¦桃赤¦
¦苦手な方はブラウザバックお願いします¦
¦※nmmn※¦
¦死ネタ¦
「赤、これ塩キツすぎ笑」
「どんだけ入れたんだよ笑」
嫌になるほど満月が大きく輝く中、彼はにやにやと笑っている。
ああもうなんで。いつも。いつも。
もう、こんなの忘れてしまいたいのに。
なんで、。
「桃ちゃん…….。」
大好きで大好きでたまらない彼が、目の前にいるのに。
言いたくないけど、俺だって嫌だけど、俺は毎日、毎日、彼に言う。
「はやく、ジョウブツしてよ…。」
♢
いつだったか、彼は呆気なく居なくなって。
その日から、毎日同じ時刻に、存在するはずのない彼が家に居た。
赤、って名前を呼んでくれたりして。
最初は、そりゃもう大喜びだったけれど。
会うごとにだんだん話が噛み合わなくなっていって。
いつしか彼が1人で俺のことを話すだけになっていた。
大好きだ、と。ちゃんとご飯は食べているか、と。
また一定の時刻で静かに消えていく彼は、その前に必ず言うのだ。
「俺が1番がいいけど、俺以外の奴と幸せになれよ」
そんな我儘を。
ばか、ばか、ばか。
ならもう、俺になんか会いに来んなよ。ばかやろう。
こんなんじゃずっと、離れられないよ。ばーか。ばーか。
俺は、桃ちゃんといる時が何よりも幸せなんだよ。
いつもそう言うのに。
はは、まぁ、ゆっくりでいいから。
なんてはぐらかすから。
俺はずっと、彼に取り憑かれてる。
♢
ひゅう、と薄く風が吹いて。
ちらりと、家の前に置いた沢山の盛り塩を眺める。
「ねぇ、俺もそっち行っちゃダメかなぁ。」
初めて言った言葉だった。
もう、俺もシんでしまいたい。
「んふ、ダメだよ。俺が守ってやるから。」
いつもよりもハッキリと、意志を持って言われた気がした。
それが嬉しくて、すごく嫌で。
もう何度目か分からない涙を流す。
「こんなときにまでカッコつけんなよ、ばーか、ばーか。」
ポロポロ、ぽろぽろ。
「結局桃ちゃんも、未練タラタラじゃねーか、ばーか。」
ずっと一緒に居たかった。先になんていかないで欲しかった。
誰よりも、大好きだったのに。大好きなのに。
「俺もっ、未練タラタラなんだよぉ…..」
「あーほら、泣かないの。」
「え…..」
いつの間にか、彼がさらに近くにいた。
あの日と変わらない温もりで、俺を抱きしめてくれる。
「ごめんな、先にいって。」
やめて、謝んないで。
「今更、遅いよ…っ」
「ごめん、愛してるよ」
なんでだろう、今日はなんでこんなにハッキリと会話ができるんだろう。
久しぶりで、ずっと求めていたのが今ここにあって。
幸せで、心地がいい。
「今日で、最後になるから。」
「………へ。」
なんで、なんで、なんで。
せっかく、久しぶりに話せたのに。
「今まで迷惑かけてごめんな」
ちがう、ちがうよ。
「全然、迷惑なんかじゃないっ!、」
「だから最後なんて言わないでよ、…」
俺を抱きしめる力が、ぎゅ、と更に強くなる。
「大丈夫、目に見えなくなるだけだから。」
ずっと、そばで見てるよ
もう、彼の思いが変わらないことを理解する。
でも。
「ずっとずっと、大好き、大好きなの。」
「これからも、桃ちゃんが1番だからっ…」
「俺も、赤が世界で1番だよ。」
「今までも、これからも。」
「うん、…っうん…。」
互いに見つめ合う。
きっと俺たちは、この世界の誰よりも幸せで、不幸せだ。
最期にひとつ、口付けを。
「また、逢おうね。」
「ああ、約束だな。」
じゃあ、またな。
愛してる。
そして、彼は今までで1番綺麗に、静かに、空へ消えていった。
ああ、神様ってなんて不平等。
いつもこんな世界に不満ばかりだけれど。
それでも尚、胸を張って、あの時は幸せだったと言えるから。
「またね。愛してる。」
暗闇の中澄んでいる夜空を見上げ、俺たちは呟いた。
END.
書きながら自分でも泣きました…🥲(
よく分からないお話ですが楽しんで貰えたら嬉しいです😣🤍
ごめんなさいいつもより皆さんに見て貰えなくてちょっと自信なくなっちゃいました🥲💧
♡💬お願いします😚🫶🏻