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「REAL」あるアイドルの光と影の告白

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「REAL」あるアイドルの光と影の告白

第29話 - 第五章　トモダチ　２　EP.1「カラオケ」

20

2025年08月14日

#アイドル

#いじめ

#学校

#ストーカー

#第5回テノコン

#ドラマ

蒼乃　月

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蒼乃　月

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ガッコーが終わったら、トモダチとカラオケに直行♪

好きな歌を歌いまくって、食べて飲んではしゃいで、みんなで盛り上がる。

だけどさ、いつも仲のいい３人ぐらいで行くから、いろいろと面倒なこともあるんだよね。

３人だと、２対１で分かれやすいでしょ？

あたしは、いつも気がつくとひとりになってて。

マイクを手に歌ってても、いつの間にか誰も聞いてなかったりする。

「ねぇ、あたしの歌聞いてよー？」

なんて、冗談めかして言ったりすれば、

「やだ。あんたの歌って、なんか古いし」

って、あからさまにウザイ顔されて、

「聞いてほしかったら、もっと新しい歌、覚えてきなよ？」

「そうそう。あんたの歌って、いっつもおんなじで、つまんなさすぎー」

２人から、そう言われて、挙げ句ケラケラと笑いものにされる。

新しい歌とか、あんまり知らない。

「これでも、新しいの入れたつもりだったのに〜」

なんて、笑って返すと、

「新しいって、いつの？まだ誰も歌ってないのとか、歌いなよ。そんな前の曲、いつまでも歌ってんのなんて、あんたぐらいじゃん？」

「そうそう、せっかく連れて来てあげてんのに、もっとあたしらに同調して、新しいの歌ってよね？」

したり顔で言われ、２人からうっとうしそうににらまれる。

みんなが歌うのは、配信されて間もないような新譜ばっかりで。

誰よりも早く覚えて、歌うことを競ってるような、そんな感じ。

だけど、次から次へと配信される新曲を、まだたいして歌えもしないのに歌うのって、あたしに言わせれば、そっちの方がずっとつまんないと思うんだけど。

でも、そう話したところで、さらにバカにされるだけだから、口には出さない。

ひとつの歌を何度も歌って、うまく歌えるようになりたいなんて思ってるあたしは、友達とは全然意見なんか合わないみたい。

合わないんだったら、いっしょにカラオケになんか来なきゃいいのに。

誘われると、行かずにいられない。

だって、一度断ったら、もう二度と誘ってもらえないかもしれないから。