テラーノベル
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※ご本人様には関係ありません
紫✖️赤
nmmn
sxxn
理解🈶な人のみどうぞ🙌🏻
『お前の好きな人が、俺だったら。』
恋なんて、もうしないと思っていた。
好きになって、付き合って、別れて。
たったそれだけのことなのに、俺の心には、まだあいつが残っている。
教室の斜め前。
そこが、元彼の席だった。
今でも普通に話せる。
話しかければ、ちゃんと返事だってしてくれる。
なのに、付き合っていた頃より、ずっと遠い。
目が合いそうになれば逸らされる。
前よりも優しくなくなった気がする。
俺の考えすぎなのかもしれない。
でも、好きだったからこそ、わかってしまうこともある。
あいつの何気ない態度ひとつで、嬉しくなって。
あいつの何気ない態度ひとつで、悲しくなる。
もう戻れないのかな。
そんなことを考えながら、俺は毎日を過ごしていた。
そんな俺の前に現れたのが、紫だった。
紫は、元彼とは全然違う。
よく笑って、よくふざけて。
気づけば、いつも話していた。
特別な話なんて、何もしていない。
ただの雑談。
それなのに。
紫と話している時間は、あっという間だった。
そして俺は、気づいてしまった。
紫と話すのが、楽しみになっていることに。
……ねえ。
もしも、紫の好きな人が俺だったら。
そんな期待をしてしまう俺は、ずるいのかな。
だって俺は、まだ。
ひとりの男の子を、完全には忘れられていないのだから。
-–
「赤先輩ー?」
「ん?」
「元彼って何人?」
「え、急に何WWW」
「いや、気になっただけ笑」
紫はいつも、突然変なことを聞いてくる。
好きな人はいるのか。
元彼は何人なのか。
いつ別れたのか。
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そんな恋愛の話を、紫は何度も俺に振ってくる。
もしかして、恋バナが好きなだけ?
それとも。
……いや、さすがに自意識過剰か。
「え、経験豊富じゃん笑」
「うるさいWWW」
「俺、負けたんだけど笑」
また始まった。
何かにつけて張り合ってくる紫。
俺は笑いながら、ふと思った。
君って、ほかの子にもこんな感じなのかな。
同じ学校の子には、ちゃんと「さん」を付けて呼んでいる。
でも、俺には違う。
それが何を意味するのかなんて、わからない。
ただ、少しだけ嬉しかった。
俺だけが知っている紫の一面があったらいいのに。
俺だけに見せる表情があったらいいのに。
そんなことを考えていると。
「そういえばさ」
紫が、こちらを向いた。
「赤先輩って、いつ別れたの?」
「六月…」
「え、最近じゃん」
その言葉に、俺は一瞬だけ黙った。
六月。
元彼と別れた月。
俺にとっては、まだ簡単に笑い話にできない月だった。
「まぁ笑」
何でもないふりをして答える。
紫はそれ以上、深く聞いてこなかった。
いつもどおり、別の話を始めた。
その優しさが、ただの気遣いなのか。
それとも、何か別の意味があるのか。
俺には、まだわからない。
でも。
紫が俺の過去を知ろうとしてくれることが、少しだけ嬉しかった。
同時に、怖くもなった。
もし紫が俺を好きになってくれたとして。
俺は、本当に紫を好きになっていいのだろうか。
元彼のことを思い出さなくなる日が来たら。
それは、あの恋が終わったということなのかな。
……わからない。
わからないけれど。
紫と話しているときくらいは、難しいことを考えずに笑っていたかった。
「ねえ、赤先輩」
「ん?」
「そういえばさ、好きな人いんの?」
――また、その質問。
俺は紫の顔を見た。
紫は、いつもどおりの顔で笑っていた。
だから俺も、いつもどおりに笑った。
「えー、どうだろうな?」
本当は、聞きたかった。
「じゃあ、お前の好きな人は誰なの?」
でも、それを聞く勇気は、まだなかった。
その日の帰り道。
俺は、友達との会話を思い出していた。
紫の好きな人について。
聞いたヒントが、頭から離れなかった。
同じ学校。
先輩。
運動部。
背が自分より低い人。
……え?
待って。
それ、俺に当てはまってない?
いやいやいや。
落ち着け、俺。
たまたまかもしれない。
先輩なんて、ほかにもいる。
運動部だって、俺以外にもたくさんいる。
背が低い人だって、俺以外にいる。
そう自分に言い聞かせる。
なのに。
期待するなと言われるほど、期待してしまう。
もし、本当に俺だったら?
もし、あの質問も、あの会話も、全部少しだけ意味があったとしたら?
考えれば考えるほど、顔が熱くなった。
そのとき、スマホが震えた。
紫からのLINEだった。
『なにしてんのー』
たった、それだけ。
たったそれだけなのに。
さっきまで考えていたことが、全部頭の中を駆け巡った。
え、なんで今?
俺にLINEしたかったの?
いや、たまたまだよね?
でも、嬉しい。
どうしよう。
返信を打っては消して、打っては消して。
結局、いつもどおりの返事を送った。
『なんもしてない笑』
すぐに返事が来る。
そこから始まった、いつものくだらない会話。
意味なんてないのかもしれない。
でも、俺は笑っていた。
画面の向こうにいるお前を想像して。
そして、ふと思った。
元彼と付き合っていた頃も、こんなふうにスマホを見つめていたっけ。
返信が来るのを待って。
返事が来たら嬉しくなって。
短い言葉に、一喜一憂して。
俺は、また同じことを繰り返している。
だけど。
今、俺を笑顔にしているのは、元彼じゃない。
紫だった。
その事実に気づいた瞬間、胸の奥が、ほんの少しだけ痛くなった。
忘れたわけじゃない。
元彼への気持ちが、全部なくなったわけでもない。
それでも。
新しい恋は、忘れられない恋が終わる前に、始まってしまうことがある。
俺はまだ、それを認めるのが怖かった。
次 ♡500
コメント
1件
うぉんなちゃん、読んだよ……🥀 第1話からもう、心臓がぎゅってなった。 「好きな人が俺だったら」ってタイトルも刺さるし、紫くんの焦れったい距離感と、赤先輩の“まだ元彼を引きずってるのに、紫が気になり始めてる”心情の描写がリアルすぎて、読んでて息が詰まったよ……。 特に「新しい恋は、忘れられない恋が終わる前に始まってしまう」って一文、すごく響いた。切なくて、でも希望もあって、続きが待ちきれないよ。 紫くんの好きな人のヒント、絶対赤先輩だよね……?🤍 次の話、楽しみにしてるね🌙