悲い蝶
ある所に、
ただ光っているポツンとした寂しい蝶が
ゆっくりと飛んでいた。
蝶はずっと伸び悩んでいた。
ずっと、ずっとひとりで歩んできた。
この、羽で。
他の蝶は、みんな賢く、{優秀}だった。
ただ、この蝶、この蝶だけ違った。
なんで、なんで自分ばっかりと、
いつも伸び悩むばかりだった。
そんな蝶は、
悲しみを覚えた。
辛い、孤独。
皆からは嫌がれ、 避けられ、
馬鹿にされる。
そんな蝶は
我慢をするようになっていった。
次第に我慢するのが増えていき、
無理をするように、
そんな日々が続くのは、耐えれない。
何度も、耐えに耐え、そんな自分が
ちっぽけに見えた。
次第に身体は紅くなり始める。
この蝶だけ、光っているため、
仲間からも、 感情が分かる 。
もっと馬鹿にされて、不快感を抱き続け、
次第に身体の紅は日が変わるたびに酷く。
そして蝶は、
怒りを爆発させた。
仲間から離れ
ひとりで飛んでいき
誰からも見えないところまで
それからの生活は酷かった。
ひとりで食べるものを探したり 、
食べられそうになったり、
散々な日々だった。
少し、色は戻ったが、前の経験があり、
まだストレスは溜まっている。
蝶は少し、考えた。
どうして
自分は怒ってばかりいるのだろうと
蝶は一気に冷めて、身体が冷たく感じる
蝶は、全てどうでもいいように思った。
何も考えず生きれたなら
そう、切に願うのであった。
蝶は、ある光を見た。
それは、白く、美しい光る蝶だった。
それを蝶は、追いかけた。
だが白い蝶は、姿を消した。
蝶は、困惑していると、
いつの間にか自分の色が染まっている事に
気付いた。
それからの生活は、
上手くいく事が段々増えていった。
次第に蝶は気付き始める。
努力は、実るのだと
蝶は、生きる喜びを知った。
色んな経験を積み上げ、
本当の自分を知れた。
悲しい事も、驚いた 時も 、
怒りが爆発しそうな時も、
そして、嬉しい時も、
全部、全部大事な事だと知れた。
やがて、蝶には命日が訪れる。
蝶は白くなり、亡くなる3分前。
蝶は、ある所へ行った。
それは、白い蝶が飛んで行った道。
白い蝶は、その道に飛んだ
蝶はふわふわと、飛んでいき、消える。
そこで見ていた 一匹の蝶が
困惑していると、
自分の色が染まっているのに気付いた。
気付いていないだろう
その日見ていた蝶が
いつか報われる
本当の自分の姿を
見たんだってことを
[終]
作者
Coffee