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【死神においての規則】
正体がバレないように過ごすこと
魂と親しい関係を抱かないこと
魂に手出ししないこと
最期まで傍にいること
当日以内に持ち帰ること
何があっても連れて帰ること
ー守らなければ、自身が商品となるだろう。ー
「次の魂は….」
予定表紙をめくる。
「黒羽湊…5歳..と….」
年齢などこの世には関係ないものだ。商品が無事だったらどうでも。可哀想なんか、死神になるぐらいなら感じないだろう。
「死因は..事件か。三日後の….深夜2時…っと」
(…..ん?この歳でこんな深夜に?しかも事件だと?….いや..深く考えるな…..相手は魂なんだ….死因なんて関係ない…..こいつは商品…..商品……….)
「はぁ…」
予定に間に合わせる為、数日は前に行っておかないと。
外套を羽織り現世へ降りる
「魂は確かここらに….」
ー鎖の軋む音がする。ー
小学生程度の男の子がブランコに乗っている。こいつが今回の商品だろうか。
〜数分後〜
軋む音が止む。すると砂が弾ける音を立てながらこちらへと駆け寄る
「おにーさんここにずっと居るね。どーしたの?」
急な幼き声に鼓膜が震える。その指摘で自分がずっとこの場で立ち尽くしていたことに気づく。そして声のした方を 見下ろすと少年がこちらを丸い目で見ていた。言葉に詰まる。
「….まだ、君には用がない。」
「まだ….?」
オウムのように繰り返すその声には疑問が混ざっている。
「まだ….ってことは今は何も無いんだよね!じゃあ僕と遊ぼうよ!」
何も分かっていない純粋な問いかけ。だがここでバラしては規則違反になってしまう。
「…..ああ、良いだろう。」
ここで仲を深めておいては後が楽だ。断る理由もない。
「じゃあかくれんぼしよう!鬼 さんが、隠れた子を時間以内に見つけるの!」
「…..鬼はどっちがやるんだ」
「じゃあおにーさんが鬼さんやって!目を隠して10秒数えたら、僕を探してね!」
「….2..1…….探すぞ」
目を開ける。そこには浅緑色の葉が風に吹かれて輝く。湿った土から空気の抜ける重い音を立てながら一歩一歩と歩き出し周りを見渡す。
(…..世界って、こんな鮮やかだったか?….まぁいい、まずはあの子供を見つけるか….)
歩くたび、枯れ葉が細かく砕ける音だけが、耳に届く。
(子供が….よく隠れるところ…. ………)
「….見つけた。」
「わ!おにーさんすごいね!僕の先生しか見つけられなかったのに!」
「ああ….」
子供が隠れるところ、それは考えなくても記憶が蘇った。大きな木の裏、あそこなら自身の姿が見える心配もない。
「見つかっちゃったなぁ….」
えへへと笑う君の瞳は輝いて、まるで水面のように光を反射していた。
そして、どんどん日が暮れ夕方を知らせるチャイムが市内に響き渡る。
「そろそろ帰らなくっちゃ、お母さんに怒られちゃう」
「….ああ..そうか…もうそんな時間か。」
そして「じゃあね!」ニコッと笑いそう言うと返事をする間もなくすっと背を向け走り出した。
「……」
そして日が完全に沈み空には雲の隙間から数々の星のみが澄んだ空気を通してキラキラと輝いていた。
そして
現世に来た死神に、一つだけ、デメリットがあった。
それ は、魂を回収するまでは、空には帰ることは不可能。
「….ここで夜を越すか…」
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