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スマブラ組
視点:『』 視点以外:「」
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sm視点
奴の運転する車に揺られ、早数分。助手席に座る俺は、道の先をじっと眺めて。
暗い夜道の先は、目を凝らしてみても、何があるのか分からない。
「もうちょっとで着くからね〜」
ついさっき、奴はそう言った。だが…目的地の伝えられていない俺は本当につくのか不安になる。
車内に響く、ポップな音楽。ハンドルを握る、奴の顔は…ワクワクに 溢れていて。
………
せっかくだ。何故俺が今こういった状況に陥っているのか…説明でもしようか。
〜遡ること、15分前〜
パラパラと、紙をめくる音が、今室内にある、唯一の聞き取れる音。
俺はふと、スマホをつけて時刻を確認する。
『9時、38 分…』
寝るのならば、まだはやい時間。夕食を終え、風呂も入った。今日すべきことは、全て終わっている。読んでいる本も、あと数ページで読み終わる。
さて…何をして暇を潰そうか。
ちょうどその時、ピコン、ピコン、ピコンと3度、スマホがなった。…奴だ。
「今日めっちゃ星綺麗なんだけど‼︎」
「スマイル今暇?暇だったら一緒に星見に行かない?」
「僕のおすすめの場所、連れてったげる‼︎」
頭にふわりと浮かぶ、奴の満面の笑み。俺の大好きなその顔は…果たして、見れるのだろうか。
見れるのならば…行く価値はある。
『暇だし行こうかな。待ってる』
シュポ、とメッセージを送り、既読がつくのを確認して。
何分で来るかなぁ。
そんなような事を考えた。
そして今、俺は奴の“おすすめの場所”とやらに連れて行ってもらっているのだ。どこに向かっているのか、聞いた方がいいだろうか。
そんなこんなで、俺がウジウジと考えていると。
「ついたよぉ〜」
奴がほわほわとそう言った。
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br視点
『行こっか‼︎』
バタンと車の戸を閉めて、彼に向かって手を差し出す。受け取って貰えるとは思わないけども。
暗い夜道は、危ないでしょ?自分への言い訳をつらりと述べて。
彼を隣に呼び寄せる。
「…何処ここ」
なんとびっくり。彼はスッと僕の手に自らの手を重ねてくれて。僕のテンションは爆上がり。
『見晴らしの良い…所?』
「そうか」
どうしよう。質問への返しが抽象的になってしまった。…まあ、ここの名前知らないことに変わりはないんだし、いっか‼︎
『こっち!』
さぁ、と風が頬をくすぐる。それを合図に、とでも言うように…僕はぱっと顔を上げた。
口からは感嘆の声が漏れて。彼は僕のそれに合図され、空を向く。
「ぅぉ…すご…」
月明かりを背にしても尚輝く愛しき彼は、僕の大好きな場所を、さらに好きにさせてくれて。
『綺麗だね』…僕のその声に彼は「うん」と小さく反応してくれる。彼はこの満天の星空に瞳を輝かせて。僕は彼の姿に、瞳を輝かせて…。隣に彼がいる、その事実が嬉しすぎて…
その時、僕は初めて彼に、自らの欲を…ほんの少しだけ、さらけ出してしまった。
『スマイル』
彼の名をふと呼べば。
彼はゆっくり、こちらを向いた。
僕はゆっくり、彼の唇に自らの唇を小さく、触れさせた。
そして一言
『好きだよ』
彼は一瞬、戸惑った顔をして、そしてすぐに、頬を真っ赤に染めて…。
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美しい星空の下、月明かりを背にして僕/俺達は、
愛の言葉を囁きあった。