを思ってる感じのが本当に、、🫶🫶🫶