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都合の良い神様

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都合の良い神様

1 - 都合の良い神様

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2024年11月30日

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私は知っている、 神様は存在することを。

私は知っている、全て神様の思い通りであることを。


私は知っている、神様が私を笑い者にしていることを。







雨が降り、じめじめとしたその日。


遅刻しそうで必死に走っていたら、深い水溜まりを踏んだ。

クラスメイトに下を見ながら笑われた。


テスト中に消しゴムを落とした。

チャイムが鳴るまで拾えず気づかれず伝えれず、平均以下の点数だった。


弁当にトマトが入っていた。

いつものように我慢した。


放送で職員室へ呼び出された。

周りの視線が怖かった。


ボーっとしていた。

車に轢かれるところだったらしい。


玄関の段差で躓き倒れた。

倒れる音だけが響いた。

寒かった。


誰かに首を斬られる夢を見た。

首があるか確かめ、繋がっていることに後悔した。



不運。

運。

全て神様のせい。

神様が私を笑いものにする日がある。

人間を、いや、私を下に見ている。



『進路は決まっていますか。』

私の将来。

「専門学校に行きたいです。」

嘘。

『志望校は決まっていますか。』

こういう時の為に、

「〇〇か△△で迷っています。」

一応調べた。


真面目。

こういう嘘をつくのだけは。



社会不適合者は働くことができない。

故に私は働けない。


「趣味を仕事に…?」

特技がなかった。

得意なことがなかった。

消去法で私に採用されたのは、絵だった。


頑張れなかった。

努力の仕方が分からなかった。

ペンが持てなかった。

ずっと天井を眺めていた。

そんな私を、ぬいぐるみが見つめてくる。



神様は存在する。

神様が私をこうした。

神様が私を不運にする。

神様が全て悪い。

神様の責任である。

「私は何も悪くない。」






その日は快晴だった。


心地よい風が背中を押してくれた。

少し早く学校に着いた。

まだ教室には誰もいなかった。


得意な国語のテストだった。

好きな先生の姿を眺めた。


お米に鮭が乗っていた。

誰よりも早く弁当を食べ終えた。


廊下で先生が話しかけに来てくださった。

国語のやる気が増した。


困っているお年寄りを見かけた。

談笑しながら一緒に帰った。


「ただいま。」

『おかえり。』


気がついたら朝だった。

深い9時間睡眠。



私の神様が守ってくれた。

全て私だけの神様のおかげ。

全ての神様から守ってくれる日がある。


絵なんて描かない。

未来なんかどうだっていい。

私だけの神様がいたらそれでいいの。



私だけの神様は存在する。

私だけの神様は私のことだけ見てくれる。

私だけの神様が私を幸せにする。

私だけの神様が私の全て。

私だけの神様のおかげである。

「私は何も悪くない。」







私だけの神様が目の前にいらっしゃる。


話しかけてくださっている。


ひれ伏しては全てを吐く。


吐き終え見上げるとお姿は無く、この世界に私一人。


また謁見すべく目を閉じる。


ここが私たちだけの世界。


ずっとここに居たい。


ずっと、永遠に。


現実なんていらないから。


その為に、また目を開いた。


曲がった世界で、私たちだけの世界に繋がる扉をつくった。


頭からくぐる。


私だけの神様。


どれだけ時が経とうと永遠に。


ああ本当に、

都合の良い脳で良かった。

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