テラーノベル
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【見学】
グラウンドでは、クラスメイトたちが大声を上げてサッカーの授業に熱中している。💛「いやー、マジヤバいだろ。あの炎天下で走るとか無理」
💛は伸ばした左足をさすりながら、のんきにグラウンドを眺めている。
いつもなら「それな」と笑って返せるはずだった。
でも、🩵のには、飛び交うホイッスルの音も、💛の話し声も、ガンガンと頭の奥に響く頭痛の原因でしかない。
🩵「……うん、そうだね」
短く返して、こっそりこめかみを指で押さえる。
💛に余計な心配をかけたくなくて、なるべく普通を装うけれど、視界がチカチカしてきて、だんだん生返事になっていく。
💛「なぁ、次の現国の宿題って……って、おい、聞いてる? 顔色真っ白だけど大丈夫か?」
いつも通りの元気な声だった💛の声が、少し低くなり、鋭くこちらを覗き込んできた。
ここで嘘をついても、きっとすぐバレる。🩵は深く息を吐き、こめかみを押さえたまま正直に打ち明けた。
🩵「……ごめん……さっきから、割れそうなぐらい頭痛くて…」
💛「え、マジで? だからずっと大人しかったのか」
💛は驚いた顔をして、すぐにグラウンドの先生の方を振り返る。
🩵「 自分で先生に言ってくる…」
💛「バカ、そんなフラフラな足取りで行ったら途中で倒れるだろ。先生ー!!」
🩵「…イッ…」
💛の声が響きさらに痛くなってきた。
💛「ごめん、響いたか」
💛はベンチに座り直すと、グラウンドに向かって思いっきり手を振り、大声で先生を呼んでくれた。
事情を話すと、先生はすぐに保健室へ行くように言ってくれた。
💛「よし、俺が肩貸して……って、俺の足じゃ無理か 」
💛は苦笑いしながら、心配そうに🩵の顔を見上げる。
💛「一人で歩ける? 途中でヤバくなったら、壁に寄りかかってでも休めよ。俺、ここで祈ってるから」
🩵「ありがと、行ってくる」🩵は小さく手を振り、少し重い足取りで保健室へと向かい始めた。
【保健室】
グラウンドから校舎までは、いつもなら数十秒の距離。
なのに、今の🩵にとっては気が遠くなるほど遠く感じられる。
脳みそを直接殴られたようなズキズキとした痛みが走る。
太陽の光が、容泄なく目に刺さってきた。🩵(まぶしい……、音がうるさい……)
クラスメイトの歓声、そして光すべてが頭の中で大きなノイズになって暴れている。
手すりや壁にしがみつくようにして、なんとか校舎に入り、薄暗い廊下を歩いた。
光が遮られただけで、ほんの少しだけ呼吸が楽になった。
やっとの思いでたどり着いた保健室のドアをガラガラと開けると、奥のベッドへ倒れ込むようにして横たわった。
【後日談】
💛「でさー、その時のおかんの顔がマジで般若みたいでさ!〜」
💛の捻挫はだいぶ良くなっているものの、まだ激しい運動はまだダメらしい。
そして🩵は、あの日の猛烈な頭痛からは回復したものの、今日は朝から頭の奥が重い。
「またあの痛みが来るかも」という、嫌な余韻が残っている状態だった。
💛はいつも通り楽しそうに話しているけれど、その大きな声が響くたび、頭の奥がズキッと小さく波打つ。
🩵(ちょっと響くな……)
さらにその時、グラウンドから
「ピーッ!!」と、体育の先生の鋭いホイッスルの音が響き渡った。
突発的な高音に、頭の芯がギリリと締め付けられる。
🩵は思わず、無意識に眉間にシワを寄せて、わずかに頭を抱えるようにして俯いてしまった。
💛「あ、ごめん…。お前、まだ頭に響く感じ残ってんのか。声デカすぎたわ」
🩵の小さな変化を察して、💛が急に声を潜めた。
🩵「ううん、話のせいじゃなくて、ちょっと音が……」
💛「いいって。無理に合わせんな」
💛はそう言って自分の頭をぽりぽりと深くかくと、いつもより二回りくらい小さな声で囁いた。
💛「じゃ、今日のところはもう喋るのやめ。このまま静かに見学しよ」
🩵が「ありがとう」と小さく頷くと、💛はグラウンドに視線を戻し、本当にそれ以上何も喋らなくなった。
たまに「ピーッ!」とホイッスルが響くけれど、隣に静かに寄り添ってくれる💛の気配があるだけで、頭のピリピリが少し和らぐ気がした。
そのまま体育の授業が終わり、終礼が済んで、放課後のチャイムが鳴る。
クラスメイトたちが部活や遊びに急ぐ中、🩵と💛は少し遅れて教室を出た。
靴箱でローファーに履き替え、一緒に校門を出る。夕方の西日がじりじりとアスファルトを照らしていて、まだ完全に治りきっていない🩵の頭の奥に、少しだけ嫌な熱が宿る。
🩵は眩しそうに、思わず目を細めた。
💛「お、大丈夫か? まだ光、目に刺さる感じ?」隣を歩く💛が、すぐに🩵の表情に気づいて顔を覗き込んできた。
🩵「うーん、ちょっとだけね。でも先週に比べたら全然平気」
💛「そっか。……なぁ、カバン、俺が持とうか? _って、あ、俺も足痛いんだったわ」本気で手を伸ばしかけてから、💛はハッとして自分の左足首を見て苦笑いした。
🩵「あはは、ありがと。でも、捻挫してる人に荷物持たせるわけにいかないでしょ」💛「傍から見たら、めちゃくちゃスローモーションな二人組だな、これ」
💛の言葉通り、二人の歩みはいつもよりずっと遅い。
普段ならお喋りしながらあっという間に通り過ぎるはずの、学校の前の坂道。
💛は自分の足の痛みを理由にしているけれど、本当は🩵が足元を響かせないように、ゆっくり歩いてくれているのが伝わってきた。
💛「まぁ、焦って帰る理由もないし、のんびり行こーぜ」
自販機の角を曲がり、住宅街のいつもの帰り道に入る。
西に傾いた太陽が、二人の影を道路に長く、長く伸ばしていく。
遠くで運動部の掛け声が聞こえるけれど、二人の周りだけは静かな時間が流れていた。
まだ頭の奥には少し重い余韻が残っている。
けれど、自分の歩幅に合わせてゆっくりと隣を歩いてくれる💛の不器用な優しさが心地よくて、🩵の心はとても軽かった。
END
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ゆき٩( ᐛ )و
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コメント
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みぅ🤍🥀だよ〜 第5話、読んだよ…💛の不器用な優しさがじんわり沁みた😢 自分の足が痛いのに「声デカすぎた」「カバン持とうか?」って、全部🩵の立場で考えてるの、すごく友達思いだなって思った。 あと、頭痛の描写がリアルで、自分も頭を押さえたくなったよ。 最後の帰り道、二人の影が伸びる風景がすごく綺麗で、静かな余韻が残る話だった🌙 maikaさん、心に響くお話をありがとう。また読みにくるね🤍