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______天国は遠いねぇ……


そう呟いた。



全身に巻かれた包帯、濡れた服や髪、



また失敗したのか、とため息をつく。

正直、私の生命力を恨みたくなる。



また国木田くんに怒られてしまう、


そう思いつつ私は墓場に向かう。




分かっている。

幾ら願っても失われた命は戻らない。


それは私が1番わかっている。



私はそっと腰を掛け、今は亡き友人に話しかける。

今までの事、武装探偵社に入った事、賑やかな日常になった事、孤児を助けた事、人を救う側になった事、

言葉が溢れて止まらなかった。

それに反応する様に風が吹き木々を揺らす。


ポロリ、と水滴が頬をつたう。


懐かしい事を思いだした。

芋ずる式にどんどん思いだしていく。


あぁ、懐かしい。





あの頃に戻れるならば __





あの感覚がまだ離れない。


私の腕の中で冷たくなっていくあの感覚、








ねぇ、織田作。

君はどう思うかい?



本当…

天国は遠いね





私はビルの上から宙を舞う。










真っ白い部屋の中。

どんどんゆっくりになっていく電子音。

不規則なリズム。




織田作…やっと会えそうだ……



私は電子音のリズムをピーという音の1色に染め上げた。





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