……僕は逃げてばかりだ
いつもいつも逃げてばかりの八方美人
誰かに好かれたくて、けど面倒臭いのは嫌いで、深い繋がりを求めようとするけれど大半の人からは『都合のいい人間』か『気に食わないやつ』の認識になってしまう
分かってるよ、僕自身が1番自分のこといらない存在だということを
だからいっその事自分の身体にでも傷をつけて精一杯の罪滅ぼしをしたい
けど、出来ないんだ……
その考えからも知らず知らずのうちに言い訳がうまれて逃げてしまうから
..
─そんなことを考えながらベットに伏して何時間がたっただろうか
枕は意味の無い涙で濡れていて気持ち悪い
きっとこのまま寝たら翌朝の髪の毛や顔がとても汚いだろう
それくらい安易に想像できる
だけどもう疲れた、
もう寝てしまおう..、
僕はこの辛さから『逃げる為』に意識を夢の中へと手放した
..
..
..
……暗い、怖い、何処だよここ
..ガシャッッ
「いだッ」
動こうと足を動かしたら転んでしまった
足枷だ、足枷がついている
どうりで足を動かすとジャラジャラやガシャガシャといったうるさい音が聞こえる訳だ
「僕は何をすればいいんだよッ!」
答えてくれる人は居るはずがない、
暗い暗い……マジでなんなんだよ……
「チッ」
思わず舌打ちをこぼしてしまった
『っぅ……』
……、?今なんか聞こえた気がする
『グスッ……ぅっ……』
これは……
誰かの泣き声だ…
『もう辛いよ、っねぇ』
ああ、僕はこの声を知ってる
『あーあ、馬鹿だな私っ』
『こんなことしたらみんな逆に離れていっちゃうのに……っ、』
泣きながらあの子は言い始めた
なんだよそれ、
『ねぇ、君もそうだったよねッ……グスッ』
そんな事ない、僕は離れない
次こそは、絶対にッ、
だから……泣かないで、こっちへ来て、!
「っぁ……ぅ」
声が……出ない、、?
なんで、なんでなんでなんで……!!
『私は必要ない……だってみんな離れていっちゃうもん』
違う!!違う違う!!
僕は……僕達はッ!!
「ぁぅッ、!〜〜っ!!!」
『……っ、グスッ……さよなら、』
ヤダヤダヤダヤダッ、行かないで!!
─タッタッタッ..
─ポチャン
少し走る音が聞こえたと思えば直ぐに水に何かが落ちた音がした
《苦しい……苦しい苦しい》
頭に直接こえがひびいてくる
あの子の声だ、
ああ、じゃあさっきの走る音も水の音もあの子のものなのだろうか
身を投げ出してしまったのだろうか
せめて、せめて彼女の傍にして事情くらいは知っておきたかった
自己満足であろうとも声をかけたかった
ずっと頭の中でのあの子の言葉は止まらない
これも僕が逃げ続けていた罰なのだろうか
いや、きっとそうだ
それに僕が自意識過剰な所もあるせいだろう
……きっとあの子はもう僕のことなんてどうも思っていないだろうに
「はは、」
乾いた笑い声がもれた
何故今は声が出るのだろうか
遅い、遅すぎる
もう少し早く声が出ていればあの子に伝えられることもあったのに
これも僕のことを現している上の罰なのか
「っ~~~!! 」
ダメだ、目があつい
涙がこぼれ出てしまう
僕には涙を流していい訳がないのに
溢れ出てしまう、耐えることが出来ない
「っぁぁあああ!!!!!!」
悔しさを忘れたくて僕は泣き叫んだ
..
..どれくらいだったんだろう
もう涙は出なくなってしまった
叫びすぎて声も出ない
これが僕の結末なのだろうか
逃げて逃げて逃げることしかしなかった僕の……
..
..
..
..
─ピピピッッ
うるさいアラームの音が聞こえた
早く止めなければ耳がどうにかなりそうだ
─ピロンッ
ああ、もう忌々しい朝が来てしまったのか
また思うように眠れなかった
でもこれは仕方ないんだ
僕の後悔が夢となって出てきているだけだから
僕が自意識過剰で逃げるのが悪いのだから
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