私は何処ででも嫌われていた。
家でも、私は皆さんより劣っている…。
武力も知能も何も持たない私には誰からにも必要とされてなかった。
ゆっくりと身体を起こした
「また……」
と、もう言い飽きた言葉を言う。
もう支度は出来た。後は学校….に行くだけだ。
ガラッと教室の扉を開けると
「おはよ~!菊!」
と言う私の名前を呼ぶ元気な声が聞こえた。
クラスの全員が此方を見ている。
虐められている同士仲良くしてたのだろうと鼻で笑う人もいた。
「おはようございます…..」
と頭を下げる。
フェリシアーノの瞳はやはり光に輝いていた。
希望に満ちた目….。目が潰れてしまいそう。
そして、挨拶を交わした途端予鈴がなる。
一旦個々で話を終わらせた______
昼休み….一人で外に出ていた。
フェリシアーノには誘われたが「私が居たら不幸になる」という理由で断った。
いつも死ねないかずっと空を見上げている。
「死にたい」
それが今の菊に思っている事。
菊が空を見上げている時、横から冷たい物が降りそそぐ
_____雨だった。
だけど、気にしない。
無防備のまま放心状態で居たかったから。
ずっと空を見上げている。曇りががった空をずっと…..。
すると突然上から誰かのブレザーを被さった。
「…..?」
目線を戻すと生徒会長が目の前に居た。
「風邪引くだろ」
「取り敢えず、中に入れ」
そう言われ私は立ち上がる
しかし、ずっと足を虐め原因で殴られていたせいかフラつく。
「おっと….」
そう言いながら菊を抱いていた。
「はぁ….中入るぞ」
「……はい」
生徒会長….アーサーのブレザーを被りながらも中へと向かった。
バタンッと生徒会室の扉が閉まる。
「ほら」
そっと彼が持って来てくれたのは温かい紅茶だった。
「良いんですか…..?」
「あぁ、本田菊….お前には借りがあるからな」
「借り….?」
「まぁ、そんなことは良いからさっさと飲め」
「あ、分かりました….」
彼にそう言われ、手に紅茶の取っ手を持ち
静かに飲んだ______
(…….美味しい….)
今まで飲んだこと無かった味。
温かくて優しい味がした…。
少し頬が上がっているのに気付いたのだろう
「….また来たい時来いよ」
「来たい時….ですか?」
「あぁ、その度に紅茶….出してやる」
「……」
彼、アーサーは良く分からない人物だが、きっといい人だと菊は思っている。
だから、こう答えた。
「…..分かりました、また….来たい時来ますね」
「あぁ」
やはり、アーサーの瞳も綺麗な緑色に輝いていた。
まるで、宝石みたいだった。
少し照れていたけどまたその瞳も綺麗な色だ。
しばらくして
「私はこれで失礼しますね」
「また来いよ」
「えぇ、分かりました….」
話を終えて扉を閉める____
物凄く温かい気分だ。
その日菊は家へと颯爽に帰って行った。
ガチャ….と玄関の扉を開ける。
誰も居ない….
少しだけ….少しだけでも…弱音を吐きたい。
その為に自室へと向かう。
自室に来た途端、日記を取り出した。
その内容を振り返るだけで吐き気が止まらない。
私は今日もまた、その日記を書く。
れっきとした愚痴、言い掛かりを____
私にも何でこんなことされなきゃならないのか…検討もつかない
ただ生きたかった。楽しく暮らしたかった…それだけの願いも…
生きた中で誰も叶えてはくれませんでした。
先生にも「期待していますね」と言われました。
もう、期待なんかしないでください。
期待しても私に出来ることは貴方を絶望させる…それだけです。
誰も彼も私を見ないで。
独りで生きたい…独りで死にたい…。
それだけです。
今日も偽りを持って頑張りました。
「はは….」
薄笑いをして、日記をしまった。
何もかもどうでも良いやと思いながらもベッドへと横になる。
「今日も上手く死ねなかったです」と独り言を呟き浅い眠りへとついた
「お兄様」
と大人しそうな二人の声が家に響く。
「…..どうしました?」
「….菊お兄様は今日も泣いていました」
「多分….本人は気付いてないでしょう….」
「そうね….」
「……桜、梅」
「はい、何でしょう?」
「しばらくの間、菊と一緒に居てやってください」
「私は仕事の用事とかであまり家に居られないので」
申し訳なさそうに言った。
「分かりました」
「それでは、宜しく頼みます…」
コメント
4件
おおお!!!!!本田家きたぁ!!!菊ちゃんがもう、、、なんて言うか、鬱?病んでる?のが可哀想だけどたまらなく好き💞
新連載キタ━(゚∀゚)━! えぇもぅ表現の仕方とか文とか全部好きです😭😭😭 絶対国語とか文系の成績いいよね😭😭😭😭✨✨✨