あの時は思わなかった。まさか、全部無くなるなんて。
これは空っぽの私の物語
私、柊怱(ヒイラギ スウ)はいっこ上の一ノ瀬奏音(イチノセ カナデ)と幼馴染だった。奏音の事が___好きだった。
私と奏音は音楽が大好きだった。一緒に作曲したり、私が歌って奏音が演奏したり。
そんなある日,奏音が病気で入院した。毎日のように御見舞に行ったし、同じ部屋だった奏音と同い年の春場良斗(ハルバ ヨシト)と私と同い年の如月黎(キサラギ クロ)とも仲良くなった。私と奏音が、音楽の話をしてるせいか、二人も興味を持ち始め、一緒に歌ったり、演奏したりした。数週間経つとそれぞれ退院した。でも、何度も何度も会って遊んだ。ある日、奏音が興奮気味に「ねぇ!みんな!!凄い人見つけちゃったよ!」と言った。それから私達4人は奏音が見つけた少女の話でもちきりだった。数ヶ月後、海辺をみんなで歩いてるとその少女を見かけた。目は大きくて、髪の毛はとても長かった。まさに、童話に出てくるようなアリスみたいに。奏音が叫んだ。
「神楽坂愛希(カグラザカ ナノ)ー!!!!!!!!!!!」
「あっ、一ノ瀬!」
奏音が神楽坂愛希と呼んだ人物は振り返り、走って寄ってきた。
「一ノ瀬、久しぶりね。なんで苗字まで言うのかしら?」と奏音に向けて言うと奏音は「いいじゃん、別に‼あーも、君の名前長いね!面倒くさい!楽!神楽坂の楽でいいや」と言った。それに続けて、「そうね、じゃあ一ノ瀬は一ノ瀬で、」と言うと奏音は「カナって呼んでいいよ!」と言った。そう、カナ…と答えると私をみてきた。
「あっ、えっと…私は柊怱、宜しくね」
(うわー、可愛いかよ)と思いつつも挨拶すると、
「怱!いい名前ね!私は神楽坂愛希よ、仲良くしましょう!」と言った
「えっ、あっ、うん。楽、」
「そっちの二人は誰かしら?」
「あっ、俺如月黎ー、黎でいいよ」
「俺は春場良斗だし、ええと、ハルで」
「分かったわ」
____今思えばこの時から狂っていたのかもしれない、これが私達の最初。
続く
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