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私は生きる。君と会えるたった一つのこの世界で

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私は生きる。君と会えるたった一つのこの世界で

1 - __夕焼け空のその下。

♥

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2023年11月21日

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注意


naet,年齢操作,学ぱろ,死ネタ






















君が死んだ。


あまりに、残酷に。


不慮の事故。だれも悪くないのに、苦しい。誰もを妬んだ。ただ叫ぶように泣いた。





もしこれが夢ならば____なんて

強く強く、念じてみたら



________思いは届いた?














naet. 一話完結 「 私は生きる。君と会えるたった一つのこの世界で 」














私は、何もかもを失った。


et「…あー」


ため息がただの呼吸と混じって出た。その声さえも、冬の夕焼け空に消えていった。


でも、青春も居場所も友達も感情も家族も全てを誰でも無いだれかに奪われたんだからもう仕方ない、なんて…どんなに苦労しても思えないなぁ。





もともと全て私の所為だった。


とはいいつつ、つい前までは幸せだったね。愛する仲間がいて、家庭があって、純粋な心を持って、大好きな”のあさん”がいて____



気付けば誰も居なくなっていたのは、最近のことだった。

中学2年生の私は、何時かの日を境に誰もいなくなった。



みんな、みーんな、わたしの周りからいなくなってた。




“あの子”さえも。


可愛くて、やさしくて、大人っぽくて、何処か抜けてて。強くて、面白くて、やっぱり可愛くて、でもかっこよくて。特に、笑顔が素敵な子だった。なんか、尊敬しているところもあった。


家が近かったので、良く会った。少し年上の彼女は小さな頃から私と会ったらすぐ、笑顔をこっちに向けて「おはようっ!」って言ってくれた。



そんな_____さえも………






et「あれ、」


名前、なんだっけ。



だいすきな、あのこのなまえは…?


わすれちゃ、いけない、…のに_______











忘れちゃいけない。けど、忘れたいくらいに辛い。


昔彼女とよく遊んだ公園のブランコにゆられながら、泪を只管に流すことしかできなかった。なんで泣いてるのか分からなくなるときもあった。


日が沈みかけていた。冬の日没は早い。彼女の命のように。

冷たい風が私の心をくすぐった。


おもむろに、ただの叫ぶような泣き声は嗚咽に変わっていった。

必死で我慢したから。彼女を悲しませたくない、その一心で。


…だって年上だもん、「高校生のおねえちゃん」だもん…。


彼女のことが大好きだもん。



中学生になってもなお、「おねえちゃん」と呼んでくれた。本当の妹みたいで、本当に可愛かった。でもそこにあるのは、そんな純粋に親しくてやさしい心じゃなかった。



恋愛対象。考えたくもなかったけど、そう考えることしかできなかった。それほど気持ちは強かった。




でもその子は、もういない。



死はいつだってかなしいものだって知っていた。


でも、心に穴を開けて、そこから「げんじつ」を取り除こうとしていた私がいた。










だから、幻覚をみてしまったのかもしれない。







na「________えと……さん、?」

et「…ッ、!!」














??「えと……さん、?」




え、私の名前…?

そう戸惑ったけど、確かにそう呼んでいた。

その声の持ち主は、誰がどう聞こうと”あの子”だった。



et「…ッ、!!」




名前はでてこなかった。でも、大好きなあの子だってことは分かった。

でも彼女から発せられた言葉はわたしの想像を遙かに超えていた_______






na「……幻覚、だよね…?」


「___そうだよね、ごめんねニコ」






na「もう死んじゃったのにね」




et「そんなことな…ッ!!!!私はまだ生きてるって…」

「どういうこと……、」


でもその言葉は絶対に彼女に届いてなかった。いや、聞こえないふりをしただけかもしれない。そう思いたい。





私は、人格以外の全てを本当に失ったんだと気付いてしまった。


勝手に生きている気になってたけど、私の肉体は誰にも見えていない。誰かが私に反応することなんてありえない。

…名前も思い出せないけどだいすきな「あの子」は、なんで私がみえたんだろう?



私は肉体を失っていた。命も失っていた。




わたしはしんでいたんだ。















あの事故から3年。




幻覚が見えたあの時の私は馬鹿だった。冷静に考えれば、幽霊なんて、死んだ人間がよみがえることなんて、有り得る筈がない。


でも未だにこの時間帯になるとこの公園に来てしまう。あの子が好きだったブランコに座った。一緒に並んで競った記憶がよみがえった。



今や私の左側はただの風の抜け道だけど、確かにあなたは語りかけてくれてる。





『大学生のおねえちゃん、明日も遊ぼうね!!』











_____FIN

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