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それから数年。


小学四年生になったコノちゃんのお友だちはたくさんいます。


おもしろい子。図工が大すきな子。ゲームがとくいな子。


たくさんのお友だちにかこまれて、コノちゃんは楽しい学校生活をおくっていました。


でも、お友だちには、エイカちゃんがみえないみたい。


コノちゃんは、エイカちゃんにこう聞いてみました。


「エイカちゃんは、みんなに気づかれないけど、さみしくないの?」


エイカちゃんは、くすっとわらいました。


コノちゃんがいるだけでわたしはしあわせだよ!

さみしくないの。それにお勉強もいっしょにできるしね!


コノちゃんが学校にいるとき、エイカちゃんはどこにいると思う?


エイカちゃんはね、ずっとコノちゃんの後ろにいるのです。


コノちゃんがお友だちと話していても。


お勉強をしていても。




学校が終わって、コノちゃんは家に帰ってきました。


「おかあさんは、まだ帰ってきてないね。帰ってくるまで遊んでよう!エイカちゃんはなにがしたい?」


コノちゃんは、毎日エイカちゃんと遊びました。


でも、おかあさんの前でエイカちゃんと話していると、おかあさんはとってもコノちゃんのことをしんぱいします。


どうしてだろうね。


「わかんない。エイカちゃんがおばけだからかな?」


そっか……おかあさんから見たらなにもないのに、コノちゃんが話してるんだもんね。コノちゃんが一人でっ、あははっ。


「ちょっと、ふふっ、わらわないでよー!あははははっ!」


ガチャ。カン!


二人でわらっていると、カギが開く音が聞こえました。


「ただいまー。コノちゃん、お友だちが来てるの?」


「き、来てないよ!」


コノちゃんはとっさにウソをついてしまいました。


「もしかして……またエイカちゃんと話してたの?!もうエイカちゃんはいないのよ!もうやめて!そんなことして!本当に学校にお友だちなんているの?!学校にはエイカちゃんしかいないわけじゃないでしょ?」


コノちゃんに、おかあさんの言葉は重くつきささりました。


エイカちゃんはもういない?


そんなわけない。


だって、今も後ろにいるしね。


たしかに、こわいかもしれない


でも、くるしい。


理解されないって、くるしい。


コノちゃんは、なみだがあふれてしまいます。


コノちゃん!もう行こう!


エイカちゃんは、コノちゃんの手をとりました。


おばけでも、物をさわることはできるのです。


コノちゃんとエイカちゃんは、自分のへやに入りました。


エイカちゃんは、とってもおこっています。


おばけでもいいじゃん!!コノちゃんのこと大すきだもん!

ねぇ、コノちゃん!


「……でも、おかあさんのいってることが正しいのかも、おかしいもん」


コノちゃん?


「エイカちゃん、じょうぶつできないの?」


え?


「できないなら手伝うよ」


いや!わたし、ぜったいコノちゃんからはなれないから!


エイカちゃんはコノちゃんのことが大すき。


はなれようとしても、はなれれないのです。




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