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太宰→「」

中也→『』


「私と…」

「別れてください!」

そう言って、頭を地面にめり込む勢いで正座したまま頭を下げる。

私の最近のルーティーンは恋人に別れを告げること、かれこれ今日で40回目、…コトの発端は私が好奇心と中也への嫌がらせで嘘告白をしたことである。正直、あのときの私は莫迦だったとしか言いようがない。だってたかが中也が嫌がる顔が見たいからって後先のことを考えずに告白してしまったのだから

まあ、中也が悪いとも思う。だっていっつも糞だとかなんだとか言われてたら私のこと嫌いなのかと思っちゃうじゃないか!中也が私のことを好きだなんて少しも考えたことない、だって嫌いなんだろうなって思っていたから

ん…?あぁ、私は勿論中也のことが嫌いだよ、大嫌いだよ。だから毎日毎日別れてもらうよう頼んでるんじゃないか、…まあ、なかなか別れてくれないんだけどねぇ!

でも今日こそは何か別れてもらえる気がするのだよいや、気じゃない、確実に別れられる!

『無理だな』

「即答ッッ!!も、もうちょっと考えてくれてもいいのだよ?」

『考える必要なんてねぇよ。無理なもんは無理だ』

「…」

え?誰??今日こそは別れられるとか言ったやつ、今すぐ顔面殴りたいんだけど??…あ、私か。……私の綺麗な顔面を殴るのは流石にできないかなぁ☆、…いや!☆、じゃなくて!

「本当にいいの?本当に私と別れないでいいの?ファイナルアンサー??」

『ファイナルアンサー』

「ッ………本気で別れてくださいお願いします。」

『ん〜?む〜り♡』

…うん、いや、うん。まあ?まあまあ、まだチャンスはある、明日があるよ私!明日こそ!明日こそは別れてやろうじゃないか!!


次の日ーーー

今まで何度も何度も、中也に別れ話をしては失敗してを繰り返して私は思った。ただ、別れ話をしているだけじゃ駄目だと…

つまりはそう!別れ話をして駄目なら相手に嫌われるようなことをすればいいのだと

そんなわけで今日は中也に嫌われようと思う。勿論、どうやって嫌われるかもちゃんと考えてある、…え?どうするのか知りたいって??…まあまあ、そう焦らなくてもすぐわかるよ

「おはよう中也」

話すのを忘れていたけど私と中也は一緒に住んでいる中也と、付き合った、日に今日からここに住むと言われ半ば無理矢理住まわされている。とはいっても快適だから文句はない、まあ、それは相手が中也じゃなければの話だけど

『あぁ、はよ。…手前、今日は随分と上機嫌だないつもの嫌悪顔はどうした?』

「たまには、中也にも笑顔を見せないとと思ってねぇ〜…、ところでさ、、中也、質問があるのだけど…」

『?、なんだ?』

「中也の嫌いなタイプって何?」

私の作戦はこう!、まずは中也の嫌いなタイプを知ること、次にその中也の嫌いなタイプになるべく近づいて中也の好感度を一気に下げていくこと。時間がかかるかもしれないけど…まあ、それは承知の上。すぐさま萎えてくれたら一番いいのだけど…多少の時間がかかっても中也と別れるためならそんな時間惜しくない。

それにしても、こんな作戦を考える私…控えめに言って天才なのでは??

さあ、中也。君は余計なことは何も考えずにただ正直に嫌いなタイプを教えてくれるだけでいいのだよ。だからほら早く、早く言っちゃったほうが君の身も安全…

『嫌いなタイプな…あ〜…強いて言うなら、距離感近い奴とかだな』

「へぇ〜…なるほどなるほど…」

距離感が近い…、中也にくっついてればいいのかな?考えるだけ無駄なような気がするし、とにかく実行してみるか、、

ギュッ

とりあえず中也の腕に私の腕を絡ませて…みた、けど…

『急にどうした?太宰』

「べ、別に……、ねぇ中也、何か思ったこと…ない?」

『思ったこと…?…嗚呼、可愛いな太宰』

「ち・が・う!!、嫌だなぁ〜とか思わなかった?」

『思ってねぇが?』

「…、は?」

なんで?え、いや…なんで??中也が嫌いだと言っていた距離感が近いかい人になったのに??、…もしかして近さが足りてなかった?もっと距離縮めないと駄目かな…?

ギューーー

どうだ!このくっつき具合!!全身で中也のことを包んでいるのだからこれは距離が近くなっているはず…!今度こそ、!!

「ほらどう?中也、嫌だと思った?別れたいと思った??」

『嫌別に、むしろ籍入れたいと思ったは。結婚しようぜ太宰、一生大切にするからよ 』

「…ちょっと黙って」 

そう言って中也の口を手で防ぐ

結婚したい…結婚したい!?もっと駄目じゃないかこれ本当に中也距離が近い人嫌いなの…?

「…中也、1つ確かめたいのだけど…」

『ふぁんだよ、てふぃうかてふぉふぁなせ(なんだよ、ていうか手を離せ)』

「あ、ごめん…。そんなことより!さっきの嫌いなタイプ、嘘でしょ!!」

『嗚呼…、嘘じゃねぇよ。本当だ、俺はそこまで親しくもないのに距離が近い女が嫌いなんだよ』

「…お、おんな…?」

女って、私がいつも心中に誘っているあの美人な方々…ということは男である私はそもそも嫌いの対象に入っていない??つまりさっき迄頑張って中也にくっついていたのはなんの意味もなかったってこと…?

「ッッ〜、中也の…中也のばかぁ〜!!!」

『はあ!?』

「このあんぽんたん蛞蝓糞脳筋帽子置き場野郎!本当に嫌い!!もう早く別れてッ!」

『だから別れるのは無理だって言ってんだろうが…、どうせさっき俺にくっついてきたのも俺の嫌いなタイプになって手前のことを嫌いにさせようっていうことだろ?』

「そうだよ!そのとおりだよ!!早く僕を嫌いになってよ莫迦中也ッ!」

『なら嫌いにさせてみろよ、絶てぇならねぇし、絶対別れないからな。そもそも手前が今そんなことになったのも手前が俺に嘘告をしたことから始まったんだからな、ハッ、自業自得だな』

「うるさい!、だいたいなんで君は私のことが好きなのさ!いっつも糞だとか言ってるくせに、いつから?いつから私のことが好きなの?」

『さあな、いつか教えてやるよ』

「あっそ、なんでもいいけど。私と別れるってことちゃんと考えておいてよね!」

『おー、まあ気が向いたらなー』 

うぅ、今日は散々な目にあった!中也に騙されてくっついちゃったし!しかもそれは本気で全く意味がないし!!結局別れられなかったし!!!

明日こそは、別れてやる!

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