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👾
「でもね、愛してるよ」
君を手放した日から、この言葉が頭から離れない。
優しくなんてなかった。
君を泣かせたし、すがる声にも背を向けた。
なのに、どうしてだろう。
君がいなくなった世界は、ひどく寒くて、息が詰まるほど静かだった。
「ぼびー、好きだよ」
何度も聞いたその言葉は、もう聞けない。
君はもう、別の誰かのもとにいる。
それなのに、胸が焼けつくほど苦しくなるのは、どうしてだろう。
👑
「ねえ、愛してるよ」
そう言ったら、また君は笑ってくれた?
もう一度、振り向いてくれた?
どれだけ願っても、君の隣には、僕じゃない誰かがいる。
どうしようもなくて、ただ見つめることしかできない。
君が僕を捨てたわけじゃない。
君が好きになったのは、僕じゃない”誰か”だった。
それだけのこと。
それだけのはずなのに、どうして、こんなにも涙が溢れるんだろう。
👾
「僕はそんな優しくないけど」
君のために何かしてあげた記憶はない。
むしろ、君が尽くしてくれてばかりだった。
「大丈夫だよ、ぼび」
そうやって、いつも笑って、僕を支えてくれた。
それなのに、僕はその手を振り払ったんだ。
君を抱きしめる代わりに、突き放したんだ。
「もう、前を向いてよ」
そんなことを、君に言える資格はないのに。
👑
「他の人のところへ行ってしまう君が許せない」
でもね、幸せになってほしい。
この二つの気持ちが、僕を引き裂くんだ。
忘れようとしても、忘れられない。
君の笑顔も、声も、温もりも。
他の誰かに向けるはずじゃなかった。
僕のものでいてほしかった。
……でも。
それはただのエゴだったんだろうか。
👾
「ねえ、君はもう幸せ?」
目を伏せながら、そっと問いかける。
君は、少し驚いたように目を瞬かせて、それからふっと微笑んだ。
「……うん」
その「うん」が、嘘じゃないことを願う。
僕のいない世界で、君がちゃんと笑っていられるように。
そんな気持ちの裏腹に、俺はもう罪悪感から解放されたい、今の恋人と幸せに暮らしたい、と言う汚い感情を潜めて。
👑
「ねえ、僕はもう大丈夫だから」
泣き腫らした目をこすりながら、静かに呟く。
1人、静かな部屋でその言葉だけを響かせて。
前を向く。
今度こそ、ちゃんと前を向く。
もう、戻らない時間を悔やむより、進んでいくために。
だって、君が幸せなら、それでいいから。