借金組
視点:『』 視点以外:「」
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sh視点
きんときと付き合って早一年。
同棲もしはじめ、今の俺は幸せで満ちていて。毎日が楽しくて仕方がない。
…だが最近、そんな俺とは裏腹に…きんときの様子が少しおかしい。
家に届く、きんとき宛の謎のダンボール。
よく鍵の掛かるようになった、きんときの部屋。
何をしているのか聞いても答えがはっきりせずに誑かされて…。
一緒にいる時も、目を合わせてくれない。
俺はこんなにきんときが好きなのに…きんときは、俺のこと、好きじゃないのかなぁ…
『こんな時は…誰かに相談するのが1番だよな…』
ぽつりと俺は、そう言って。
Nakamuに電話をかけてみた。
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「なんか隠してるんじゃない?それ。」
『隠してるって?…なんで』
「さあ?でもそうじゃ無かったらそうゆう事しないでしょ。きんときは」
『…うん。でも…もしさ?そうなんだとしても』
『どうやってそれ…確認すれば良いんだよ』
「部屋入れば良いだけだろ」
『っは⁈ダメだろそんなん‼︎』
「なんで?」
『何でって…プライバシーとか…見られたくないもんとかっ、あるだろうが‼︎そうゆうの…!』
「その見られたくないもんを見るために部屋に入るんだよ!」
「日中は鍵かけて出てこなかったり、夜は部屋にこもったりしてんでしょ?それをシャケは不審に思ってる。 だったらもう きんときの部屋入って探るのが1番はやく解決するでしょ!」
『それはそうだけど…‼︎』
「じゃあ頑張れ‼︎」
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いや…無理だろ‼︎それは‼︎
それでもしなんかっ…なんか…浮気の証拠〜、とか…俺への不満書いてある紙〜とか…そうゆうの俺が見つけちまったらどうすんだよ‼︎…きんときはそうゆう事しないって分かってるけど…!
怖いもんは怖い…。
でも………、行かなきゃ、変わんないよな…
『はぁ………』
幸いきんときは今日仕事で帰りが遅い日だ。……行く、かぁ〜……………
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-キィ…-
『…お邪魔しま〜す…』
『……ッ!?』
目に入るは…壁一面に敷き詰められた、俺の写真。
笑っている俺、泣いている俺、寝ている俺、ゲームをしている俺…
どれも、綺麗な額に入れ、しっかりと“飾られている”。
『こんなの…知らない……』
……嗚呼
こんなとき、普通の人なら…恐怖を感じたのだろうか…
俺も、不思議に思ったり、引いたりしたほうがいいのかな、
でも俺は
これを見て
安心、してしまった。
愛されてるんだなぁって、
実感できた。
『フフ…』
『きんとき? 』
『俺、きんときの事、きんときが俺を思ってくれてるのと同じくらい…だぁいすきだよ…。』
きんときのクローゼットから、服を全て取り出して、それをしっかりと抱きしめて。
自分の部屋に、帰って行った。
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kn視点
『ただいま〜』
愛する君との愛の巣へ
今日もしっかりと帰宅した。
俺の愛する子は、いつもは「おかえりっ」と、俺を可愛く迎えてくれるのに…
今日は、それが無い。
『…シャークん?』
シャークんの部屋に急いで向かう
扉を開けるとその先で、シャークんは穏やかな顔をして、眠っていた。
俺の服を、抱きしめて。
俺ははっとして、自身の部屋を見に行って
クローゼットが空になっている事に気がついた。
俺の全ての服を持ち出して、抱きしめて…眠っているシャケは
愛しくて、愛しくて、堪らない…。
ふたたびシャークんの部屋に入って、体を優しくゆすって、目覚めさせる。
「んぅ……?」
『……おはよ、シャケ』
「ぁ、……きんとき…。」
「おはよぉ…」
「きんときぃ…?」
『うん?どうしたの?』
「大好き…」
へへ、と笑う君は、愛おしくて…狂わしい。
『うん、…俺も。』
『ずっとずうっと…愛してるよ』
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知ってるんだよ?君が、俺の私物を度々盗んでいることに。
本棚の片隅にあるアルバムの写真は、全て俺の写真だということも知っている…
君がよく、俺の部屋を覗きに来ていたことも、知っている
そして君は、俺がこの事に気づいてることに気づかずに立ち振る舞っている…
そんな姿が、愛おしくて、愛おしくて……
俺達のこんな関係の名前はきっと、
…共依存、
が…ぴったりだ。
ねぇ、シャークん?
これからもずっと、ずぅ〜っと、
お互いに依存し合って…愛し合っていこうね…?
大好きの言葉で、お互いを狂わせながら……
ね?
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