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【shk視点】
時の流れというのは残酷だ
日に日に記憶が色褪せていく
もともと記憶力がいいわけではない俺は、尚更忘れていくのに時間はかからない
世界が見えなくなって、どれくらいの時間がだったのだろうか
もう、メンバーの顔もほとんど思い出せなくなってしまった
nk「シャーケ!」
shk「うっお?!ビビったぁ…」
nk「あ、ごめん!驚かせるつもりはなかった…てっきり気づいてるのかと」
shk「ん〜いや、考え事してた」
最近ぼーっとすることが増えた気がする
前はもっと敏感に人の気配とか気づけてたのにな…
nk「珍しいじゃん、シャケが人の気配に気づかないの。悩み事?」
悩み事…って程でもないから黙っておく
何か言ったら心配されるだろうし
shk「別に。今日何しようか考えてただけ」
nk「へ〜…?」
顔が見えなくても声色でわかる。 絶対疑ってるなこれ
なにもないんだけどなぁ
nk「ま、シャケが言うならそうか…今日なにする??」
案外言及してこないな…やめてって言ってたからか?
詮索されないのは助かるけどな
目が見えないと何かと神経を使うし疲れるから、nakamuも気を使ってくれてるんだろう
少し、気が楽だな
shk「ん〜そうだな…」
その時、俺は気を緩ませすぎた。 油断していた
なぜかは分からない。相手がnakamuだからだろうか、疲れていたからか
心の奥にしまっていた本音が、ポロリと口から溢れてしまった
今はもう叶わない、できるはずのないこと
大好きだったもの
shk「ゲーム…したい」
ほぼ無意識的に、そう答えていた
我に返ってすぐ、後悔した
こんなこと言っても、nakamuを困らせるだけ
分かってる。目が見えないのにゲームなんかできるわけない
頭では分かってたはずなのに
nk「……」
押し黙るnakamu
少し重苦しい空気が俺達の間に流れる
慌てて訂正しようと口を開く前に、声が聞こえた
nk「え、いいじゃん!ゲームやるか!」
思わず固まってしまう
shk「は?…いやいやいや、流石に無理だろ」
nk「なんで?できるっしょ! 」
shk「どうやって」
nk「俺がシャケの目になればいい話じゃん」
またもや固まる
開いた口が塞がらない
きっと今俺は、凄い間抜けな顔をしているだろう
本当にnakamuはたまに突拍子もない事を言う
shk「?」
nk「…俺がシャケの目に」
shk「いや、聞こえてんだわ」
nk「じゃあいいじゃん」
shk「なんもよくねぇ、意味わからんから」
nk「だからさぁ、つまりね、二人羽織みたいな。俺がシャケに状況報告して、シャケはそれを踏まえて行動したらいいってこと」
shk「はぁ…でもそれ現実的じゃなくね?できんのか…?」
nk「やってみなきゃ分かんないだろ、とりあえずやってみない?今ちょうど暇してたし」
shk「まぁ…いいけど…」
nk「よし、じゃあ早く行こー」
そう言ってnakamuは俺の手をとる
文字通りnakamuに身を任せてはみたものの、
できる気がしない。俺だって今まで散々試したんだ
でも無理だった。どれだけ手を尽くしても前みたいに純粋に楽しめない
目に見えた刺激は感じられなかった
それでも…こいつなら
nakamuなら、やってのけるかもしれない
こいつなら…
そんな、諦めの感情と。ほんの少しの淡い期待を持って
俺達は歩みを進めた