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山本麹、七海建人、そして五条悟が作戦会議室に集まっていた。
五条は机に足を乗せ、楽しそうに喋る。
「さて、今回のミッションは~!宿儺の指を回収しつつ、なるべく山本くんを発狂させずに済ませること!」
山本が涙目で手を挙げる。
「先生、そもそも僕、囮扱いされてるんですけど!?」
「そうだね!囮だね!」
「軽っ!」
七海が冷静に言葉を挟む。
「五条先生、冗談はさておき、実際のところどうするおつもりですか?」
五条はニヤリと笑い、週刊誌の一冊をバンッとテーブルに置く。
「そこで登場するのが…この『月刊!呪術マニア』』 だ!」
山本は雑誌を手に取り、眉をひそめる。
「え、呪術専門のゴシップ誌…?」
五条が満面の笑みで頷く。
「そう!今月号の特集は “特級呪霊スクープ! 宿儺の指が見つかった?” だ!」
七海がため息をつく。
「…それがどう役立つんです?」
五条はサングラスをクイッと上げながら説明を続ける。
「呪霊ってね、ミーハーなんだよ。雑誌を読むことで、『あ、自分のこと載ってるじゃん!』って得意げになっちゃうわけ。」
山本が呆れた顔でツッコむ。
「そんなバカな話あります!?呪霊が週刊誌読むとか!」
「いや、意外と読むんだよね~。」
七海は腕を組み、真剣に考え込む。
「…要するに、その週刊誌を餌にして、宿儺の指を持つ呪霊をおびき寄せると?」
五条が親指を立てる。
「正解!呪霊たちは目立ちたがり屋が多いから、うまくいけば、わざわざこちらに出てくるかもしれない。」
山本は目を輝かせる。
「おお…!それなら、僕の出番なくなるんじゃ…?」
五条がニッコリ微笑む。
「……ううん、君が囮だよ!」
「結局僕ーーー!?」
夜、宿儺の指が潜伏していると思われる廃ビル前。
山本は妙に派手な衣装を着せられ、呪術マニアの最新号を手に持っていた。
「何で僕だけこんな格好してるんですか!?」
七海はいつも通りスーツ姿で無表情。
「先生のプランに従ってください。」
五条は建物の陰に隠れながら楽しそうにカメラを構える。
「さぁ、いけ山本!呪霊が見てるぞ!」
「なんでカメラ持ってるんですか!?」
山本が半泣きになりながら、ビルの前で雑誌を広げて呟く。
「すごいなぁ…今月のスクープ…宿儺の指がこのビルにあるなんて…」
突如、廃ビルの奥から禍々しい気配が漂い始める。
「ぐふふふ…その情報はどこで手に入れた…?」
「ひっ!?」
闇の中から現れたのは、ゴシップ好きそうな特級呪霊。「週刊誌好きそうな呪霊ランキング1位」と言われるほどの俗物。
山本は震えながら雑誌を差し出す。
「これ…すごく興味深いですよね…?」
呪霊はニヤリと笑い、雑誌を手に取る。
「ふむ…私の名前は載っていないのか…?なぜだ!?」
五条が影からそっと呟く。
「よし、今だ!七海、頼んだ!」
七海がスッと現れ、一撃で呪霊の腕を破壊する。
「二級呪霊が。軽率な行動だ。」
「ぎゃあああああ!!」
山本は叫びながら後ろへ転がる。
「怖い怖い怖い!!」
五条が爽やかに登場し、指を回収して微笑む。
「はい、任務完了!山本くん、お疲れ!」
山本が膝をつきながらゼエゼエ息を切らす。
「はぁ…はぁ…もうこんな作戦二度とやりませんからね…!」
七海が時計を見ながら言う。
「23分。予定通りだな。」
五条は満足げに頷く。
「さて、山本くん、次の囮作戦は『呪霊の婚活パーティ』だからね!」
「絶対やりません!!」