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高専の会議室に通された山本と七海。そこには、重々しい空気をまとった三人の上層部メンバーが座っていた。真ん中の男がゴホンと咳払いをし、静かに口を開く。
「七海、山本。…まず、報告を聞こう。」
七海が淡々と答える。
「廃ビルに宿儺の指の呪いが確認されました。特級相当の呪霊が潜伏している可能性が高く、今後の対応には慎重を要します。」
上層部の一人、白髪の老人が難しい顔で頷く。
「ふむ…では、回収は不可能と判断したのか?」
山本が思わず口を挟む。
「いやいや、無理ですよ!あんなの見たら普通帰りますって!」
「黙れ。」
「ご、ごめんなさい!」
もう一人の太った男性が冷たく言い放つ。
「七海、なぜ即時回収を行わなかった?」
七海は腕時計を見ながら、少しため息をついた。
「効率が悪いと判断しました。」
「……効率?」
七海は山本をチラッと見てから、淡々と続ける。
「無謀な行動を取れば、“彼” が即座に発狂する可能性があり、戦況が悪化する危険がありました。」
「おい!俺の能力そんなに危険ですか!?」
「いや、君が危険だ。」
「ひどい!!」
上層部の老人が渋い顔をしながら腕を組む。
「ふむ…発狂のコントロールはまだ不完全ということか。ならば、回収は五条悟に任せるべきかもしれんな。」
山本はパッと顔を明るくする。
「いやもう!最初から五条さんに任せたらよくないですか!?」
「黙れ。」
「……ごめんなさい!!」
しばらく会議が進むも、上層部の無茶な要求に山本の耐久力は限界に近づいていた。
「君の存在意義は何か?」
「え、いや…その、精神的なサポートとか…?」
「黙れ。」
「もうやだぁ!!」
七海が静かにフォローを入れる。
「彼の存在は意外な場面で役立つ可能性があります。例えば、呪霊の動揺を誘うなど。」
「おい、俺の扱いがマスコットキャラじゃないですか!?」
「認めたくないが、事実だ。」
結局、宿儺の指の回収は五条悟を中心に行うことが決定される。しかし、山本と七海も現場サポートとして同行を命じられた。
山本はガックリと肩を落とす。
「はぁ…五条さんいるなら、俺いらなくないですか…?」
上層部の一人が冷たく答える。
「君は…万が一のための”囮”だ。」
「お、囮!?俺、囮枠!?」
七海が腕時計を見ながら一言。
「合理的な判断だ。」
「ひどすぎる!!」
会議室を出た山本は、どっと疲れた様子で壁に寄りかかる。
「もう…あの人たち、ずっとあんな感じなんですか…?」
七海は淡々と答える。
「上層部の会議に出るたびに、私は少しずつ寿命が縮まっている気がします。」
「同じくです…」
そこに五条悟がヒョコッと現れる。
「よっ!会議終わった?どうだった?」
山本が涙目で答える。
「地獄でした…!」
五条はニヤリと笑い、サングラスを直す。
「じゃ、次の地獄へレッツゴー♪」
「やめてぇぇぇ!!!」