テラーノベル
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アデル様は美鈴に負けた。
あれからアデル様の身体には傷が出来ている。
でも一番は、心に深い傷を負ったと思う。
まさか妖怪に敗北するなんて、誰も思ってなかったから。
私 「アデル様、大丈夫ですか…?」
アデル様 「貴様を期待した私が愚かだった」
私 「も、申し訳ございません!お役に立てずに…!今度こそ貴方様のお役に
立ちます…!」
アデル様は冷たい視線を向けた。
アデル様 「もうお前は用済みだ。二度と関わるな」
私は一瞬時が止まった。
私にとってアデル様は救いだった。
孤独だった私を見つけてくれて、
ずっと愛してくれた。
でもアデル様は実験の後遺症で記憶を失った。
昔の優しいアデル様は何処にもいない。
私 「アデル様!お願いします!私を捨てたりしないでください…!」
アデル様 「私に指図して良いと思ってるのか?お前がセイレーンに敗北しなければ、
邪魔が二人も減ったというのに、無能とはこの事だな」
アデル様の言ったことは間違ってなかった。
私が負けなければ、アデル様が勝つ可能性も少しは上がったのに。
でも、元々はアデル様が喧嘩を売ったからでしょ?
あのまま優しいアデル様で居れば、ずっと幸せだったのに…
私 「アデル様こそ…元はと言えばアデル様が大人しくあのまま眠ってれば
良かったじゃないですか!リノアを取り込まなければ!紅美鈴の恨みを買う事も無かった!
アデル様が前世で身体が弱くなかったら!必死に母親を探せば!魔女になる事もなかったのに
私の事も忘れて!無能はアデル様ですよ!!!!!!」
アデル様 「…!」
一瞬アデル様の瞳が揺れた。
アデル様 「どうやら私は勘違いをしていた様だ…貴様を優秀だと思い、隣に居た私の脳は
腐っていた様だ…貴様が言った様に、大人しく眠っていれば良かったな!?」
こんな風にアデル様が怒った声を聞いたことが無かった。
アデル様 「…結局お前も、あの母親と同じだな!私を無能と言い張って!まぁ良い、
貴様と居る理由は無くなった。一生孤独で生きれば良いさ」
アデル様はそのまま去ってしまった。
私は大切な人を裏切って、アデル様の苦しみを分かってあげられなかった。
私はその場で泣き崩れた。
あれから月日が経った。
あれ以来アデル様と一度も会ってない。
でもこれで良かったんだ。
私はアデル様にとって不必要だったんだ。
霊夢 「ルカーン!行くわよ!」
私 「は、はい!」
私は博麗霊夢達に協力する事にした。
それ以外やる事もなかったから。
エヌオー 「そういえば、アデルはどうしたんだ?」
ある日の晩、そう聞かれた。
私 「さぁ…?どうしたんですかね…?」
私は誤魔化した。
アデル様と関係を断ち切ったなんて言えなかったから。
魔理沙 「それにしても、あの研究所どうする?」
妖夢 「さっさと破壊した方が良いですね。安全の為にも」
最近問題がある。それは異変。
とある研究所で怪物が大量に造られている。
そう、アデル様が実権体にされた研究所。
レミリア 「みんな!また怪物よ!!!!!!」
霊夢 「またね…」
レミリア 「今回は怪物って言うか、人間みたいなのよ!」
魔理沙 「はぁ!?と、とりあえず行くしかねぇか!」
魔理沙 「おい!来てやったぞ!」
研究者 「ようこそ、久しぶりだなルカーン」
私 「…」
美鈴 「知り合いですか…?」
私 「はい…」
研究者 「まぁ良い、今日はルカーンに見せたいものがあってね」
そう言って研究者は一人の男を連れて来た。
お面を付けて、顔は分からない。
私 「誰ですか?その人は?」
研究者 「面を外してやれ」
そして男はお面を外した。
私 「何…で…?」
その人は私の大好きな人。
昔は優しくて、笑顔が素敵だった人。
私を嫌う人。
私の元主人だった人。
私 「アデル…様…?」
研究者 「正解だよ!よく分かったね!見た目もかなり変えてるのに!」
魔理沙 「あれが…アデルなのか…?」
私 「ふざけるな…ふざけるな!ふざけんな!アデル様に何をした!?」
研究者 「な〜に、傷まみれで可哀想だった彼を改造してあげただけだよ?
記憶もぜ〜んぶ消して、殺戮兵器に変えてあげたのさ!」
私は一瞬で身体が動いた。
拳を研究者に向けて殴り掛かった。
その瞬間…
アデル様が私の腕を掴んだ。
冷たい眼…そして私を突き飛ばした。
美鈴 「ルカーンさん!大丈夫ですか!?」
私 「は、はい…」
それからアデル様は霊夢達を殴り、蹴り、追い込んでいた。
一言も話さず、ただただ命令を聞くだけの存在。
以前よりも圧倒的に強くなっている。
もう私達の身体は動かなかった。
みんな言葉を話すので精一杯だった。
研究者 「さぁアデル!トドメだ!」
アデル様は槍を持ち、私に向ける。
あぁ…私も終わりか…
最後くらい…アデル様に 謝ろう。
アデル様 「う…あ…」
私 「えっ…?」
突然アデル様が苦しみだした。
アデル様 「違う…ルカーンは…敵じゃない…嫌だ…殺せない…!」
ポロポロと涙を流して、必死に槍を抑える。
それを見た瞬間に、私を思わず抱きついた。
私 「アデル様!ごめんなさい!酷いこと言って!今度は貴方の役に立ちますから!」
研究者 「この役立たずが!ルカーン諸共!さっさと死にやがれぇえええええええええ!」
研究者は私にナイフを向け刺そうとして来た。
アデル様 「ルカーン! ゲホ…」
ナイフはアデル様の腹を貫通した。
研究者 「はは…このナイフは特殊でなぁ…魂諸共消滅させるんだ…不死のお前でも
完全消滅だ。もうここに用はない。じゃあな」
そう言って何処かに去った。
でもそんな事どうでも良かった。
私 「アデル様!」
私が焦って息が荒くなると、アデル様は私をぎゅっと抱きしめた。
アデル様 「やっと…全部思い出した…悪かったな。お前は私に気を使ったのに傷つけて…
お前の言う通り、無能は私だな」
私 「そんな事ないです!本当にごめんなさい!私が…私が馬鹿だから…!」
アデル様 「何言ってるんだ…私はお前の傍に居れて…本当は嬉しかった…普通の人間として
お前に出逢ってたらどれだけ良かったんだろうな」
アデル様の声は、いつもの強気な声じゃなくて、
弱々しいけど、何処か優しい声だった。
アデル様 「ルカーン…もし生まれ変わって、まだ私が好きだったら、また出逢って
くれるか?」
私 「当たり前じゃないですか。またあの時みたいに、私を見つけてね」
私は涙を零して言った。
アデル様は泣きそうな顔をして、
アデル様 「あぁ!約束だ!」
そう笑ってくれた。
ぎゅっと力強い手から力が抜けた。
アデル様の眼から完全に光が消えた。
でも、幸せそうで、優しい笑顔だった。
私が言える言葉は一つ。
私 「おやすみなさい。世界で一番」
コメント
2件
泣けるッ泣けるッ😭😭アデルさんもルカーンさんもめっちゃ辛そうだけど感動するッ😭😭💥 おい研究者😡!ルカーンさんとアデルさんの感動の再会に水を差すな!😡ブチ〇してさしあげるぞ!😡💥💥 あと霊零ィ!何やってんだお前ェェェェッ!はよ開示して味方を安心させて差し上げろ!サプラーイズ!ぐらいの軽いノリで咲夜を出せよ!